HOYAペンタックス部門、減収も下期は黒字化目指す
K-7 |
HOYA株式会社は31日、平成22年度第1四半期の連結決算を発表した。売上高は949億8,800万円(前年同期比27%減、以下同)、営業利益92億9,700万円(57.5%減)、純利益38億5,000万円(81.8%減)。
このうちペンタックス部門は、売上高246億4,000万円(32.4%減)、営業損失9億4,100万円(3,800万円の赤字)。コンパクトデジタルカメラの販売台数が減少したほか、デジタル一眼レフカメラも価格競争にさらされ、減収となった。ただ、直前の四半期比ではデジタルカメラ全体で販売台数減となったが、単価の向上で増収となっている。なお、ペンタックス部門がHOYA全体に占める割合は、売上高ベースで25.9%(前年同期は28%)だった。一方、医療用内視鏡はメガピクセルタイプの新モデルが好調に推移したものの、円高の影響で減収となった。
発表資料の中で、HOYAの浜田宏COO(最高執行責任者)は、「デジタル一眼レフカメラ『K-7』はHOYAとの合併後、新しい経営陣で作った初めてのカメラ。大変好評を頂いており、生産が遅れているほど。K-7は、当社にとって自信を回復するものになった」と好調ぶりをアピール。コンパクトデジタルカメラについても、「これから面白いカメラを出していこうと思っています」(浜田氏)と意欲を見せている。
また浜田氏は、「ペンタックスのカメラは2008年非常に苦しい1年を過ごし、栃木県の工場を閉じたりレンズユニットを製造していた福島県の工場も整理して生産や販売機能を世界レベルで再編した。その結果が効いており、売上は前年比で下がったが収益はかなり改善している」と述べた。今後はマーケティングに注力するとともに、量産までのスピードアップとコスト削減を推進することで、下期は単月黒字化を目指すとしている。
中間期の業績予想は売上高1,950億円(24.6%減)、営業利益240億円(43.5%減)、純利益135億円(66.5%減)を見込む。なおHOYAでは、主力製品が中間生産部材であり最終消費財の景況によって業績が左右されることや、海外販売比率が大きく為替の影響を受けやすいことなどから、第1四半期終了時点では中間期の予想のみ発表している。
2009/8/4 21:52