CIPA、「CP+」の直前情報説明会を開催
CP+メインビジュアル |
一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)は4日、写真映像関係イベント「CP+2010」(シーピープラス2010)の直前情報説明会を都内で行なった。開催1週間前におけるWeb事前登録状況や、今後の取り組みについて説明する趣旨。
CP+は、3月11日~14日にかけてパシフィコ横浜で開催する写真映像関連イベント。カメラ映像機器工業会、日本写真映像用品工業会、写真感光材料工業会、日本カラーラボ協会の4団体の共催で行なっていた「フォトイメージングエキスポ」(PIE)を前身とし、ここからカメラ映像機器工業会(CIPA)が離脱して新たに立ち上げたイベントとして、今回が初めての開催となる。
「カメラと写真映像の情報発信イベント~広がるフォトイメージングの世界をヨコハマから~」を開催テーマとし、キーワードとしては「撮る、見る、つながる」を掲げている。出展企業数は77社(共同出展17社含む)、出展小間数は699小間(主催者ゾーン含む)。入場料は、当日一般1,000円、土曜日・日曜日無料(簡易登録)、Web事前登録者・65歳以上(シルバーパスまたは証明できるものを持参)・障害者手帳持参者・学生(学生証持参)は無料。
CIPAブースのイメージ。入場してすぐの場所に位置し、CP+のコンセプトを伝える役割を担う |
■「無料券」を大量投下、観光客やショッピング客の来場も見込む
説明を担当したキヤノンイメージコミュニケーション事業企画センターイメージコミュニケーション事業統括企画部イメージコミュニケーション統括企画第三課課長の渡邊英雄氏 |
CIPAによれば、開催1週間前時点でのCP+のWeb事前登録数は1万813人で、前身となったPIE2009(フォトイメージングエキスポ2009)の約50%程度という。説明を担当したキヤノンイメージコミュニケーション事業企画センターイメージコミュニケーション事業統括企画部イメージコミュニケーション統括企画第三課課長の渡邊英雄氏はこの数字について、「今回は土・日曜日が入場無料というのが1点、さらに、配布しているチラシ(約7万部)に無料券を付属していることから、PIE2009と比べて事前登録数が減少したのではないか」と分析した。
なお、Web事前登録をすると、11日および12日の入場料が無料になるほか、各種セミナーへの申込みが可能となる。また、カメラ総合カタログ(500円)を無料進呈する。
目標来場者数は5万人で、CP+発表当初から変更はない。JRの190の駅に広告ポスターを掲示するほか、中吊り広告も展開している。「会場周辺地域との協力に加えて、メディアへの露出にはかなり力を入れているので、PIE2009の(来場者数)4万2,000人から5万人に到達することも可能なのではないかと期待しています」(渡邊氏)
海外からの来場者向けには、日本語以外の言語環境を整えるとともに、出展社に対しても、できるだけ英語での案内も用意するよう呼びかけているとのこと。主催者としての具体的な取り組みとしては、海外向けのインフォメーションカウンターを設置するほか、CIPA主催のスピーチ、ディスカッション、セミナーなどに日英同時通訳を用意する。
「羽田(空港)の拡大と国際化によって、上海や北京からの直行便ができたということもあり、特にアジア圏からの交通の便がよくなっています。海外からの来場者については、横浜という場所柄、観光客の来場を見込むほか、メーカー主催のツアーで来場するものが何社かあると聞いております」(渡邊氏)
また、会場周辺地域との連携施策として、会場周辺の飲食店や施設を紹介する「CP+2010限定 お得! 周辺施設ガイド」(仮称)を会場で配布する。参加店舗でCP+の入場証を提示すると、小冊子に記載された割引やサービスを受けられる。
会場周辺の協力店舗は約50。CP+の入場証を見せると各種割引やサービスを受けられる |
さらに、CP+会場となるパシフィコ横浜と桜木町駅の間に位置するランドマークタワー3階のランドマークプラザにおいて、「バンクーバーオリンピック報道写真展」を開催中。ランドマークタワーのショッピング客を誘導する狙いもあるという。
■部品・ユニットメーカーと海外出展社の招致が課題
CP+プロジェクト審議会委員長を務めるニコンフェロー映像カンパニー後藤研究室長の後藤哲朗氏 |
出展社については、「まずは国内イベントとして成功させる」としながらも、3年程度かけて目標値を達成していくとし、部品・ユニットメーカーの参加にも言及。トレードショーとしての側面を強める狙いで、来年から本格化する予定という。
海外からの出展社についても、翌年以降の課題として「より多くの海外出展社の獲得」を挙げた。CP+プロジェクト審議会委員長を務めるニコンフェロー映像カンパニー後藤研究室長の後藤哲朗氏は「今回、海外のメーカーにほぼ総当たりでお誘いをかけたのだけれど、経済環境などの理由もあって、残念ながら思ったようには出展いただけませんでした。ただ、ぜひ見に来てほしい、というお誘いはしています」と、海外メーカーの招致に依然意欲的な様子だった。
■CIPA主催のイベント
●キーノートスピーチ
CIPA代表理事会長を務めるオリンパス代表取締役社長の菊川剛氏によるスピーチ。カメラ映像機器産業の歩み、カメラ映像機器産業の今後、業界団体の果たす役割について語る。日英同時通訳を用意する。
- 日時:3月11日13時~14時
- 会場:アネックスF201~F202
- 定員:350名
- 参加費:無料
- 事前登録:必要
●パネルディスカッション
主要メーカーの技術開発責任者たちによるディスカッション。出演者は朝倉康夫氏(オリンパスイメージング株式会社 商品開発部部長)、打土井正憲氏(キヤノン株式会社 イメージコミュニケーション事業本部副事業本部長)、枝常伊佐央氏(セイコーエプソン株式会社 IJP・LP事業戦略推進部部長)、勝本徹氏(ソニー株式会社 パーソナルイメージング&サウンド事業本部イメージング第3事業部事業部長)、風見一之氏(株式会社ニコン 執行役員映像カンパニー開発本部長)、房忍氏(パナソニック株式会社 AVCネットワークス社ネットワーク事業グループDSCビジネスユニット統括部長)の6名。
- 日時:3月11日14時30分~16時30分
- 会場:アネックスF201~F202
- 定員:350名
- 参加費:無料
- 事前登録:必要
●CIPA・GfKグローバルマーケットセミナー
CIPAとGfKによるセミナー。リーマンショック以降の市場動向などをグローバルな視点から分析する。全2部構成。英日同時通訳を用意する。
- 日時:3月12日13時~13時40分(第1部)、13時50分~17時(第2部)
- 会場:アネックスF201~F204
- 定員:384名
- 参加費:無料
- 事前登録:必要
●CP+技術セミナー
主要各社の技術者によるカメラ映像技術セミナー。演目は「デジタル3Dシステムの開発」(佐藤均氏、富士フイルム株式会社)、「ミラーレス一眼のオートフォーカス技術」(山根洋介氏、パナソニック株式会社)、「超高感度撮影技術」(宝珠山秀雄氏、株式会社ニコン)、「最先端レンズに適した微細構造を用いた超高性能反射防止膜」(中井武彦氏、キヤノン株式会社)、「カメラ内画像処理技術による写真表現技法:アートフィルター」(寺田利之氏、オリンパスイメージング株式会社)、「プリンターから見た色再現技術」(枝常伊佐央氏、セイコーエプソン株式会社)、「レンズ・撮像素子一体型ユニット交換式カメラシステム」(北郷隆氏、株式会社リコー)、「テレビで見る写真の世界」(関根義之氏、ソニー株式会社)。
なお3月4日現在、申込み多数につき登録を打ち切っている。
●参加型写真展「御苗場」
若手写真作家たちによる写真展。ポートフォリオレビューやトークショーといったイベントも実施する。参加レビュアーは、テラウチマサト氏(「PHaT PHOTO」編集長)、姫野希美氏(赤々舎代表)、鈴木佳子氏(東京都写真美術館)、小山登美夫氏(小山登美夫ギャラリー)、天野太郎氏(横浜美術館)、外山俊樹氏(AERA編集部フォトエディター)、原耕一氏(アートディレクター)。
- 日時:3月11日13時~14時
- 会場:アネックスF201~F202
- 定員:350名
- 参加費:無料
- 事前登録:必要
●蜷川実花トークショー
写真家の蜷川実花氏によるトークショー。3月4日現在、申込み多数につき登録を打ち切っている。
●「フォト×俳句」セミナー
写真家の中谷吉隆氏と俳人の坊城俊樹氏による、写真と俳句のコラボレーションイベント。2月26日まで募集していた、写真と俳句の講評を行なうほか、当日用意した写真に参加者が即席で俳句をつけるイベントも予定している。全2部構成だが、説明内容はほぼ同じという。
- 日時:3月13日10時30分~12時30分(第1部)、15時~17時(第2部)
- 会場:アネックスF201~F202
- 定員:350名
- 参加費:無料
- 事前登録:不要
●カリスマモデル 道端カレン トークショー
「道端三姉妹」として知られる姉妹モデルの長女、道端カレン氏によるトークショー。「女性必見! 3秒で変わる! カリスマモデル 道端カレンのキレイな写真の撮られ方」と題して全2回を行なう。
- 日時:3月14日10時30分~11時20分
- 会場:CP+会場内御苗場ステージ
- 事前登録:不要
●グラビアモデル撮影会
グラビアモデルユニット「ミニスカポリス」の撮影会。2月28日より事前登録を開始しており、事前登録済みの参加者にはノベルティを進呈する。
- 日時:3月11日~14日、11時~12時、13時~14時、14時30分~15時30分、16時~17時
- 会場:ハーバーラウンジA
- 定員:各回40名
- 参加費:各回5,000円
●デジタルフォトシアター
200型スクリーン1台、120型スクリーン1台、100型スクリーン2台の大型画面で写真コンテンツを観賞できるシアタースペース。監修は写真家の山田久美夫氏。会場では3Dコンテンツの上映も行なうとしている。全日程通して入場可能。
- 日時:3月11日~14日終日
- 会場:ハーバーラウンジB
- 参加費:無料
2010/3/4 18:09