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デジカメWatch的“アップル新製品”の見どころ紹介
iPhone 6s/Plus、iPad Pro、Apple Watch Hermes
Reported by 本誌:鈴木誠(2015/9/10 13:49)
アップルが9月10日(日本時間)に発表した新製品について、本稿ではカメラ関連の見どころを取り上げる。
なお、今回発表の新製品に標準搭載し、現在パブリックベータ版が公開されている「iOS 9」は、正式リリースが9月16日と発表された。
iPhone 6s/iPhone 6s Plus
大小2モデルの構成をiPhone 6シリーズから継承した。4.7型(1,334×750)の「iPhone 6s」(8万6,800円〜)と、5.5型(1,920×1,080)の「iPhone 6s Plus」(9万8,800円〜)をラインナップし、9月12日に予約開始。9月25日に日本を含む地域で発売する。ボディカラーはローズゴールドが増えて4色になった。
ディスプレイは指先の圧力を検知する「3D Touch」を備えたものに一新。画面を強く押すプレス操作でパソコンの右クリックのような機能が呼び出せ、動作時にはApple WatchやMacBookで採用例のある「Taptic Engine」の振動フィードバックが得られる。筐体のアルミ素材およびカバーガラスは、従来より高強度というものを採用している。
採用する裏面照射型センサーは、アウトカメラ(iSightカメラ)の有効画素数が従来の800万画素から1,200万画素にアップ。位相差検出画素(Focus Pixel)も同じく50%増えているという。画素サイズは1.5ミクロンから1.22ミクロンになった。新しい画像信号プロセッサとiOS 9の連携により、ノイズリダクションやローカルトーンマッピングも向上しているという。
新採用のCMOSセンサーは、ベイヤー配列のカラーフィルターをフォトダイオードに近づけ、さらにDeep trench isolationという技術を用いたことによりクロストーク(周辺画素への光漏れ)を抑えた。
インカメラ(FaceTimeカメラ)は120万画素から500万画素に向上。スペック上のレンズ構成枚数と開放F値は前後とも従来通り。iPhone 6s Plusのみ光学式手ブレ補正を搭載しているのもiPhone 6シリーズのラインナップと同じ。
動画は、新たに4K撮影に対応。iPhone 6s Plusでは動画撮影時も光学式手ブレ補正を利用できる。スローモーションビデオは1080p/120fpsもしくは720p/240fps。
撮影機能では、新たに「Live Photos」を搭載。通常通りの静止画撮影を行うと、シャッターボタンを押す前後のコマと音も記録していて、写真の再生時に動きを与える。
Live Photosは再生画像をプレスする(3D Touchで画面を強く押す)か、スワイプで前後写真と切り替える際に動作するほか、iPhoneのロック画面や、後述のApple Watchの文字盤として用いることもできる。
iSightカメラには、色温度が異なる2灯のLEDライトを環境光に合わせて制御する「TrueToneフラッシュ」を引き続き搭載。一方で自分撮り用のFaceTimeカメラにはこれまでフラッシュがなかったが、新たにディスプレイ面を光源として強く発光させる「Retinaフラッシュ」機能を持った。フラッシュとして通常より3倍明るくディスプレイを発光できるよう、専用のカスタムディスプレイチップを用意した。なお、Keynoteで上映されたiPhone 6sのコマーシャルの中には、日本のテクノポップユニット「Perfume」の3人が自撮りをしているシーンも含まれていた。
ストレージ容量は2モデルとも16GB/64GB/128GBで、最大容量128GBはiPhone 6シリーズと同じ。
どちらのモデルも外形寸法が各辺0.1〜0.2mm増、重量は約1割アップしている。
iPhone 6sの外形寸法と重量は138.3×67.1×7.1mm、143g。従来モデルiPhone 6は138.1×67×6.9mm、129gだった。
iPhone 6s Plusは158.2×77.9×7.3mm、192g。従来モデルiPhone 6 Plusは158.1×77.8×7.1mm、172gだった。
iPad
iPadシリーズ最大となる12.9型モデル「iPad Pro」が登場。発売は11月。32GB/128GBのWi-Fiモデルのほか、LTE対応の128GBモデルも用意する。カラーは3色。価格は799ドル〜。
ディスプレイ解像度は2,732×2,048ピクセルで、既存の最大モデル「iPad Air 2」より78%大きい。グラフィック性能も最大2倍としている。内蔵カメラは800万画素/120万画素。
大型ディスプレイにより、iOS 9の新機能であるマルチタスキング(スプリットビュー、ピクチャ・イン・ピクチャ)をより活用できるほか、ソフトウェアキーボードがフルサイズ相当で利用できる。
ボディに4つのスピーカーを搭載し、画面の向きに応じてステレオのL/Rチャンネルが追従。また、手元から遠いほうの2つのスピーカーには高音域の出力を優先させるという。
別売の新しいペンデバイス「Apple Pencil」(99ドル)に対応する。入力はピクセルレベルの精密さだとし、圧力センサーと傾斜センサーも備える。秒240回のスキャンでレイテンシーも抑えた。Lightningコネクタで充電する。
これまでiOS端末のタッチパネルは指での操作に特化しており、ペンデバイスでの細かな入力とは親和性が高くなく、ペンデバイスを開発するメーカーがその制約の中で正確な位置検出や筆圧検知などを実現してきた。
現状ではメモアプリなどと組み合わせられることが明らかになっているが、ペンタブレットのようにフォトレタッチでも使えるようになることを期待したい。
iPad Proの外形寸法と重量は、305.7×220.6×6.9mm、713g(Wi-Fi)、723G(Wi-Fi+Cellular)。初代iPadに近い重さにとどめたとしている。
また、同時にiPadシリーズ最小モデルも「iPad mini 4」にアップデート。プロセッサー性能を向上させたほか、従来よりわずかに薄く、軽くなっている。
Apple Watch
写真を用いた文字盤を使えるようになる新OS「watchOS 2」9月16日公開と発表。前述の「Live Photos」も文字盤に設定できるようになる。
ハードウェア面では、エルメス製のレザーストラップを組み合わせた「Apple Watch Hermes」を10月に発売。本体はステンレスケースのみで、ストラップのタイプにより3種類を用意する。エルメスの腕時計「ケープコッド」シリーズがモチーフと見られる二重巻きストラップの「ドゥブルトゥール」(38mmのみ)、一般的なレザーベルトタイプの「シンプルトゥール」(38mm/42mm)、レザーバングルタイプの「カフ」(42mmのみ)。いずれもレザーは複数カラーから選べる。
エルメスとのコラボレーションといえば、カメラ業界ではライカの“エルメスエディション”が知られる。こちらもエルメスのレザーを貼り革に採用するなど特別パッケージとした限定モデルで、銀塩のライカMPにはじまり、デジタル機でも発売された。
Apple Watch Hermesにはエルメス腕時計をイメージした文字盤がプリインストールされるほか、外箱もエルメス製品の化粧箱のようなデザインを採用。価格は13万8,800円〜。取り扱い店舗は限定される。