CIPA、2010年3月開幕「CP+2010」の概要を発表


左からオーガナイザー代表の矢部隆三氏(凸版印刷取締役副社長)、後藤哲朗プロジェクト審議会委員長、菊川剛会長、吉田守副会長、上村正弘事務局長

 一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)は19日、新フォトイベント「CP+」(シーピープラス)の概要説明会を都内で行なった。5月の改選よりCIPA代表理事会長を務める菊川剛氏(オリンパス社長)と代表理事副会長の吉田守氏(パナソニックAVCネットワークス社上席副社長)が出席し、イベントにかける意気込みを語った。

 CP+(Camera & Photo Imaging Show)は、これまでカメラ映像機器工業会、日本写真映像用品工業会、写真感光材料工業会、日本カラーラボ協会の4団体の共催として行なわれた「フォトイメージングエキスポ」(PIE)からCIPAが離脱、新たに立ち上げたイベントがCP+。すでに2010年3月の開催が決まっており、日本写真映像用品工業会の協賛も伝えられている。会場をPIEの東京ビッグサイトから、パシフィコ横浜に移したのも話題となった。

 「CP+2010」の開催概要は次の通り。

  • 日時:2010年3月11日〜14日 10時〜17時
  • 会場:パシフィコ横浜(展示ホール+アネックス)
  • 入場料:Web事前登録無料、当日一般1,000円、土曜日・日曜日無料(簡易登録)、65歳以上(シルバーパスまたは証明できるものを持参)・障害者手帳持参者・学生(学生証持参)は無料

 開催テーマは、「カメラと写真映像の情報発信イベント〜広がるフォトイメージングの世界をヨコハマから〜」。また、キーワードとして「撮る、見る、つながる」を掲げている。

 なお、CP+2010の出展受付は10月30日で締め切っており、現在の出展企業数は、約60社・団体、出展コマ数は約670小間。発表時の目標は150社、800小間だった。目標来場社数は5万人。

 主な出展企業は、エプソン販売株式会社、オリンパスイメージング株式会社、カシオ計算機株式会社、キヤノンマーケティングジャパン株式会社、株式会社ケンコー、株式会社シグマ、ソニー株式会社/ソニーマーケティング株式会社、株式会社タムロン、株式会社ニコンイメージングジャパン、パナソニック株式会社、富士フイルム株式会社、HOYA株式会社PENTAXイメージング・システム事業部、株式会社リコーほか。

 現在具体化予定の施策としては、CIPA菊川剛会長のキーノートスピーチ、主要メーカー開発責任者によるパネルディスカッション、部品ベンダーによる出展などが挙がっている。

 また、カラーマネジメント、プロ写真家向けデータ処理、CIPA/GfKによるグローバルマーケットなどのB to B向けセミナーも催す予定。さらに日本写真学会、日本光学会、日本オプトメカトロニクス協会の協力で、技術セミナーを開催する。

CP+のテーマCP+のコンセプト
CP+の構成。CIPAブースから出展者ブース、横浜、世界へと繋がるCIPAブースのイメージ。イベントのコンセプトを伝えるという
今回、メインビジュアルが決定した。カメラを持った人々が集う内容

 ブース配置で特徴的なのは、主催者であるCIPAブースを入口付近に大きくとること。CP+のコンセプトをここで明示し、イベント全体のイントロダクションという位置付けになるという。その後、出展企業による新製品展示や情報発信につなげる構成。

 コンシューマー向けの施策としては、カメラ記者クラブによるフォトセミナーなどを展開する「エンジョイフォトステージ」を配置。グラビアアイドル撮影会なども実施する。

 また、若年層への発表の場として、「横浜御苗場2010」を設ける。従来からPIEで行なわれてきた御苗場のコンセプトを踏襲する参加型写真展といえるもので、作品の募集開始は12月5日から。

 さらに、「フォト575」に関するイベントも実施する。一説には俳句ファンは写真ファンの2倍存在するとし、異文化からの取り込みを狙う。

 新しい試みとしては、最新プロジェクターによる「デジタルフォトシアター」(仮称)を設けるという。写真鑑賞の新しいスタイルとして紹介する。

 また、日本カメラ博物館が協力する「昭和30年代のカメラ・写真展」(仮称)は、CP+の遠い前身ともいえる日本カメラショー開始から50年を迎えることを記念して行なうもの。高度成長期とともに活躍したカメラや関連資料を展示する。

 開催地の横浜市との連携も厚くする。みなとみらい地区、中華街を中心とした、来場者と観光客の横浜回遊施策を実施。例えば中華街で使える飲食クーポンを会場で配り、食後に夜景を撮影すするツアーなどが考えられるという。市内各所にポスターを掲示することで、観光客の来場を促す施策もとる。

 連動イベントのひとつに、日本新聞博物館では「2009年報道写真展」を2010年1月9日〜3月22日にかけて実施する。東京写真記者協会加盟の新聞・通信・放送35社の写真記者による報道写真を展示するもの。そのほか、横浜市全体を写真で盛り上げる施策を調整中としている。


 会の冒頭、菊川会長はCP+2010について、「世界に発信できる総合的なイベントが必要と考えていた。フォトキナ、PMAに並ぶ世界に発信できるイベントにしたい」と語り、「精力的に検討を重ねた。ご期待に十分お応えできる充実した内容」と自信を見せた。さらに「対ビジネス、対コンシューマー、さらには美術領域を取り込み、世界規模にふさわしい内容にしたい」との想いを述べた。

菊川剛CIPA会長プロジェクト審議会委員長の後藤哲朗氏

 後を受けたプロジェクト審議会委員長の後藤哲朗氏(ニコンフェロー)は、「2011年の開催は2月中旬に行なう。春の新製品情報を世界に先駆けて発信したい」と発表。米国のPMAより先の開催を意識した。CESとも近い日取りだが、「CP+出展者にPMAへの出展を制限するなどの縛りは設けていない。2月中旬ならお見せできる新製品もあるなどちょうど良いタイミングという、出展社の声を聞いての判断」としている。

 また、海外からの出展の招致やフォトキナやPMAとのコネクションについては、「下部組織に海外との関係を深める分科会があり、どう活用するか研究中」tのこと。「2010年は米国と欧州で景気が良くない。分科会の効力が出るのは2011年だろう。ただし、現在でも元気の良いアジアと中国はかなり期待できる」という。

 さらに海外メーカーについては、複数のメーカーが出展することが決まっていることを明らかにした。



(本誌:折本幸治)

2009/11/19 21:26