ソニー、2種類のライブビューを搭載した「α550」
ソニーは、手持ちでのHDR撮影が可能なデジタル一眼レフカメラ「α550」(DSLR-A550)を10月22日に発売する。価格はオープンプライス。
商品名 | 価格 | 店頭予想価格 | 発売日 |
---|---|---|---|
α550(ボディのみ) | オープンプライス | 95,000円前後 | 10月22日 |
ズームレンズキット DT 18-55mm F3.5-5.6 SAM付属 | 100,000円前後 | ||
高倍率ズームレンズキット DT 18-200mm F3.5-6.3付属 | 140,000円前後 |
α550。装着レンズはキットレンズのDT 18-55mm F3.5-5.6 SAM | 上下可動式の液晶モニターは3型92.1万ドットになった |
ソニーが「はじめて一眼」シリーズと位置づける「α380」、「α330」、「α230」(いずれも6月に発売)に対し、上位に位置する「アクティブ撮影一眼」シリーズの第1弾。「写真表現に対する興味が強い」、「様々な機能を手軽に使いたい」という買替層をターゲットとしている。
海外では8月27日に発表。今回、国内での正式な発売が決まった。ただし、海外で同時発表の「α850」、「α500」の国内発売は見送られた。現行機種ではα380の上位にあたる。
撮像素子はAPS-Cサイズ相当(23.4×15.6mm)のCMOSセンサー「Exmor」。有効画素数は約1,420万。イメージセンサーシフトによる手ブレ補正機構やアンチダスト機構を備える。なお、手ブレ補正効果は約2.5〜4段分(α380は約2.5〜3.5段)に向上したという。引き続きαマウントを採用。
■拡大表示に対応、顔認識やスマイルシャッターも
最大の特徴は、ソニー独自の「クイックAFライブビュー」を引き続き採用すると同時に、初めて「マニュアルフォーカスチェックライブビュー」を搭載したこと。
ペンタ部内蔵のライブビュー専用イメージセンサーを使用するクイックAFライブビューに対し、マニュアルフォーカスチェックライブビューは撮像素子(CMOSセンサー)を使用。他社の一般的なライブビューの仕組みに近い仕組みで、クイックAFライブビューとマニュアルフォーカスチェックライブビューは、上面の専用ボタンで切り換えて使用する。
マニュアルフォーカスチェックライブビュー時には、これまでクイックAFライブビューではできなかったライブビュー画面の拡大表示(中央のみはスマートテレコンバーター機能で可能だった)が可能。拡大率は7倍と14倍が選べる。
また、クイックAFライブビューの視野率は90%だが、マニュアルフォーカスチェックライブビューに切り替えることで、100%の視野率が得られる。ライブビュー画面へのグリッドライン表示も可能だ。
ただしマニュアルフォーカスチェックライブビュー時にAFは使用できず、マニュアルフォーカスのみとなる。また、十字ボタン中央の「AF」ボタンを押すと、マニュアルフォーカスチェックライブビューからクイックAFライブビューへと瞬時に切り替わり、位相差AFが働く。なおα550はミラーアップしての像面ライブビューが可能になったが、従来のソニー機同様、動画記録には対応していない。
一方、従来のクイックAFライブビューには顔認識を追加。人物の顔を検出すると顔にフォーカスポイントが現れ、そのままシャッターボタンを半押しすると合焦、全押しで露光が始まる。また、検出した顔にフォーカスエリアを追随させ続ける機能も搭載。さらに顔に合わせてAE、オートホワイトバランス、Dレンジオプティマイザーが働くほか、笑顔を検出すると自動的にシャッターが切れる「スマイルシャッター」も備えた。
ライブビューを映す液晶モニターは、α350時代から続く上下可動式。ただしα380などの2.7型23万ドットから、3型92.1万ドットの「エクストラファイン液晶」にスペックアップした。α380の2面AR(反射防止コート)に対し、3面ARコートとすることで、ライブビュー撮影中の視認性を向上したという。
■位置合わせ技術で「手持ちHDR撮影」も
内蔵ストロボを搭載。ガイドナンバーは12 |
CMOSセンサー「Exmor」の高速駆動を活かした新機能が「オートHDR(High Dynamic Range)」。オーバーとアンダーの2コマを高速連写し、それらを重ね合わせることで、ダイナミックレンジを最大3EV拡大する。従来、HDRは三脚が必須だったが、オートHDRでは独自の位置補正技術で2コマの画像のずれを検知して重ね合わせを行なうため、手持ちでのHDR撮影に対応。処理速度も約2秒と比較的高速だ。
従来のDレンジオプティマイザーも健在。オートHDRと違いダイナミックレンジは変わらないが、シャドウの階調を最適化する。また、ワンショットで撮影が完了するほか、連写にも対応するため動体撮影に向く。処理速度も向上したという。
また、ドライブモードのひとつ「速度優先連続撮影」では、最高7コマ/秒での連写が可能。ただし光学ファインダー、ライブビューともに同じ速度で連写できる。ただしAFは1コマ目に固定。
通常撮影時の連写速度は、光学ファインダーが約5コマ/秒、ライブビュー時が約4コマ/秒。最高シャッター速度は1/4,000秒。なお下位モデルのα380は、光学ファインダーが約2.5コマ/秒、ライブビュー時が約2コマ/秒だった。
AF測距点は9点で、中央がクロスセンサー。配置やフォーカスポイントの表示はα380などと変わらない。α350からAF精度、AF速度とも約30%向上しているという。アイスタートAFも搭載。
本体側面にSDメモリーカードとメモリースティックデュオとのダブルスロットを装備。α380などと同じく、手動の切り換えスイッチを備える。ブラビアリンク対応のHDMI端子も搭載。
バッテリーはα350時代と同じNP-FM500Hを使用する。CIPA規格準拠での撮影可能コマ数は、ファインダー使用時約950コマ、ライブビュー撮影時が約480コマ。%単位での残量表示に対応する。
グリップはα350・α300に近いデザイン。ダイヤルは前方にひとつ。本体サイズは約137×84×104mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約599g(本体のみ)。
オプションとして縦位置グリップ「VG-B50AM」も用意。NP-FM500Hを2個搭載できる。価格は2万6,250円。
VG-B50AM |
α550にVG-B50AMを装着したところ |
■主な仕様
α550 | α380 | α330 | α230 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
発売時期 | 2009年10月22日 | 2009年6月25日 | ||||
実勢価格(発売時、ボディのみ) | 95,000円前後 | 85,000円前後 | 65,000円前後 | 50,000円前後 | ||
撮像素子 | タイプ | CMOS(Exmor) | CCD | |||
サイズ | APS-C相当 (23.4×15.6mm) | APS-C相当 (23.5×15.7mm) | APS-C相当 (23.6×15.8mm) | |||
有効画素数 | 1,420万 | 1,020万 | ||||
感度 | ISO200~12800 | ISO100~3200 | ||||
手ブレ補正機構 | イメージセンサーシフト式 | |||||
ダスト対策(アクティブ) | イメージセンサー駆動による | |||||
クイックAFライブビュー | ○ | ― | ||||
マニュアルフォーカスチェックライブビュー | ○ | ― | ||||
ファインダー | ペンタ部 | ペンタミラー | ||||
視野率 | 約95% | |||||
倍率 | 約0.8倍 | 約0.74倍 | 約0.83倍 | |||
アイポイント (最終光学面から) | 約19mm | 約19.7mm | 約16.5mm | |||
アイポイント (視野枠から) | 約15mm | 約14.1mm | 約10.9mm | |||
スクリーン | スフェリカルアキュートマット | |||||
測距点数 | 9点 | |||||
最高シャッター速度 | 1/4,000秒 | |||||
連続撮影速度 | ファインダー | 約5コマ/秒 | 約2.5コマ/秒 | |||
ライブビュー | 約4コマ/秒 | 約2コマ/秒 | ― | |||
液晶モニター | サイズ | 3型 | 2.7型 | |||
ドット数 | 約92.1万画素 | 約23万画素 | ||||
上下チルト | ○ | ― | ||||
記録メディア | メモリースティックPRO-HGデュオHX、メモリースティックPRO-HGデュオ、メモリースティックPROデュオ、SDHC/SDメモリーカード | |||||
内蔵ストロボ | GN12(ISO100・m) | GN10(ISO100・m) | ||||
HDMI端子 | ○ | |||||
使用電池 | NP-FM500H | NP-FH50 | ||||
本体サイズ | 幅 | 約137mm | 約128mm | |||
奥行 | 約84mm | 約71.4mm | 約67.5mm | |||
高さ | 約104mm | 97mm | ||||
重量(本体のみ) | 約599g | 約490g | 約450g |
2009/9/29 15:00