イベントレポート

成田空港の滑走路すぐ横!機内食製造会社の屋上で旅客機の撮影セミナー

チャーリィ古庄さんが指導 Leofotoの三脚・一脚も試用可能

株式会社ワイドトレードは、撮影セミナー「チャーリィ古庄 成田空港スペシャル撮影会 in ゲートグルメジャパン」を2月11日に開催した。同社が扱う「Leofoto」(レオフォト)ブランドの三脚・一脚を自由に利用できるイベント。

同社では、これまでもイベント参加を通じて三脚の利用機会を創出してきたが、自ら撮影セミナーを主催するのは初めてという。

開催場所は、成田空港のA滑走路に隣接する機内食の提供会社「ゲートグルメジャパン有限会社」の屋上。場所柄、離着陸する飛行機を一望できるロケーションだ。視界を遮るフェンスや電線が一部なかったりと、実に撮影しやすい環境になっている。

この場所は一般開放されておらず、こうした予約限定のイベントでしか原則立ち入ることができない。新型コロナウイルス感染拡大の影響で旅客便が減便、そうした状況から社屋の屋上を撮影会向けに開放するアイデアが生まれたという。

ゲートグルメジャパン有限会社の社屋屋上。視界を遮るフェンスなどはなく、滑走路がキレイに見える。絶好のロケーションだ

ちなみにゲートグルメジャパンでは、屋上に設置したライブカメラの映像をYouTubeで配信している。

成田空港近辺には、「ひこうきの丘」「十余三東雲の丘」「三里塚さくらの丘」「成田市さくらの山」など、知られた撮影スポットがあるが、一企業の屋上開放という新しいスタイルが、今後も定着するかもしれない。

本イベントの集合場所「ひこうきの丘」で撮影成田空港近くには、こうした撮影スポットが多数ある
車での移動が便利だが、バスも利用できるので参考にされたい

同セミナーで講師を務めたのは、航空写真家として世界的に有名なチャーリィ古庄さん。成田空港近くに自宅兼事務所を構える。

開始の挨拶をするチャーリィ古庄さん

参加者募集の告知はレオフォトの公式Twitterアカウントがメイン。それでも募集開始から2日後で定員に達してしまった。

参加者に、同セミナーをどこで知ったのか聞くと、公式Twitterという声ももちろんあったが、それよりも多かったのがチャーリィ古庄さんのリツイートというから、同氏の人気の高さがうかがえる。一番遠い参加者は福岡県から。自家用車で新潟県から到着した参加者もいた。

航空機撮影向けの三脚・一脚がそろう

用意された撮影機材としては、レバーロック式のハーフボール三脚「LVM-324C」とビデオ雲台「BV-15」の組み合わせや、赤色が特徴の三脚・雲台セット「LA-324CL」「LH-40R」、ジンバル雲台「PG-1(C)」などがあった。

貸し出されていた三脚・雲台の一例(「LVM-324C」と「BV-15」)

セミナー開始直後に三脚・雲台が並べられ、参加者が思い思いの機材を手にして撮影ポジションに移動。そのまま三脚・一脚をチェンジしながらの撮影となった。しかし中にはほぼ手持ちで撮影する参加者もいたりと、良い意味で自由なセミナーだった。

三脚を使うもよし、手持ちで撮影するもよし、参加者の撮影スタイルは自由

参加者に対しては、チャーリィ古庄さんが個別にアドバイスを行っており、撮影後の講評などは行われず、気楽に参加できるセミナーという印象。

Leofotoの三脚・雲台に載せられた参加者のカメラ&レンズは、さすがに超望遠仕様となっていた。

ジンバル雲台の調節に四苦八苦する参加者をみれば、ワイドトレードの上田晃央社長が自ら解説するシーンも。困った時は誰かしらのサポートがあったのは端から見ていて感心した。

カウンターバランスの調節について説明するワイドトレード上田晃央社長

ちなみに、長時間同じ機材を使っている参加者もいれば、適度に交換する参加者もいて、その辺の利用時間に関しては良識ある大人な対応といった感じ。

参加者にセミナーで選んだ三脚についてその理由聞いてみると、

「元々持っている三脚よりも太いパイプ径のものを試してみたかった」

「自分のカメラでいつも撮っている被写体(屋外)を撮影してみたかった」

といった声があった。

また、「(店頭とは違って)より実践的な環境で、普段使っていない三脚を試せるという点もいいですね」と、購入を見据えた感想ももらえた。

Leofotoブランドをほとんど知らないまま現地入りしたある参加者は、「少し使ってみた感じだけど、使いやすい」という印象を語ってくれた。

セミナー自体は、集合15時30分で解散が18時00分。晴れた青空から夕景・夜景環境での流し撮りなど、同じ被写体でもさまざまなパターンで撮影できたのは楽しい。

撮影終わりには、ゲートグルメジャパンが手掛ける持ち帰り用の機内食が配られ、解散となった。

撮影開始直後の様子
撮影も終盤。1回のセミナーで昼と夜の両方の撮影が楽しめた

取材を終えて

なお、筆者は「OM-D E-M1X」と「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PRO」という組み合わせで参加した。横切る旅客機を撮るには十分な距離で、かつ目の前を遮るフェンスなどないのは快適だった。

OM-D E-M1X/M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 R/150mm(300mm)/絞り優先AE(1/2,000秒・F6.3・+0.3EV)/ISO 250
OM-D E-M1X/M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 R/150mm(300mm)/絞り優先AE(1/320秒・F2.8・±0.0EV)/ISO 500

ようやくイベントがリアルで開催される中、今回の撮影場所のように、新たに開拓されたロケーションもある。普段使わなそうな三脚・雲台が体験でき、一流の写真家から直接アドバイスが聞け、さらに特別なロケーションということもあり、大いに盛り上がったセミナーだった。

飯塚直

(いいづか なお)パソコン誌&カメラ誌を中心に編集・執筆活動を行なうフリーランスエディター。DTP誌出身ということもあり、商業用途で使われる大判プリンタから家庭用のインクジェット複合機までの幅広いプリンタ群、スキャナ、デジタルカメラなどのイメージング機器を得意とする。