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シグマの新レンズ「16-300mm」「300-600mm F4」を写真で解説

Sigma 300-600mm F4 DG OS|Sports。フードを外したところ

既報の通りシグマが2月24日(月・祝)、交換レンズの新製品「Sigma 16-300mm F3.5-6.7 DC OS|Contemporary」と「Sigma 300-600mm F4 DG OS|Sports」を発表した。

ここでは同日に開催された発表会で展示された実機をもとに紹介する。

なお、シグマのミラーレスカメラ向けのレンズには、ミラーレスカメラ用レンズを表す名称「DN」が入っていたが、今回のレンズはいずれも省略されている。これは今後リリースするレンズがすべてミラーレスカメラ用になるためとのこと。以後、DNの名称は入らなくなるという。

ミラーレス向けで初めての18.8倍ズームレンズ

Sigma 16-300mm F3.5-6.7 DC OS|Contemporaryは、APS-Cセンサー向けの高倍率ズームレンズ。価格は11万8,800円。発売時期は、Lマウント用およびソニーEマウント用が4月。富士フイルムXマウントおよびキヤノンRFマウント用が5月となっている。

35mm判換算で24-450mm相当(E、Lマウントの場合)をカバーする高倍率ズームレンズ。18.8倍はミラーレスカメラ向けレンズとしては世界で初めての製品化という。

フィルター径は67mmに収まっている

発表会でシグマ代表の山木和人氏は、「小形軽量に作った。軽装で旅をするには最適なレンズになる。旅以外にも風景やストリートフォト、家族写真など汎用性が求められるシーンでも使い勝手がよい」と紹介した。

18.8倍ということでテレ端にするとかなり伸びるが、手ブレ補正の効果で、ファインダー内の像は安定していた。補正効果はワイド端で6段、テレ端で4.5段分となっている。AFに関してはテレ端でも素早く合焦している印象だった。

ワイド端
テレ端

重量は615g。実際に持ってみるとレンズ単体でも数字ほどには感じず、APS-Cボディとのマッチングも良い。焦点距離70mmでは1/2倍のハーフマクロも実現しており、近接撮影での活躍にも期待がかかる。

ボディに近い側にフォーカスリングがある
ズームのロックスイッチも装備。MADE IN JAPANの表示も見える
2025年登場を表す「025」の表示も

F4通しのテレ端600mmも世界初

一方、Sigma 300-600mm F4 DG OS|Sportsは35mmフルサイズ対応の超望遠ズームレンズで、直販価格は129万8,000円。LマウントおよびソニーEマウントを用意する。

スポーツ、野鳥、航空機といった分野で人気のあるレンズに「600mm F4」の単焦点レンズがあるが、本レンズはズーム全域F4のまま300mmからのズームに対応させた。

単焦点レンズだとレンズ交換無しには難しい”引きの画”も1本で対応できる。「野生生物、航空、スポーツフォトグラファーにとって夢のレンズと思う。私自身、長年夢見たレンズでそれが現実になった」(山木代表)。

シグマでは珍しいホワイトカラーになっている
AFLボタンも搭載

製品化の上では大きく重くなってしまうのが課題だったそうだが、600mm F4の単焦点レンズ同程度の4kgほどの重さに抑えることに成功。山木代表は「単焦点レンズよりは少し重いが、手持ち撮影にも対応できると考えている」と話した。

最前面のレンズ

画質面では600mmの単焦点レンズ同等の光学性能としている。手ブレ補正は600mmで5.5段分。

ボディ側にドロップインフィルターのホルダーを備える
手ブレ補正のモードは1が通常時、2がパンニングなど向け
フォーカスのプリセットなどが行えるファンクションリング(白い部分)を搭載
三脚座には90°のクリックが設けられているが、それを無効にするスイッチもある
同時発表のミラーレスカメラ「Sigma BF」に装着したところ
会津工場製となっている
実際に本レンズで天体撮影を行ったセッティングの展示もあった

1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ・写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行う。2018年からフリー。