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画像生成AI「Adobe Firefly」の正式版が公開…商用利用も可能に

Adobe Firefly Web版

アドビは9月13日、画像生成AI「Adobe Firefly」Web版を公開した。今年3月から実施されているベータ版による運用が終了し、商用利用が可能になった。

Adobe Fireflyは、テキストプロンプトの入力でAIによる画像生成やテキストエフェクトが可能になるというもの。今年3月にベータ版として公開され、Photoshop Web版(ベータ版)など一部アプリに順次実装、対応言語の拡大などサポート体制を強化してきた。

そしてこのほど、正式版として“Web版”をアドビのサブスクリプションサービス「Adobe Creative Cloud」に追加。Adobe Photoshop、Adobe Illustrator、Adobe Expressに実装されていたFireflyの機能もベータ版としては運用終了となり、正式版として統合される。今後も写真、デザイン、ビデオ、3Dなどより多くのアプリにFirefly機能を統合していくという。

Adobe Photoshopの「生成塗りつぶし」
Adobe Illustratorの「生成再配色」

これに伴い、13日からAdobe Creative Cloudのコンプリートプランおよび一部の単体プランに、Adobe Firefly Web版とAdobe Expressのプレミアムプラン(有料)が含まれる。

なお、Firefly機能を利用して生成されたデータには、AIにより編集されたものであることを示すコンテンツクレデンシャルのタグが付される。コンテンツの名前、日付、作成に使われたツールなどの情報、および加えられた編集の内容が記載される。

このほか企業向けサービスとして、コンテンツの企画から制作、配信までのすべてを統合した新ソリューション「Adobe GenStudio」も展開する。

Adobe Express

生成クレジットの導入

Adobe Photoshop、Adobe Illustrator、Adobe Express、Adobe Firefly Web版において、Fireflyの機能を利用するためのクレジット「生成クレジット」が導入される。

生成クレジットは契約プランによって月間の使用可能量が異なる。例えば、Creative Cloud コンプリートプランでは1,000クレジットが付与される。クレジットは毎月リセットされるため、翌月への持ち越しは不可。クレジットが無くなった場合、処理速度が低下するなどの制限がかかる。11月以降は、生成クレジットの追加購入を可能にする予定としている。

クレジット使用量は、生成された画像出力の計算コストと、使用されるAI生成機能の値によって算出され、月ごとに積算されていくシステムになっている。

Adobe Creative Cloud、Adobe Express、Adobe Fireflyの無料版のユーザーにも、毎月25クレジットが付与される。

本誌:宮本義朗