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【CP+2025】発表後の反響大きく…「BF」が人気のシグマブース

CP+2025のシグマブースは、会場でも目を引く円筒形の囲いの中で新製品を体験できるという外観になっており、刷新されたSIGMAロゴがさっそくあしらわれていた。

セミナースペースに加えて、おなじみとなっているライブラリーのコーナーには壁を設けず、オープンにして入りやすいブースにしたとのことだ。

そんなシグマブースの目玉はやはり「Sigma BF」。斬新なデザインのフルサイズミラーレスカメラとあって注目度は非常に高い。

Sigma BF

円筒形の囲いに沿うようにハンズオンコーナーの待機列ができていたが、スタッフによると会期初日は30〜40分待ちもあったとのこと。ハンズオンは1人5分程度でお願いしているそうだ。

行列のできていたSigma BFのハンズオンコーナー

シグマ マーケットコミュニケーション デザイン部長の畳家久志氏は、Sigma BFの反響について「想像以上に大きい。我々が想定していた写真関係以外のファッション関係などからのコンタクトも大きかった。また、今までシグマに関心が無かった方々も見に来てくれた。新しい選択肢を提供したということだが、それに合う新しいユーザーにも関心を持ってもらえたと感じている」と話した。

上面の操作部はシャッターボタンだけ
背面もこうしたカメラでは他に見ないほど簡素な操作部材になっている

ところで「BF」の由来についてだが、当初は発表せずに非公開としておき、シグマ代表の山木和人さんがいずれ話した段階で広まる、いわばサプライズのようなことを想定していたそうだ。

ところが2月24日(月・祝)の発表会で一部のメディアに早くも話したことから、公式に岡倉天心が記した「茶の本」の一説「Beautiful Foolishness」(美しい愚かさ)が由来だと発表したという。

同じ茶でも茶人が振る舞うものは時間をかけたもので、「そこには愚かだが美しさがある」という考え。それをカメラに当てはめて、スマートフォンで満足できる時代に敢えてカメラを使うことが「美しい愚かさ」になるとのことだ。

そうしたSigma BFは徹底的にシンプルさを追求したものとなっている。茶の本は茶道そのものの本ではないが、茶道にまつわる部分が多い。例えば茶室は飾る絵や花を引き立てるよう極力シンプルな内装にするといった話も出てくるが、まさにこのカメラもシンプルの極地といった趣を感じるものだ。

多くのカメラがグリップ周りにはラバーを巻くものだが、本機は前側はローレット状の滑り止めとし、背面親指部分も金属製。他の部材を使用しないほどのこだわりも見て取れる。

ローレット状の加工が見える
親指がかかる部分も金属仕上げというこだわり

Sigma BFのボディはアルミ削り出しのユニボディで、1つ削り出すのに7時間以上かかるという説明も話題になった。シグマでは発売後の供給を安定させるために2024年の夏頃からボディパーツの量産を開始し、数を積んでいるそうだ。

ただ、発表後の反響が想定以上に大きかったため、発売に向けての予約などをどのようにやっていくか社内で改めて検討しているという。

同梱のストラップにもMADE IN JAPANの刻印があった
Sigma BFのカラーに合わせたシルバーとブラックのIシリーズレンズもそれぞれ全9本が展示されている
ブースで大きくプリントされていたのはSigma BFのメインビジュルだそう。カタログなどで使われるそうだ

シグマブースでの主な新製品は、ほかには2本のレンズで「Sigma 300-600mm F4 DG OS|Sports」と「Sigma 16-300mm F3.5-6.7 DC OS|Contemporary」となっている。

300-600mm F4は単焦点のいわゆる”ロクヨン”をズーム化したものでこちらの注目度も高いようだ。ハンズオンコーナーの来場者も途切れることが無いほどだった。

シグマにとって”白レンズ”は近年無かった色。従来の黒を継承するという考え方もあったそうだが、遮熱性という部分を重視して今回は白に決まったそうだ。

16-300mm F3.5-6.7はAPS-C機向けの高倍率ズームレンズ。ミラーレスカメラ向けとしては世界初の18.8倍ズームということで、手に取る来場者が多かった。

交換レンズのハンズオンコーナーはミラーレス用レンズが全て揃っているとのこと。手持ちのレンズと付け替える来場者の姿もあった
新しいビジュアルアイデンティティで作られたレンズカタログも配布されていた
レンズスペックの解説が無い代わりに、レンズそのものの写真や作品が多数収録さていた
貴重な写真集が見られるライブラリコーナーも人気だ

1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ・写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行う。2018年からフリー。