CEATEC JAPAN 2012に「ソニーDSC-RX1」「パナソニックDMC-GH3」が出品


 映像、情報、通信の総合展示会「CEATEC JAPAN 2012」が2日、幕張メッセで開幕した。期間は10月6日まで。2日は特別招待日で、一般公開日は10月3日〜6日。最終日となる6日は入場無料。3〜5日の入場料は一般1,000円/学生500円だが、事前登録を行なうことで入場無料となる。

 ここでは、デジタルカメラ関連のトピックをまとめてみた。


CEATEC JAPAN 2012初日の幕張メッセ入口

パナソニック、LUMIX DMC-GH3を国内初公開

 パナソニックは、フォトキナ2012で発表したレンズ交換式カメラのフラッグシップモデル「LUMIX DMC-GH3」を展示していた。2日現在、透明ケースの中に2台あるだけで、手にとれる実機やモックは置いていないとのこと。会場に置かれた2台は、国内で初のお披露目となる。ただし、国内での発売時期は未定。




 DMC-GH3は、同社マイクロフォーサーズ機「LUMIX G」シリーズにおける新たなフラッグシップモデルという位置づけ。AF、動画性能、ボディ、操作性などを一新した。撮像素子は新型の「Digital Live MOSセンサー」で、1,600万画素。最高感度はISO12800。画像処理エンジンも新しくなっている。詳しくはこちらの記事で。


分解展示もあった撮像素子は1,600万画素。ローパスフィルターを再設計したという
LVF(Live View Finder)には有機ELを採用ボディはマグネシウム合金製で防塵防滴構造

 同じくフォトキナ2012で正式発表された交換レンズ「LUMIX G X VARIO 35-100mm F2.8 POWER O.I.S.」も展示されていた。こちらは国内でも正式に発売が決まっている。10月26日発売で、価格は14万7,000円。同社の高性能ライン「Xレンズ」のひとつ。

 ズーム全域F2.8を維持しながら、35mm判換算で焦点距離70-200mm相当をカバーする。大口径望遠ズームレンズとして考えると小型軽量で、先行して発売された「LUMIX G X VARIO 12-35mm F2.8 ASPH. POWER O.I.S.」との組み合わせで、広角28mm相当から望遠までをF2.8で撮影できる。


LUMIX G X VARIO 35-100mm F2.8 POWER O.I.S.は動作品が用意されていた採用レンズをアピールする展示。EDレンズ2枚、UEDレンズ1枚を含む13群18枚

LUMIX G X VARIO 12-35mm F2.8 ASPH. POWER O.I.S.と並べたところ

 9月13日に発売された新製品「LUMIX DMC-G5」の展示もあり、こちらは自由に手にとって試せる。

 


DMC-G5。装着レンズはLUMIX G VARIO 45-150mm F4-5.6 ASPH. MEGA O.I.S.

DSC-RX1やNEX-6などを展示したソニー

 ソニーブースでは、「α99」「サイバーショットDSC-RX1」「NEX-VG900」をアピール。いずれも自社製の35mm判相当のExmorフルサイズHD CMOSセンサーを搭載する。

 中でも人だかりができていたのがレンズ一体型のDSC-RX1。コンパクトカメラ然としたスタイルに35mm判相当のCMOSセンサーを搭載したとあって,来場者の注目を浴びていた。ただし透明ケース内での展示となり、手にとることはできない。

 会期初日、ソニーはDSC-RX1の仕様変更を発表している。それに伴い、会場にはさっそく新しいAFモードダイヤルを搭載したDSC-RX1が展示されていた。AF-Cポジションが省略されている。


アクセサリーシューはα99と同じく新タイプ。シャッターボタンにはリモートケーブル用のネジが切ってあるフォトキナ2012までの展示と異なり、AFモードダイヤルからはAF-Cポジションがなくなった

 α99は、Aマウントラインナップのフラッグシップ。発売は10月26日。会場にはVario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSMを装着した1台に加え、50mm F1.4をつけた展示機も用意されていた。



 海外で9月に発表されたEマウント機の新モデル、NEX-6とNEX-5Rも出品されていた。どちらも国内での正式発表はまだない。ともに動作品を試せた。


NEX-6NEX-5R

 両機種とも無線LAN機能を搭載し、スマートフォンなどに専用アプリを介して撮影画像を転送できる。カメラ側の転送機能はカメラにインストールする「PlayMemories Camera App」として提供される予定。転送用のアプリの他、エフェクト系やフォトレタッチ系のアプリが存在するようだ。


インストールされているPlayMemories Camera Appの一部スマートフォンのように、残り容量などを確認できる

 NEX-6は、NEX-7と同様の外観やEVFを搭載しつつも、撮像素子をAPS-Cサイズ相当の有効1,610万画素Exmor APS HD CMOSセンサーとした製品(NEX-7は有効2,430万画素)。

 AFには位相差AFとコントラストAFを併用する「FastHybrid AF」を採用するのも特徴。



 NEX-5Rは、現行「NEX-5N」を無線LANやFastHybrid AFに対応させた位置付け。撮像素子はNEX-6と同等だが、EVFが外付けになり、NEX-5系らしい小型ボディを継承する。



 ちなみに、NEX-6とNEX-5Rについていた「E 16-50mm F3.5-5.6 PZ OSS」は、NEX-6と同時に発表された新レンズ。動画対応ため、電動ズームを採用する。


電源ONにした状態のE 16-50mm F3.5-5.6 PZ OSS

TransferJet版FlashAirカードが登場

 近接無線転送技術「TransferJet」を紹介する独立ブースでは、東芝が2013年の市場導入を予定している「TransferJet-SDカード」の展示があった。

 すでに展開中の無線LAN機能搭載SDメモリーカード「FlashAir」と同じ名前を冠しており、今回の展示品はFlashAirのTransferJet版という位置付けになる。東芝としては、FlashAirは「通信機能内蔵のSDメモリーカード」を意味するとのこと。

 TransferJetは数cm程度しか通信距離がなく、アクセスポイントを利用した他端末の同時接続にも対応していない。そのため、無線LAN版のFlashAirとは異なる使い方の製品になる。

 会場ではTransferJet版FlashAirを搭載したタブレッット端末を近づけると、データ通信が始まるデモを実施。通信距離は短いものの、設定が簡単で、かつ認証などに時間が取られない点をアピールしていた。


右がTransferJet版FlashAir。左のようなmicroSDタイプも開発中というタブレット端末でのデモ。専用アプリを起動しておくと、端末を近づけるだけで動画の転送が始まった

ローム、内蔵ストロボ用LEDを出品

 各種デバイスを展示していたロームのブースでは、「LEDフラッシュモジュール」のデモが行なわれていた。デジタルカメラ、スマートフォン、非常灯などでの利用を見込む。


LEDフラッシュモジュールを組み込んだデモ機下の緑のボタンで、発光モードを切替られるようになっていた
LEDフラッシュモジュール。高さは60mm、奥行きは2mm

 LEDの使用により、従来のキセノン管によるストロボと異なり高電圧が不要という特徴がある。具体的には、キセノン管では300V〜400V必要なところを、LEDなら5.2Vで発光が可能。大型の電解コンデンサを用意する必要がないため、本体設計の自由度も高まるという。例えばキセノン管なら高さ60mm、奥行き15mm以上がスペースとして必要なところ、LEDフラッシュモジュールなら高さ60mm、奥行き2mmで収まる。

 また、瞬間光となるストロボと違い、定常光をはじめとした多彩な発光モードを持たせられるのも特徴。会場では、「フラッシュ発光」、「微小発光」、「連続発光」、「トーチ発光」、「PWM(パルス幅変調)制御発光」の5モードを試すことができた。

 キセノン管に対してのデメリットは、現状ではまだコストが高くつくこと。また、瞬間的に光を発するキセノン管とは特性が異なり、光量を出すにはある程度の発光時間が必要となる。例えば今回のモジュールではガイドナンバー4を達成しているが、これは1/30秒間発光させた時の数値だ。

 会場のデモ機は小型の発光部ながら、LEDとは思えない程強い発光をしていた。




(本誌:折本幸治)

2012/10/2 20:33