イベントレポート

“理想の色”はプリントで追い込もう!キヤノン「PRO-G1」セミナーレポート

講師を務めた中西敏貴さん(左)と三村漢さん(右)

2020年12月19日、東京・御茶ノ水にあるソラノシティにおいて、写真セミナー「プリントすると写真の表現力がアップする! with Canon PRO-G1 セミナー・体験会」が実施された。

写真家の中西敏貴さんとアートディレクターの三村漢さんを講師に迎えた本セミナーは、写真をプリントに出力することの大切さと、撮影者(写真家)の個性につながるプリント術を伝授するのが主旨。撮影した写真を選び、表現したい色を決め、展示に適したプリントに落とし込むまでの一連の流れを体験できる内容となっていた。

当日はA3ノビ対応プリンター「PRO-G1」と各種用紙を用意しており、参加者は用紙の違いを体感しながら、自由に選んでプリントできた。

セミナーで使用された「PRO-G1」。A3ノビ対応のプロ・ハイアマ向け顔料プリンターの新製品だ。
新しくラインナップされた写真用紙・光沢 プロ [クリスタルグレード]や、写真用紙・プレミアムファインアート・ラフも用意されていた。
会場の様子。一人ずつPRO-G1を使用できた。

登壇者の一人、三村さんが担当するアートディレクターは、一般に広告や装丁、グラフィックデザイン、エディトリアルデザインなどの分野で、視覚的表現手段を用いて目的の達成を図る役職。フォトディレクションにおいては、写真作品を写真集やプリントなどの紙メディアへ落とし込むことも職務内容に含まれる。三村さんは中西さんが2020年10月に上梓した写真集「カムイ」のアートディレクションにも関わっている。

制作途中のプリント出力は「コミュニケーション手段」

セミナーの開始に際して、中西さんは写真家が写真をプリントする理由について説明。写真家が最終的に作品を発表する場は写真展や写真集であるため、写真家が普段から意識しているのは「紙への出力」だと話した。展示用のプリントを仕上げるまでのプロセスに関しては、大まかに分けて「セレクト」、「テストプリント」、「ターゲットプリント」、「本番プリント」の4段階があり、今回のセミナーではこのうち、セレクトとターゲットプリントに重点を置いた解説がなされた。

作品制作の中でプリントが重要なのは、色の出方を確認し、表現の方向性を定めることもさることながら、関係者に「作者の理想の色」を伝えることが重要な役割なのだという。

中西さん(以下敬称略):写真作品は展示までの過程で、三村さんのようなアートディレクターや、ラボのプリントマン、写真集なら編集者など、多くの関係者が目にします。一方で自分の理想とする色は自分の中にしかないので、まずはそれを他者へ伝える手段としてプリントをおこなうのです。

三村さん (以下敬称略):写真家さんは風景や人を目にしたとき、感動した瞬間を残したいと思ってシャッターを押すわけですよね。つまり撮影の時点で頭の中で色が完成しています。それを伝えるのに最も適切なメディアが、プリントというわけです。一番わかりやすい例がターゲットプリントでしょうか。

ターゲットプリントは、明るさやコントラスト、カラーバランスなどに段階的な変化を加えたサムネイル画像を一覧にした「パターン印刷」から、理想に最も近い色を指定するプリント過程のひとつ。色見本。本番プリントと同じ用紙にパターン印刷をおこなうことで、より正確な指定が可能になる。

大量の出力を俯瞰して無自覚だったクセを知る

セレクトでは、ひとまずすべての作品を2LサイズもしくはLサイズに出力し、全体を俯瞰することを勧めていた。この段階では「粗選び」とも呼ぶべきセレクトをおこない、方向性が定まったらターゲットプリントに移行する。セミナーでは参加者と登壇者2人が相談して、各自が持参したプリントの中から本番プリントをおこなう写真3枚を選んだ。プリントを選ぶ際には、講師の2人が適した質感の用紙をアドバイスしていた。

事前にプリントされた参加者の作品を講師2名が選定。作品それぞれにどの用紙が適しているのかをレクチャーした。

写真管理機能のあるソフトウェアは、レーティングやメタデータなどによる絞り込みや、一覧表示機能を備えているものがほとんどだ。他者に正確な色を伝える段階でもなく、写真を選別するだけならば、画面上で行なった方が便利なようにも思えるが、中西さんによれば、セレクトでもプリントする必然性があるのだという。

中西:実際に作業してみるとわかるのですが、大量にある写真を取捨選択するときに重要なのは「全体を俯瞰して見る」ことです。

特に写真展や写真集では複数の写真を並べて見せる構成を組むことが多いし、そうなると前後の関係性や左右とのバランスも考えなくてはいけません。画面の中でも配置や入れ替えはもちろんできるし、レーティング機能で絞り込むこともしてはいるのですが、モニター上では表示できる枚数的にも限界があります。

僕の場合はプリントの展示がゴールにある以上、プリントした方が感覚的にやりやすいんですよね。それにプリントを並べて手で位置を調整したり、順番を入れ替えたりした方が結果的に早く済むのです。
三村:PCの画面はバックライトによる透過光で、写真プリントは反射光で見るというメディア特性の違いもありますよね。見え方がそもそも違います。

面白いのは、これをやると自分のクセがわかることです。PCのディスプレイ上で一枚ずつ見ていってもわかりませんが、実際にプリントを並べてみると、例えば水平がとれてないとか、同じような色味の写真に偏ってるとか、似たような構図ばかりだとかの情報が一瞬で把握できます。これは初めてやるとなかなか楽しい体験だと思うので、ぜひ一度は試してみてください。

中西: プリントして初めて気づくことはたくさんあります。大事なのは自分の写真を客観視する視点です。いったん自分の中から「外」に出して、俯瞰してみて、今自分が取り組んでいるプロジェクトの方向性が「これでいいのか」を検証する。僕が普段から繰り返しやっているルーティンは、撮影、セレクト、出力、そこからまた撮影に行く無限ループ。この中で、一度撮ったものを客観視して、撮影にフィードバックすることを繰り返していきます。インクの減りが速くて大変なんですが、僕の職業だと、これがすごく大事。

ディスプレイで見る分にはいい感じの写真に見えるけれども、プリントしてみると全然印象が違うというのもよくある話です。

用紙にも表現可能な色域がある?

セレクト用のプリントに先立ち、中西さんは、用紙で再現できる色域について補足した。macOSのカラーマネジメント機能「ColorSyncユーティリティ」を用いて用紙ごとのICCプロファイル情報を表示し、AdobeRGBを基準としながら、用紙の持つ特性を表現可能な色域の面から視覚的に示した。

写真用紙・絹目調の色域表示。用紙によって再現できる色域が異なる。

なおキヤノン純正用紙のICCプロファイルは、プリンタードライバと同時にPCへインストールされる仕様。

中西: これはどちらが良いとか悪いとかではなくて、用紙の物理的な性質として光沢とマットがこのくらい違う、という話です。ここまで違うと、色の出方が違ってくるのも納得ですよね。プリントに慣れてきたら、用紙が表現できる色域の違いも意識してみてください。

付属ソフト「Professional Print&Layout」の侮れない実力

今回のセミナーでは、ターゲットプリントに用いるパターン印刷をPRO-G1/S1に付属するプリントソフト「Professional Print&Layout」でおこなった。

Professional Print&Layoutは、写真プリントのワークフローに特化したプリントソフト。ICCプロファイルや色空間指定のプリント操作、大量印刷点数指定、カラーバランス補正機能、各種現像/レタッチソフト連携、対応RAWファイルからのHDRプリント機能などを備えている。なおパターン印刷機能自体は、PRO-10S/100Sなどに付属する「Print Studio Pro」にも搭載されている。

中西: 一昔前は、インクジェットでプリントした色見本が、本当に色見本として用をなすのか? という議論がありましたが、いまはインクジェットプリンターの性能も上がって、幅の広いレンジで再現してくれるようになりました。十分実用になります。

今回のセミナーで大活躍したのが「パターン印刷」だ。同じ用紙で「カラー」や「明るさ」、「カラーバランス」など様々な項目を変えた場合、どのように出力されるかをあらかじめ教えてくれる機能になる。

パターン印刷を説明する中西さん。
パターン印刷のメリットは、プリントする予定の用紙で補正の方個性を見極められることだ。

どのような項目でパターン印刷をおこなうかは参加者の自由だったが、中西さんからはカラー写真なら「カラー」、モノクロ写真なら「コントラスト」のパターンを作るよう最初の基準が示されていた。今回の参加者はカラー写真を用意している人が多かったためか、「カラー」を基準に調整しているのをよく見かけた。

パターンの中から好みのイメージを探し、それを基準値としてさらに新たなパターンを作成することの繰り返しが、ターゲットプリントまでの流れ。サムネイルの中から自分の理想のイメージに近いものを感じたら本番プリントをおこない、別のパターンから見つけた本番プリントと比較することで、更にイメージを絞り込んでいく。

三村: 並んだサムネイルは数値の差異もわかるようになっています。はじめはどのように色を作ったらいいのかわからないと思うので、まずはいろいろなパターン設定を試して、気になるイメージがあればとにかく出力していきましょう。自分の好きな色を見つける助けになるはずです。

知っておくとお得な「補色」の関係

ターゲットプリントのコツとしては、パターン印刷で軸とする色を絞り込むと効果的だという。「カラー」を軸としてパターン印刷した例を挙げれば、写真の雰囲気には明らかにそぐわない色味がある場合に、不要な色味を排除することで、より詳細な調整が可能になる。

講義内容とは直接関係ない補色の話で盛り上がった一幕。

三村: RGBとCMYは補色関係にあるので、不要な色を排除したければ、その色と反対の色を入れていくといいでしょう。例えば画面が黄色すぎると思ったら、青のパラメータを上げていくことで黄色っぽさは低減されます。

写真の色味を調整するにあたっては、自分の写真がこの6色の中のどれにもっとも近い色味を持っているか、そしてどの色の方向に向かって調整したいかを考慮すると、理想の色が見つけやすくなると思います。パターンを作る色を「全方向」にしてしまうと、写真に合う色とはかけ離れた色味も目にすることになってしまって、効率が落ちます。そういうときに補色の考え方を意識すると便利です。

中西: セミナーの主旨とはやや外れますが、補色は重要な概念です。例えば菜の花畑にモデルさんを立たせて写真を撮るとき、モデルさんに青色の服を着せておくと、黄色と青の補色対比によって色が互いに引き立て合う効果が得られます。表現意図によっては、そこからあえて均質な色味に調整して、全体のトーンを合わせるというやり方もできます。

補色の考え方は一つの画面でも、組写真を作るときにも役立つ考え方です。この機会に是非憶えていきましょう。

プリントの比較は「3点以上から」

セミナー後半は、ターゲットプリントと本番プリントのサイクルをひたすら繰り返す実践パート。登壇者の2人は参加者の席を回って、プリントに関するアドバイスを行なっていた。参加者からは、調整中の写真のプリントに向いた用紙やカラー調整の方向性などについての質問が聞かれた。

中西: プリントの最終形は、どういうものが正しいとかはありませんが、強いて言えば自分の好みで構いません。ただ、プリントの比較は3点以上でおこなうのが望ましいです。2点だと2点の間だけの比較になってしまうのですが、比較対象がさらにもう1点以上あると、それまで無意識にやってしまっていたミスや、自分のクセが自覚できるようになります。

PRO-G1は10色顔料インクを使うプリンターであり、濃い黒色専用の「新マットブラック」インクを用いる点も特徴のひとつ。中西さんはPRO-G1の出力については「黒が締まる」点を強調した。

中西: 昔からインクジェットプリンターを使ってきてしばしば悩みのタネになったのは、「黒」と「グレー」を色転びなく出すこと。表現したい黒やグレーにたどりつくのがものすごく大変でした。例えば「ちょっと赤っぽい黒」とか「ちょっと黄色っぽい黒」とかが転んで潰れてしまったりしていたところが、それほど手間をかけなくても正確に出るようになりました。

このほか顔料インクのメリットとして、出力直後、プリントに色が落ち着くまでの時間が短いことから、出力、確認、修正、再出力のサイクルを早く済ませられる点、長期保存性に優れる点を挙げており、作品の販売や展示を視野に入れる場合は、顔料プリンターの利用を勧めている。

「正確な色再現」を念頭に置いたとき、プリンターを使う環境の整備には手間がかかるもの。中西さんによれば、演色性の高い照明とカラーマネジメント対応ディスプレイは最低限必須であり、プリント時のディスプレイ設定は色温度5000K、ガンマ2.2、(白)輝度100カンデラにすることを推奨していた。これは一般的にディスプレイのキャリブレーション時のターゲット設定に近い数値。

当日用意された写真用紙は、「光沢プロ クリスタルグレード」「光沢プロ プラチナグレード」「微粒面光沢 ラスター」「プレミアムマット」「プレミアムファインアート・ラフ」など。いずれもA4サイズで、用紙表面の光沢や凹凸、白色度などがそれぞれ異なっており、写真をプリントした際の見え方にも大きく影響する。

中西さんによれば、用紙はそれぞれの違いを意識したうえで、自分の理想に最も近い表現ができるものはどれかを見極めることが重要なのだという。

中西: 特に紙の白が違うというのは盲点になりがちです。例えば「赤い花」を「黄色っぽい白」と「青みがかった白」の用紙にそれぞれ印刷すると、赤の出方が違います。画面上でいくら色を作り込んでも、プリントしてみると「何か違う」ように感じてしまう原因はこういうことで、実際にプリントしてみないと自分の求める色かどうかがわからないのです。異なる紙で同じ写真を印刷してみて、好きな色や質感を探るといいですね。

三村: 「平滑性の高い光沢系用紙の特徴は、色を伝達しやすいところです。一方でマット系の紙は、画面の凹凸によって質感を表現することに向いています。一見すると光沢系の方が見栄えはいいのですが、モノを表現したい場合にマット系用紙が適切なこともあります。

また三村さんは白色度により適した表現についても言及。青みがかった白は「透明感」や「静けさ」、黄色寄りの白は「温度感」や「情感」「動き」を表現するのに向いていると話した。

重要なのは、確固たる理想を持っていること

今回のセミナーでは、パターン印刷を用いたターゲットプリントを軸としたプリント体験を実施した。表現したい色味の方向性を見つけ、突き詰めていく作業において「パターン印刷」は優れたツールだが、まずは自分の中ではっきりと理想の色を持っておく、何に感動してシャッターボタンを押したのか、それを確固たるものとして持っていてほしいと中西さんは繰り返す。

中西: 実際、パターン印刷をするのとしないのとでは、かなりワークフローが変わります。まず方向性を決めて、ある程度絞った中から2~3枚出力すれば、だいたい完成プリントに持っていけるんですよね。これは銀塩プリントの時代には不可能でした。

みなさんにも経験があるかもしれませんが、これをやると、何十枚もプリントしたのに、何か思うようにならない、ということがほぼなくなる。パターン印刷によって方向性がはっきりしていれば、一旦進んだり、戻ったりという作業が減るので、ワークフローにも無駄がなくなります。結果的に用紙の節約にもなります。

三村: 「ターゲットプリントはコミュニケーションの比重が大きい作業です。他者に理想の色味を伝えるときは、やはり言葉だけでは伝わらないものなので、言葉を尽くすだけでなく、プリントにカラーフィルターをかぶせて、色のイメージを伝えるということをしています。これは今でも普通にやります。

でもパターン印刷が使えれば、自分の意図が、より直感的に、わかりやすく伝わる。いずれ展示や販売を考えている人なら、今回体験したようなワークフローが使えるようになっておいて間違いないと思います。

参加者の声

大津千穂さん

近々、グループ展を開催する予定があるのですが、実は写真のプリント経験がほとんどなかったので、しっかり勉強したいと思って参加しました。

はじめてプリントを体験して感じたのは、まず自分の思っているような色が出ないこと。紙によっても色の出方が違うので難しく感じましたが、A4の大きなサイズで、自分の好きなようにイメージを操作できたのは楽しかったです。

印象に残っているのは、色同士が引き立て合う補色関係の話。これまで意識したこともなかったので、勉強になりました。

久保清隆さん

個人的にフォトブックを制作していたのですが、あまりプリントそのものの質にこだわったことがなかったので、表現したい方向性の決め方や用紙による色の出方の違いなどを知ることができてよかったです。特にセレクトからターゲットプリント、本番プリントという一連のプロセスの回し方をプロの方に教えていただけたのは貴重な体験だったし、プリントすることで自分の作品を客観的に見られるようになりました。

PRO-G1クラスのプリンターに触れたのは初めてだったのですが、まず階調表現が素晴らしいし、自分が期待していた以上の出力に圧倒されました。

土方久明さん

写真のプリントには以前から興味があって、大きなプリントを出力してみたかったので参加しました。自分でプリントしてもなんだかうまくいかなくて、設定や画質の追い込み方も正直よくわからなかったのですが、今回、パターン印刷を使ったプリント画質の調整方法をご教示いただけて、満足しています。

セミナー内容については初めて見聞きすることばかりで難しくもありましたが、これまで知らなかった世界の一端を知ることができて感動しています。特に用紙選びについては意識したことがなかった部分なので衝撃を受けました。いずれは友人にプリントをプレゼントしてみたいですね。

木村繁文さん

プロの方にプリントの技術を教えていただけるということに魅力を感じて参加しました。プリントは自宅で月100枚前後出力するのですが、いまひとつ漠然とプリントしていた感が否めなかったので、先生方に教えていただいたパターン印刷を用いた追い込み方は、自分の中に基準が一つできた気がして、すごく勉強になりました。補色や用紙の話もこれまで特に気にしていなかった新しい知識でしたし、今回のセミナーを通して、撮影とプリントに対するモチベーションがかなり上がりました。

荒牧祐未さん

写真プリントの収益化を視野に入れた活動を始めているので、そのための勉強の一環としてセミナーに参加しました。先生も仰っていましたが、プリントしてみると何か違うな、と思ったことが何度かあって、自分の写真を作品として仕上げる部分のスキルがまだまだだと感じていました。写真の選び方も、画面上で何枚か選んで、決め打ちで出力するというようなやり方だったので、今回、プリントを作品として仕上げるための道筋を教えていただけたことは、今後に繋がる新しい視点だったと思います。

PRO-G1を使ってみて良かったのは、先生も繰り返し仰っていたパターン印刷ですね。これまでのワークフローには本番プリントしかなかったので、一枚出力して、違うなと思ったらまた別で出しての繰り返しで、納得できるところまでたどり着くまでの効率が良くなかったことに気付かされました。いずれはたくさんの人に見てもらえるプリント作品を作りたいですね。

原田佳実さん

自分でプリントをするとなんだかうまくいかないということが常々あるので、プリントの技術を向上させる目的で参加しました。小さめのプリントを出力して並べて選ぶやり方は以前別の場所で三村さんに教えていただいて実践していたのですが、パターン印刷によるターゲットプリントは、ぶっつけ本番のプリントを何枚も出さなくて済む点で、自分の中で画期的だなと思いました。撮影の段階から出力のことを意識する視点はこれまで持っていなかったので、これからの作品づくりに活かしていきたいですね。

PRO-G1を使ってみて良かったところは、用紙を手差しするときに失敗しにくいところでしょうか。今使っているプリンターもそれほど古い機種ではないのですが、PRO-G1は手差しのガイドが給紙に失敗しにくい構造になっているようで、率直に言ってかなり使い勝手がよかったです。

関根慎一