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「Xiaomi 14 Ultra」の国内発売が決定…可変絞り機構が付いた“ライカレンズ”搭載のスマートフォン

小米技術日本株式会社(Xiaomi Japan)は5月9日(木)、都内で2024年上期新製品発表会を開催。スマートフォン「Xiaomi 14 Ultra」を日本国内向けに発表した。

ライカカメラ社と共同開発したカメラを搭載するスマートフォン。既に「Xiaomi 14」シリーズとしてグローバル向けに発表済みの製品だが、このほど日本市場での展開について明らかとなった。国内で発売する「Xiaomi 14 Ultra」は同シリーズで最上位となるモデル。Xiaomiのスマートフォンにおいて“フラッグシップモデル”に位置づけられている。

発売は5月16日(木)から順次開始。取り扱いは同社直販サイトのほか、au +1 collection取扱店、au Online Shop、一部量販店など。直販価格は税込19万9,900円。

カラーはブラックとホワイトの2色展開。

ちなみに同シリーズは、グローバル向けにスタンダードモデルの「Xiaomi 14」を、さらには中国市場向けに「Xiaomi 14 Pro」というモデルも展開している。

発表会に登壇した大沼彰氏(小米技術日本株式会社・取締役社長)

可変絞りつきSummiluxレンズを搭載――Xiaomi 14 Ultra

Xiaomi 14 Ultraは、背面にメインを含む4つのカメラを搭載する“クアッドカメラシステム”を採用した。

4つの光学レンズを合わせて、「LEICA VARIO-SUMMILUX 1:1.63-2.5/12-120 ASPH.」の名を冠している。“SUMMILUX”の大口径と光学性能により、低照度環境下においてもディテールを残せるほか、優れた色再現やコントラストのある描写が得られるという。

本体背面

メインカメラ(23mm相当)にはソニーの1型CMOSセンサー「LYT-900」(5,000万画素)を採用。グローバルで発売した従来モデル「Xiaomi 13 Ultra」と比較して、ダイナミックレンジが大幅に向上しているほか、消費電力を43%減少しているという。4-in-1 スーパーピクセル(ピクセルビニング)も備えており、暗所での撮影性能にも優れるとしている。

さらにメインカメラのレンズには、遮光性と耐熱性に優れたポリイミド素材の絞り機構を搭載。F1.63~F4まで無段階で絞りを調節できる。ポートレートにおける表現の幅が広がったり、夜景撮影における点光源の光芒の撮影が可能になるなど、「記録としての写真だけでなく、作品としての写真」を撮りたくなるカメラだと表現している。

絞りを調節している画面
左の画像は開放F1.63のとき。F4まで絞ると(右の画像)、絞り羽根が閉じている様子がわかる。4つ並んでいる内の右上が標準カメラ

その他3つのカメラは、超広角(12mm相当・F1.8)、3.2倍望遠(75mm相当・F1.8)、5倍望遠(120mm相当・F2.5)という構成。いずれもセンサーには同じくソニー製の「IMX858」を採用。センサーサイズは1/2.51型だが、画素数は5,000万画素で4カメラ共通となっている。4つのカメラとデジタルズームを組み合わせて、120倍までシームレスにズーム可能としている。

超広角カメラ以外には、光学式手ブレ補正も搭載した。

2つの望遠カメラでは、マクロ撮影にも対応する。フローティング望遠レンズを採用した3.2倍望遠カメラは10cmの、ペリスコープ式の5倍望遠カメラは30cmのマクロ撮影が可能としている。

ズーム調節画面

撮影機能としては、ポートレードモードに“ライカ演出”が組み込まれた。「マスターレンズシステム」が追加され、渦巻きボケやソフトフォーカスを演出するモードが選択できるようになった。また色味の調節ができる「ライカフィルタ―モード」も搭載されている。

そのほか16bitのUltra RAW記録も可能としている。

マスターレンズシステムの画面

動画は最大で8K記録に対応。映画のような雰囲気で撮影できるという「MasterCinema」モードは、10bit Rec.2020でハイダイナミックレンジの動画撮影が可能としている。被写体を認識して自動でズームするといった機能も備える。

さらに本格的な動画撮影ができる「Director Mode」も搭載。各種設定をマニュアルで調節できるほか、log記録にも対応する。

Director Modeの画面

本格的な撮影体験を――Photography Kit

簡単な組み立てにより、スマートフォンをカメラのように“変身”させられる「Photography Kit」をオプションで用意する。価格は税込2万2,000円。Xiaomi 14 Ultraの発売を記念して、本体購入者にPhotography Kitをプレゼントするキャンペーンも実施する。

特徴的なのは、カメラのグリップの形を模した外付けバッテリー。これ自体に1,500mAhバッテリーを内蔵しており、スマートフォン本体に装着することでカメラのグリップのようにして使うことが出来る。

シャッターボタン(半押し操作に対応)や操作ダイヤル、録画ボタンも備えており、より本格的な撮影体験が得られるアイテムとなっている。

左が外付けバッテリー
スマートフォン本体にスライドするようにして、簡単に装着できる。
各種操作ボタンを備えており、カメラのように扱える
USB Type-Cポートを備えている

このほか、レンズの周囲に装着するデコレーションリングと、67mmのフィルターアダプターリングが付属。市販のフィルターを装着して、写真表現の幅を広げることが出来る。

デコレーションリングを装着するところ
Photography Kitの中身
手に持ったところ

その他の基本仕様――Xiaomi 14 Ultra

カメラ以外のスペックでは、SoCにSnapdragon 8 Gen 3を採用。前世代と比較してCPU性能を32%、GPU性能を34%向上させたという。

メインメモリは16GB。ストレージは512GB。

ディスプレイは6.7型(WQHD+)のAMOLED。バッテリー容量は5,000mAh。90Wの急速充電に対応する。

本体には、高強度アルミニウムフレーム素材を採用。Xiaomi 13 Ultraと比較して剛性が2倍に向上した。背面には防汚性・抗菌性をもつほか、環境へも配慮したナノテクヴィーガンレザーを使用。IPX8・IP6Xの防水防塵性能も確保した。

外形寸法は161.4×75.3×9.20mm。重量は219.8g。

発表会では、写真家・嶋本丈士さんのトークセッションも開催。はじめてXiaomi 14 Ultraを手にしたときの第一印象は「スマホというよりはカメラ」だった
嶋本さんの作品。レンズが大きくわかりやすいため、モデルからは目線や表情など、作品が作りやすいと好評だったという
本誌:宮本義朗