イベントレポート

Inter BEE 2023レポート(後編):三脚/照明/音声関連編

PowerShot V10の専用ケージ、ハンディ型スモークマシンなど

プロ向け映像/音響機器の展示会「Inter BEE 2023」(国際放送機器展)が11月15日〜11月17日に幕張メッセで開催された。主催は電子情報技術産業協会(JEITA)。前編に続き、後編では三脚や照明、音声関連機材について触れる。

出展は1,000社/団体を超える

※価格表記はすべて税込

小型のマグネットマウント(インタニヤ)

マグネットを3つ搭載したマウントを展示していた。10月に発売し価格は1,870円となっている。カメラネジの穴があり、スマホやアクションカメラを簡単に設置できる。マグネット部分には滑り止めも付いている。

スマートフォン用アダプター付きも用意する

また参考出品としてミラーレスカメラなどにも対応する大型のタイプもあった。2024年に4,000円程度で発売するとしている。

オールダブルパイプの三脚(ワイドトレード)

9月に発売したLeofotoブランドのビデオ三脚「LVC-253C」(8万5,800円)と「LVC-193C」(6万4,680円)を展示していた。いずれも動画用だが、一番下のパイプまでダブルパイプになっており安定性があるという。加えて収納時も小型になるメリットがあるとのこと。

LVC-253C
LVC-193C

参考展示品として1つのレバーで全ての脚のロックができる動画用三脚「LVC-163」と、カウンターバランスやドラッグを調整可能な新型雲台「FH-10」があった。いずれも2024年の発売で価格は未定。

LVC-163
FH-10
カウンターバランス調整つまみには「パーフェクトバランス」の記載があった

カウンターバランスが細かく調整できる三脚(ヴィデンダムプロダクションソリューションズ)

sachtlerの新型三脚「Ace XL CF GS MkII」が展示されていた。近日に発売となる。従来モデルに比べてカウンターバランスのステップが細かくなった。耐荷重域も0〜8kgと広い。また、これまでシルバーだったドラッグのダイヤルがブラックに変更されている。

Ace XL CF GS MkII
脚には新たにハンドルが付く

フリクション調整可能な三脚(平和精機工業)

リーベックブランドの動画三脚「TH-V」を展示。2024年に発売予定で価格は5万円。従来の「TH-Z」のスペックを引き継ぎながら、新たに無段階可変のフリクションコントロールを搭載した。

TH-V

カウンターバランスは固定式だが、フリクションの調整によりカメラの重量差をある程度吸収できる。

フリクション調整はパンとチルトを独立設定可能

Z 8やPowerShot V10用のケージ(SmallRig)

小型の三脚「AP-100」は一番下のロックノブを回すだけで全てのパイプのロックとリリースができ、素早くセッティング可能。それ以外のロックノブは長さ調整のために使用する。価格は3万5,190円。

AP-100
雲台はレバーを緩めると自由雲台が動く仕様

ニコン Z 8用のケージ「ナイトイーグル」も新製品。価格は2万6,290円。新しいデザインとカラーリングを採用したシリーズとなっている。

下部に付いているバッテリーマウントのパーツは別製品

キヤノンPowerShot V10用のケージもあった。シューマウントにライトなどを付けられる。ウィンドジャーマーも付属する。価格は6,590円。

変形するカメラケージ(イメージビジョン)

FALCAMブランドのニコン Z 8ケージを展示していた。11月に発売し価格は2万1,780円。他のFALCAMシリーズと同様、クイックリリースによってパーツの着脱が容易なのを特徴とする。

「折りたたみ式ハーフケージキット」も新モデル。折りたたんでコンパクトに収納できる汎用ケージとなっている。価格は1万6,280円。

伸ばして自撮り棒のような使い方も

積み重ねられるカメラバッグ(ヴィデンダムメディアソリューションズ)

8月に発売したマンフロットのカメラバッグ「PLシネローダー」シリーズを展示。サイズはS/M/Lがありそれぞれ4万1,250円、5万2,250円、6万500円。

Sサイズの内部

セミハードケースでクッションが薄いため、外寸に対して内寸が大きい。上部がフラットになっているため重ねることもできる。上部には三脚を取り付けることも可能。

ペリカンケースにフィットするポーチ(銀一)

11月から取り扱うCRDBAGのポーチを展示していた。撮影小物やケーブルなどを収納するポーチで、面ファスナーによるバッジを使うことで整理がしやすくするというアイテムになっている。ペリカンのケースに合わせたサイズを採用している。

様々なサイズがある
バッジの例

CRDBAGの参考展示として「Y-WRAP」があった。カメラを巻いて収納するクロスで、広げるとカメラの敷物にもなる。発売時期は未定。

RODEのワイヤレスマイク「ワイヤレスプロ」のデモも行われていた。トランスミッター側で32bit floatによる音割れの無い録音ができるのが特徴とあって、試す人が多く見られた。

低価格のフレネルレンズ(浅沼商会)

IFOOTAGEのフレネルレンズがあった。2024年初めに発売する。ライトの光をスポットにするためのアダプターで、ボーエンズマウントに対応する。価格が2万2,000円と比較的安価になっている。

空気で膨らませるLEDライト(プロ機材ドットコム)

新しく取り扱いを開始したAPAROのLEDライトを展示していた。そのひとつ「Radi 24-1Pro Air」はディフューザーがバルーンになっており、空気で膨らんでいるのが特徴。大きく膨らむので広い範囲を照らせる。38万5,000円で年内に発売する。

フルカラータイプで色も変えられるほか、スマートフォンからのコントロールにも対応している。

バッテリー内蔵の電球形ライト(ケンコープロフェショナルイメージング)

GODOXの「C7R」はE26タイプの電球式LEDだが、本体にバッテリーを内蔵しており単体でも発光できる。充電はUSB Type-C端子。発売時期と価格は未定。フルカラータイプになっているほか、スマートフォンからのコントロールにも対応している。

dedolightの「Lightstream」は灯体とミラーなどがセットになった照明キット。受注販売で90万円前後となるが、撮影手法としては興味深い。ライトの光を複数のミラーで反射させてライティングする。少ない灯体で多灯ライティングができるほか、光路長が長くなるためミラーと被写体の距離が多少変わっても光量の変化が少ないという。

使用例
いくつかの種類のミラーがセットになる

ハンディタイプのスモークマシン(アガイ商事)

Pergearの小型スモークマシン「SmokeGENIE」を展示していた。専用のリキッドでスモークを発生することができる。スモークの量や風量も調節可能。コップの中に留まるようなスモークも作れる。10月に発売し、価格は7万5,900円。リモコンも付属する。

32bit float対応のレコーダー(ティアック)

タスカムブランドの音声レコーダー「DR-10L Pro」が展示されていた。音割れの無い32bit float録音対応のモデルとなる。ピンマイクからの音声を本体で録音するタイプで、コンパクトになっている。オプションのBluetoothアダプターでスマホからのコントロールにも対応する。8月に発売され、価格は2万6,950円。

ファンタム電源対応のマイクアダプター(アツデン)

7月に発売したマイクアダプター「MC-1PH」があった。モバイルバッテリーから電源を供給することで、ミラーレスカメラなどでもファンタム仕様のマイクが使える。シューマウントなので、カメラに載せて使いやすい。ミニプラグからの音声入力も可能。

またMC-1PHにヘッドホン端子を設けた「MC-1PHM」を参考展示していた。スマホ撮影などヘッドホンモニターができない環境でも収録音を確認できるようにした。2024年の発売を予定している。

ヘッドホンの音量は2段階切り替え式

次回のInter BEE 2024は、11月13日から15日に幕張メッセで開催する

1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ・写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行う。2018年からフリー。