フォトアプリガイド

Snapseed(Android/iOS)

スマホらしい操作性を活かした定番カメラアプリ

Snapseedのメイン画面。画面下部には、それぞれの機能にアクセスするためのアイコン(編集メニュー)が並ぶ

 Nik Softwareといえば、Photoshopなどの画像編集ソフトのプラグインを開発・販売している写真関連のソフトウェアメーカーだ。2012年9月、そのNik SoftwareをGoogleが買収するとの発表があったことは記憶に新しい。今回は、そのNik Softwareが手掛ける画像編集アプリ「Snapseed」(Android版、バージョン1.5.0)を紹介する。

 元々Snapseedは、多機能かつ高性能な画像編集アプリとして有料展開されていたアプリ。それが、買収を機に無料化されたという経緯がある。

 そんなSnapseedの最大の特徴は、スワイプ(スライド)操作による直感的な編集に対応した点である。もちろん、画像編集アプリのほとんどはスワイプ操作による編集が可能だが、本アプリほどわかりやすく編集できるアプリはなかなかない。

 というのも、多くの場合、例えば輝度やコントラストといった項目は独立しており、タップして設定した後にスワイプするような手順を踏む。しかし本アプリでは、上下のスワイプで機能選択、左右のスワイプで効果調整といったルールが設けられている。編集カテゴリを選ぶという意味では、タップ操作が必要だが、調整・編集という意味では上下左右のスワイプ操作だけで済む。

 こういった直感的な操作性は、Nik Softwareがリリースした一連のPC用画像編集ソフトが採用する「コントロールポイント」技術(画像の調整したい部分にポイントを置き、スライダの左右操作で調整する仕組み)を彷彿とさせる。一部機能にはコントロールポイント技術がそのまま継承されており、そういった意味でも、Nik Softwareの技術力が集結したアプリとなっているわけだ。

 基本編集機能としては、「AUTOMATIC」「SELECTIVE ADJUST」「TUNE IMAGE」「STRAIGHTEN」「CROP」「DETAILS」という6つの機能。そして、「BLACK&WHITE」「VINTAGE」「DRAMA」「GRUNGE」「CENTER FOCUS」「TILT - SHIFT」「RETROLUX」「FRAMES」という8種のエフェクト(「FRAMES」はフレームのアドオン機能)が利用できる。

画面下の編集メニュー部を左右にスワイプすると、隠れていたエフェクトアイコンを表示できる

 基本的な使い方は、画面右上の「カメラ」アイコンをタップして「写真を撮影」または「写真を選択」からデータの元を選択する。

 ちなみに「写真を撮影」をタップすると端末のカメラが起動。「写真を選択」をタップすると、端末に保存された画像データを選択できる。

画面右上の「カメラ」アイコンをタップすると「写真を開く」ウィンドが表示され、「写真を撮影」または「写真を選択」を選択できる

 Snapseedの扱いやすい点として、元画像との比較が簡単である点が挙げられる。具体的には、補正編集画面の右上に表示された「比較」アイコンを“タッチ”することで元画像を表示できる。これにより、指を離すと補正された画像が、タッチすると元画像が表示され、確認・比較が容易だ。ちなみに、“タップ”ではなく“タッチ”だ。つまり、アイコンに触れている間だけ元画像が表示される仕組みになっている。

「AUTOMATIC」を利用しコントラスト補正(+50%)かけてみた
「比較」アイコンにタッチすると、元画像が表示される

 画像の補正方法(操作)も統一されており、例えば「AUTOMATIC」画面を表示させ、画像部を上下にスワイプすると写真補正の「変更」が、左右にスワイプすると写真補正の「調整」が行なえる。補正が完了したら画面右下の「チェック」アイコンを、取り消したい場合は画面左下の「×」アイコンをタップする。これで補正は完了だ。

上下のスワイプでは、選択した補正内容に合った項目が表示される。そのままスワイプして選択しよう
左右のスワイプでは、選択した補正内容の調整が可能だ。画面下部には数値も表示される(上部にも表示されるが、こちらはすぐに消える)

 編集機能のひとつ「SELECTIVE ADJUST」では、Nik Softwareの象徴ともいえる「コントロールポイント」が利用できる。

 画面下部の「+」をタップすると「コントロールポイント」を画面上に追加でき、設置したいポイントを直接タップして配置する。

 あとは基本操作よろしく、上下のスワイプで機能変更、左右のスワイプで調整が可能となる。なお、ピンチ操作により、効果範囲の指定も行なえる。これにより、より細かな調整ができるというわけだ。

画面下部の「+」をタップすると、「コントロールポイント」を追加できる
追加可能状態で画面をタップすると「コントロールポイント」が配置でき、配置後に画面を上下にスワイプして機能を変更できる様になる。ちなみに「SELECTIVE ADJUST」では、「輝度」「コントラスト」「彩度」が選択できる
調整方法も他の編集機能と同様に左右のスワイプで行なう
ピンチ操作(ピンチイン/ピンチアウト)により、効果範囲も調整可能

 手軽に利用できる機能としては、「STRAIGHTEN」が任意に角度を調整できるほか、回転にも対応する。「CROP」を利用すると画像データのトリミングができる。トリミングする際、アスペクト比は「フリー」のほか「オリジナル」「1:1」「DIN」「3:2」「4:3」「5:4」「7:5」「16:9」の8種から選択できる。

「STRAIGHTEN」では、角度の調整や回転が行なえる
「CROP」では、ピンチ操作とスワイプ操作でトリミング範囲を指定できる
アスペクト比は、初期設定された「フリー」を含む9種から選択可能だ

 収録した8種類のエフェクトも基本操作は同様。ただし、選択したエフェクトにより、変更内容は異なる。例えば「VINTAGE」なら、「輝度」「彩度」「テクスチャの強さ」「中心のサイズ」「スタイルの適用量」といった5つの編集項目が用意されている。また、画面下部の「☆」をタップすると「スタイル」を選択(9種類)が、「テクスチャ」アイコンをタップすると「テクスチャ」の選択(4種類)が可能だ。

画面下部の編集メニュー部を左右にスワイプしてエフェクトアイコンを表示させる
「VINTAGE」で調整できるのは、「輝度」「彩度」「テクスチャの強さ」「中心のサイズ」「スタイルの適用量」といった5つ
「☆」をタップするとスタイルの変更にも対応
テクスチャも4種類から選べる

 Snapseedを使う上で覚えておきたいポイントは、上下のスワイプで編集内容の選択、左右のスワイプで調整ということだけ。それだけで、細やかな画像編集が行なえるのだ。

 もともと有料アプリだったこともあり、無料とはいえ機能面では文句なしの出来。Android OSの必要要件が4.0以上となっているため、それ以前の端末では利用できないのが残念だが、対応しているなら、ぜひ利用してもらいたい画像編集アプリのひとつといえる。iOS 5.0以降の機種でも利用できる。タブレット端末でも利用できる点も○だ。

飯塚直