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若手SNSクリエイターのAI活用法とは Adobeが使用実態を調査
76%が「有用」と回答 人間による意志決定も重視
2025年11月17日 12:23
Adobeは11月17日(月)、主にZ世代とミレニアル世代のクリエイターを対象に実施した調査「クリエイターツールキットレポート」の結果を発表。制作過程においてクリエイティブ生成AIをどのように取り入れているか、また、次世代AIにどのような期待を寄せているかを調査した。
調査は2025年9月に米国、英国、フランス、ドイツ、韓国、日本、インド、オーストラリアの1万6,000人超のデジタルコンテンツクリエイターを対象に実施した。ここでいう「クリエイター」とは、SNS上で月に数回以上のデジタルコンテンツを作成・公開する個人と定義。商業クリエイターなどは対象外とし、主に新興クリエイターおよびセミプロフェッショナルクリエイターに焦点をあてたとしている。
クリエイティブ生成AIの使用状況は
クリエイティブ生成AIとは、クリエイティブ表現の支援に特化したAIモデル。クリエイターが画像、動画、音声、デザインなどのコンテンツのアイディア出しやコンテンツ生成、あらに生成したものを編集などする際に活用可能なAIであるとAdobeは定義している。
調査では76%が「クリエイティブ生成AIが自身のビジネスやフォロワー数の成長を加速させた」と回答。さらに81%が「クリエイティブ生成 AI なしでは制作できなかったコンテンツの作成に役立っている」、85%が「クリエイティブ生成AIによりクリエイターエコノミーに好影響を与えている」と回答した。
続いて、そのクリエイティブ生成AIを制作過程のどの部分で活用しているかを調査。
結果は「編集・画質向上・強化」が55%、「画像・動画などの新規アセット生成」が52%、「アイデア創出・ブレインストーミング」が48%だった。またクリエイターの80%が、1つのツールに依存せず複数のクリエイティブ生成AIを使用していることもわかった。
一方で、生成AIに関する懸念も浮き彫りになった。69%のクリエイターが「自身のコンテンツが許可なくAIの学習に利用されることを懸念」していると回答。
また各種AIツールの導入に関して、高コスト(38%)、信頼性の低い出力品質(34%)、AIモデルのトレーニング方法に関する不確実性(28%)が課題になっているとの回答もあった。
エージェント型AIの活用方法
複数ステップのアクションをユーザーに代わり自律的に実行するAIツール「エージェント型AI」。クリエイターは、制作ワークフローを加速させる可能性に注目する一方でその適用範囲については明確に線を引いているという。
AIにより作業を高速化しつつ、クリエイティブなコントロールについては自信の手に残したまま「人間が意思決定に積極的に関与する『Human in the loop(HITL)』」体験を求めているとのころ。
そんなエージェント型AIの今後について、70%のクリエイターが「可能性に対して楽観的または期待を寄せている」、また85%が「自身のクリエイティブスタイルを学習するAIの利用を検討」と回答した。
またその適用範囲については反復作業の自動化(51%)、コンテンツアイデアのブレインストーミング(50%)、コンテンツパフォーマンスの分析(44%)を要望する声があがった。
