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“国内初”Leofoto三脚のショールームがオープン…先行展示品など見どころを紹介
2023年4月7日 08:00
株式会社ワイドトレードは、日本国内で初となるLeofoto(レオフォト)製品のショールームを3月25日にオープンした。場所は埼玉県川口市西川口3-33-29。営業時間は10時00分~18時00分。定休日は毎週火・水曜日。このページでは、ショールームの見どころをお伝えしていく。
Leofotoは、中国・広東省に本拠を置く三脚メーカー。2014年設立と業界内ではまだ“若い”ブランドで、日本国内ではワイドトレードが総代理店を務め、2018年に販売が開始されている。アルミ削り出しのパーツを多用し、ユニークなアイデアによって多様な三脚シリーズをラインアップすることで知られている。
実際に触ってもらえる場所を作りたい
広々としたショールーム内には、三脚をはじめ、雲台やプレートなどのアクセサリーも展示されている。空間が多く確保されており、ゆったりとリラックスした気持ちで製品の見学ができそうだ。今後、Leofotoの現行製品はすべて展示される予定という。
内装は白と黒を基調にしてシンプルさにこだわった。ワイドトレード代表取締役の上田晃央さんは、「この場所で、来てくれた人の色をだしてもらえれば」と話す。床はコンクリート打ちを採用し、屋外で使うことの多い三脚をよりリアルな感覚で試用できるように演出した。
三脚の流通に長く関わる上田さんは、購入前に製品を見たいというユーザーからの要望をこれまでにも多く受けてきたという。「自分が履く靴も、買う前に試着して自分に合うモノかどうかを確認したいですよね」と上田さん。三脚も自分のカメラや身長に合うか、滑らかさや剛性はどうかと確認をしたいもの。それは、三脚ひとつとっても多くのシリーズを用意するLeofotoなら、なおさらのことだろう。
製品を比較して実際に試してみるという、自分の目的に応じた機材選びができる場所を提供する必要があった。上田さんは「同じ形に見えるのに、なぜこれだけ金額が違うのか。そういった細かいブランドのこだわりを、お客様にも感じてもらいたい」と語る。
ショールームでは、製品の修理や、開脚角度改造サービスも受付ける。ユーザーに寄り添える場所として、サポート体制を充実させていく構えだ。量販店に貸し出していた展示機をアウトレット価格で販売する、といったことも検討中という。
また、店内に設けたセミナールームでは、メーカーや写真家を呼んで各種セミナーの開講を予定。屋上のスペースを使った撮影イベントも企画していく予定という。このほかギャラリースペースも用意しており、“人が集まる場所”を目指す。
「他社製品を使っているユーザーでも気にせずに、三脚のことならぜひ足を運んでもらいたいです。Leofotoを持っていないから、と遠慮してしまうのはもったいない。皆さんで楽しみ、一緒に勉強し、盛り上がっていけたら嬉しいです」(上田さん)
ショールームには、担当スタッフの関根隆裕さんが常駐する。豊富な機材知識でユーザーをサポートしてくれる。スタッフ自身も、日々三脚の新しい可能性を追求し、ユーザーに提案していく。Leofoto製品の国内販売が始まって6年。「ここが本当のスタートです」と意気込みを見せている。
先行展示品で素早いフィードバックが可能に
ショールームの見どころの一つが、発売前の先行展示品だ。上田さんは、「製品を市場に投入する前にユーザーの声を聴くことが重要」だと話す。
発売を控えた製品は、当然のことながら本国から事前にワイドトレードに送られる。以前は、そうした製品を一部の写真家に事前に使ってもらうことでフィードバックを受けていた。ショールームをかまえたことで先行展示という形をとれるようになり、これまではごく一部の人に限られていた“ユーザーの眼”がより開かれた形になるというわけだ。
取材時(3月31日)には、ミニ三脚の「MT-04」が先行展示されていた。既存モデル「MT-03」の後継機種に位置づけられており、脚が3段式になった。2段式だったMT-03と比較するとそのサイズの差は歴然で、より汎用性の高い製品になっているようだ。MT-03は2018年に発売したモデルだが、今でも人気が高い製品だという。
MT-04に装着されている雲台は、こちらも先行展示品のギア雲台「G3」。既存モデル「G2」と「G4」の中間サイズとなる。
水平調整機構をもつ完全動画向けの、新シリーズ「キングコングシリーズ」の三脚が先行展示されていた。Leofotoでは初となるダブルチューブ構造で、脚ロックも本格的な動画向け三脚に多いレバータイプになっている。肩に担いで運ぶ際に衣服に引っかかるリスクを減らすため、パーツが本体部からなるべく出っ張らないように配慮している。スプレッダーは“ミッド”と“グランド”の付け替えができる。
中国ではこうした動画系アイテムが非常に注目されており、Leofotoも力を入れていくのだそうだ。
前述したように、“アルミ削り出しのパーツ”を多用しているのがLeofoto製品の特徴だ。この製造工程がもたらすメリットのひとつが、ユーザーのフィードバックを迅速に反映できるところにあるという。
“型”を必要とする製造工程とは異なり、図面を修正することで手早く対応できるのが削り出し工法の長所。大量生産を前提としないLeofotoには、その一方で臨機応変な対応力があるという。無駄を省き、時代のニーズに応えるLeofotoは、“イマドキの三脚”であると上田さんは表現する。
ショールームにおける先行展示品に寄せられたユーザーのフィードバックも、すぐに本国に届けるのだという。
「発売前に中国から届けられた製品を、私たちがただ抱えているだけではもったいないのです」(上田さん)
Leofotoコダワリの製品を体感
ショールームに展示された製品からは、Leofotoのコダワリが体感できるだろう。
LY(Mr.Y)シリーズは、センターポールを“Y字型”にしたことで、折りたたみ時のサイズを小型化した三脚。センターポールを排して小型化を図った、スタンダードモデルに位置づけられたレンジャー(LS)シリーズから、「もう少しだけ高さが欲しい」というユーザーの要望を受けて生まれたアイデア製品だという。
Leofotoでは2022年から脚ロックに“レバー式”を採用した三脚を展開している。これもユーザーから多くの要望を受けてのことなのだそうだ。ナットロック式と比較すると、スマートさ、固定力、剛性感の点で劣るというが、レバー式には操作スピードや、ロックされているか否かが一目でわかるなど、扱いやすさの点でメリットがあるという。
レバーロックを採用する三脚は、一般的にレバー部分に樹脂素材を使用することが多く、それが壊れやすさの原因にもなっているのだそう。一方でLeofotoは、このレバーパーツにもアルミを用いたことで丈夫さを確保。使用時にケガをしないよう、パーツの先端にカバーを装着するなど細部にこだわっている。
水平調整ができるレベリングセンターポール機構は、Leofoto三脚の中でも特にユニークなアイデアだろう。高さ・角度をいっぺんに決められてしまうため、星景撮影をする人から人気があるという。こうした特徴的な構造を持つ三脚でも、もちろんLeofotoに品質に関する妥協はない。固定力が非常に高く、センターポールを斜めにした状態でも高い安定性を確保している。
見た目が非常に印象的なハンドル付き自由雲台「MH-R」シリーズ。通常の自由雲台を反転したような構造となっているため、可動範囲が広いのが特徴。ハンドルにより機動性も高く、カメラを縦位置にする際に、通常の自由雲台のように“溝”を気にする必要がないというのも面白いポイントだ。
Leofotoのポセイドン(LP)シリーズと、アテナ(LA)シリーズは、浸水防止機構と、チタン合金により防水・腐食耐性を高めた“水場に強い”三脚だ。ナット部分に滑り止め効果のある波型模様のマットを付けたほか、内部には浸水を防止するシリコーン素材が組み込まれている。専門スタッフにより細部にわたる解説を聞けるのもショールームならでは。
スマートフォンなどモバイル端末用の製品もラインアップするLeofoto。折り畳み式のスマートフォンスタンド「PS-4」は、アルカスイス互換形状を採用したことで、非常に汎用性が高くなっているのが特徴。三脚に装着して俯瞰撮影をするといった使い方も可能で、「一個あれば色々な用途につかえます」と関根さんもオススメするアイテムだ。“スマホホルダー”としてみれば高価な製品だが、アルミ製で剛性感が高く、使い勝手の良さから非常に人気があるという。