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ソニー、VLOGCAM初のフルサイズ機「ZV-E1」。動画の自動フレーミング機能も

α7S IIIと同じ12.1MPセンサー&エンジン

ホワイト

ソニーは、ミラーレスカメラ「VLOGCAM ZV-E1」(以下、ZV-E1)を4月21日に発売する。価格はオープン。店頭予想価格(税込)は、ボディ単体が33万円前後、レンズキット(FE 28-60mm F4.5-5.6)が36万円前後。ブラックとホワイトの2色を用意する。

ブラック

Vlog撮影に向けた“VLOGCAM”シリーズで初となる、フルサイズセンサーを搭載したモデル。ソニーEマウントを採用しており、レンズ交換に対応する。同シリーズは、同じくEマウントのAPS-Cミラーレスカメラ「VLOGCAM ZV-E10」(2021年9月発売)、レンズ一体型カメラ「VLOGCAM ZV-1」(2020年6月発売)と「VLOGCAM ZV-1F」(2022年10月発売)が発売済みで、計4機種のラインアップとなった。

ZV-E1は、有効約1,210万画素の裏面照射型CMOS「Exmor R」を搭載。画像処理エンジンは「BIONZ XR」を採用し、BIONZ Xを採用したZV-E10との比較で処理速度が最大約8倍に向上した。センサー、画像処理エンジンの組み合わせはα7S IIIと同じ。

最高感度は常用でISO 102400、拡張でISO 409600(静止画/動画共通)。ダイナミックレンジは15+ストップ(S-Log3撮影時)。動画記録は4K 60p 4:2:2 10bitに対応する。なお、6月以降に4K 120p記録が可能になる無償アップグレードの提供を予定している。

AF方式は、位相差検出とコントラスト検出を併用するファストハイブリッドAFを採用。位相差検出AFの測距点は静止画時で759点、動画時で627点。

α7R Vで採用例のある「AIプロセッシングユニット」を搭載しており、リアルタイム認識AFに対応した。人間、動物、鳥、昆虫、車/列車、飛行機に対してリアルタイムトラッキングが可能としている。ZV-E10では人物と動物のみに対応していた。

AIによる被写体認識性能をいかした「オートフレーミング」機能を新たに搭載。動画撮影や動画配信時に、認識した被写体を追尾して、その動きに合わせてカメラが自動的に画面をクロップして構図を調整する。

また、同じく新機能として搭載された「フレーミング補正」は、被写体と並走して撮影するシーンなどで、被写体が構図内の同じ位置に保たれるようにトラッキングして、自動で構図の補正を行う。

顔認識した複数人にピントが合うように、カメラが自動でボケ具合(F値)を調整する「複数人顔認識」機能も搭載した。ひとりの人物を撮影している際に、構図内に別の人物が入ってきた場合にも効果がある。

「1台でシネマティックな表現」が本機のコンセプトのひとつ。印象的な画作りを支える多彩な新機能を備えた。

おまかせオートやシーンセレクションでの撮影時に利用できる「マイイメージスタイル」は、背面モニターのタッチ操作アイコンで画質を調整できる機能。背景のボケ具合や、明るさ、色合いを直感的に調整できるという。

「シネマティックVlog設定」は、複雑な設定不要で、映画のワンシーンのような印象的な画作りが出来る機能。適用することで自動的にシネマスコープ(2.35:1)のアスペクト比に変更されるほか、5種類の「ルック」、4種類の「ムード」から好みに応じたスタイルを選択できる。

シネマティックVlog設定

このほか、同社の映像制作用カメラ「FX3」や「FX6」などにも搭載された、カラーグレーディング不要でシネマルックが得られるという「S-Cinetone」も踏襲。背景ボケ切り替えや、美肌効果、商品レビュー用設定などVLOGCAMシリーズでは馴染みのある機能も備えている。

補正効果5.0段分のボディ内手ブレ補正機構を搭載。動画撮影時にはアクティブモードも選択できる。また、アクティブモードより手ブレ補正効果を約30%向上した「ダイナミックアクティブモード」を初搭載。選択時はアクティブモードからさらに画角が狭くなる。

内蔵マイクは、収音する方向に合わせてオート、前方、全方位、後方の4タイプから選択できる「インテリジェント3カプセルマイク」を搭載。ZV-E10は前方のみカバーする「前方指向性3カプセルマイク」だった。デジタル音声伝送に対応するMIシューも装備した。

カメラからモバイルアプリケーション「Creators' App」への画像転送の安定性が大幅に向上。転送開始後は、画面がオフになっていたり、他のアプリで別作業をしていても転送が継続される。USB接続によるライブストリーミング(4K 15p/30p、FHD 30p/60p)にも対応する。

背面モニターは3.0型・約104万ドットのバリアングル式。従来のVLOGCAMシリーズと同様にEVFは非搭載。

ボディ側面には、USB Type-C端子、HDMIマイクロ端子、マイク端子、ヘッドフォン端子を備える。メディアスロットはSDシングル(UHS-I/II両対応)。

バッテリーはα1やα7S IIIなどでも採用された「NP-FZ100」。撮影可能枚数は約570枚。実動画撮影時間は約95分。USB充電/給電が可能(USB PD対応)。

外形寸法は約121.0×71.9×54.3mm。重量は約483g(バッテリー、メディア含む)、約399g(本体のみ)。

外観

本誌:宮本義朗