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ビクセンの入門者向け天体望遠鏡「ポルタII」がリニューアル

2種類の鏡筒を選択可能

株式会社ビクセンは、入門者向けのベーシックな天体望遠鏡「ポルタII」シリーズのリニューアル版を5月23日(金)に発売する。

3月に20周年を迎えた「ポルタ」は、イタリア語で入り口を意味する初心者向けの経緯台。その後を継いだ「ポルタII」がベースの新製品として、新しい鏡筒「AE81M」または「SDE72SS」を組み合わせた天体望遠鏡をリリースした。

特に「AE81M」は、ベストセラーの屈折式鏡筒「A80Mf」をリニューアルしたもの。対物レンズの大きさや集光力などが向上している。

セットの鏡筒だけでなく、他のビクセンの鏡筒へと換装が可能。約5kg以下、外径φ160mm以下の鏡筒を載せられる。

架台下の固定ボルトを外すと経緯台と三脚が分離でき、「APP-TL130」など対応する三脚が装着できる。

対応三脚:APP-TL130、ASG-CB90三脚、SXG-HAL130三脚

接眼レンズやカメラなど、小物が置けるアクセサリートレイを装備する。

プレートホルダー
アクセサリートレイ

ポルタII-AE81M

ポルタII経緯台と鏡筒「AE81M」のセットモデル。価格は8万300円。

AE81Mは、初心者が本格的な天体観測が行える基本性能と、高いコストパフォーマンスを兼ね備えた鏡筒。

対物レンズには、有効径81mmのアクロマートレンズを使用。

金属製ラックアンドピニオンを使用したピント機構を採用する。接眼レンズ2種類(140倍、46倍)と、光路を90°曲げて観察できる正立天頂プリズムが付属する。

鏡筒部

  • 対物レンズ(主鏡)有効径:81mm
  • 焦点距離:910mm
  • 口径比:F11.2
  • 分解能:1.43秒
  • 極限等力:11.3等
  • 集光力:肉眼の134倍
  • 外形寸法:875×90mm
  • 重量:3kg(本体2.2kg)
  • ファインダー:5倍30mm(実視界8度)

接眼部

  • 焦点調節方式:ラックアンドピニオン
  • パーツ取付:ネジ込み(43mm)、42mmTリング用ネジ、差し込み(31.7mm)
  • 接眼レンズ(31.7mm径):PL20mm(46倍)、PL6.5mm(140倍)

経緯台

  • 積載重量:約5kg
  • 重量(三脚含む):5.7kg
  • 対応三脚:APP-TL130、ASC-CB90、SXG-HAL130

アルミ三脚

  • 段数:2段
  • 地上高:705~1,200mm
  • 設置半径:370~606mm

ポルタII-SDE72SS

経緯台「ポルタII」と鏡筒「SDE72SS」のセットモデル。価格は18万7,000円。

SDE72SSは、SD(特殊低分散)ガラスレンズを採用したアポクロマート鏡筒。

粗動と微動の組み合わせでピントを調節する、専用のデュアルスピードフォーカサーを装備する。微動時の減速比は約10:1となり、天体写真撮影や高倍率観測など、精密なピント合わせに対応できる。

架台への着脱を簡単に行えるようにするアリミゾプレートに対応。ビクセン規格に加え、薄型アタッチメント規格のプレートも利用できる。

伸縮式フードを採用する。

鏡筒部

  • 対物レンズ(主鏡)有効径:72mm
  • 焦点距離:432mm
  • 口径比:F6
  • 分解能:1.61秒
  • 極限等力:11.1等
  • 集光力:肉眼の106倍
  • 外形寸法:307~365×82mm
  • 重量:2.5kg(本体2.2kg)
  • ファインダー:5倍30mm(実視界8度)

接眼部

  • 焦点調節方式:ラックアンドピニオン(専用デュアルスピードフォーカサー付)
  • パーツ取付:ネジ込み(63mm)、差し込み(31.7mm、50.8mm)
  • 接眼レンズ(31.7mm径):PL20mm(22倍)、PL6.5mm(66倍)

経緯台

  • 同上

アルミ三脚

  • 同上

SNSキャンペーン「クイズ!ポルタシリーズとは」

発売を記念して、SNSキャンペーン「クイズ!ポルタシリーズとは」を実施している。期間は5月2日(金)から5月31日まで(土)。

同キャンペーンでは、ビクセン公式Xアカウントをフォローし、ハッシュタグ「#新しくなったよポルタ」を付与した上でクイズの答えを投稿すると、抽選で1名に「ポルタII-AE81M」が進呈される。

飯塚直

パソコン誌&カメラ誌を中心に編集者として活動後、2008年からフリーに転向したフリーランスエディター。商業の大判プリンターから家庭用のインクジェット複合機、スキャナー、デジタルカメラなどのイメージング機器が得意。現在、1児の父。子供を撮影する望遠レンズと、高倍率コンパクトデジタルカメラの可能性を探っている。