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シリーズ初のフルサイズセンサー搭載モデル「VLOGCAM ZV-E1」のメディア向け体験会が開催
“オートフレーミング”機能などのサンプル動画を掲載
2023年4月3日 12:41
ソニーは3月31日、ミラーレスカメラの新モデル「VLOGCAM ZV-E1」(以下ZV-E1)のメディア向け体験会を都内で開催した。ここではその模様をお伝えする。
ZV-E1はVlog撮影に特化したソニーEマウントのミラーレスカメラ「VLOGCAM」シリーズの最上位モデルにあたり、シリーズで初めてフルサイズセンサーを搭載した。ボディ単体の直販価格は33万円前後で、4月21日に発売する。
本機は、「シネマティックVlog」という映画のような見た目のVlogを撮影できるよう、映像表現力を高めているのが特徴となっている。体験会では、当サイトにも度々登場している映像作家のAUXOUTさんが機能や撮影の解説を行った。
AUXOUTさんによると、シネマティックという表現がVlogでは大きなムーブメントになっているとのこと。シネマティックな表現にするには、トリミングや色調整などの編集作業が必要になるが、本機は「シネマティックVlog設定」などの機能を搭載。「後から編集を頑張らなくてもカメラで手軽にシネマティックな映像が撮れ、ハードルが下がった」(AUXOUTさん)という。
シネマティックな映像の要素としては、共感できるストーリー性、映画のフォーマット(視覚効果)、カメラワーク、音楽などがあるという。加えて、画面が横長になるシネマスコープ(シネスコ)フォーマットや歩きながらの移動ショット、映画のようなカラー(ルック)なども効果的とのことだ。
自動でトリミングしてくれる機能を試す
体験会ではまず、AIを使ったフレーミングに関する新機能を使ってみた。「オートフレーミング」と「フレーミング補正」がそれで、前者は画面内の人を自動的にクロップして追いかける機能。後者は被写体と一緒に動きながら撮影しても、被写体がが同じ位置に保たれるようにクロップして補正する機能だ。
オートフレーミングでは、クロップのレベルやフレーミングの追従速度も設定可能。背面モニターに表示される白枠の内部がクロップされて記録される。クロップに移る際や追従時も滑らかで、三脚による撮影のように見える。
次に試したフレーミング補正では、被写体と一緒に歩きながら撮影しても被写体を中央に収めることができた。手ブレ補正は従来の「アクティブモード」よりも強力になった「ダイナミックアクティブモード」が使えるようになったので、安定した撮影ができていた。
映画のような見た目で撮る
続いても新機能の「シネマティックVlog設定」を試した。画面のアスペクト比がシネマスコープになるほか、フレームレートが映画と同じ24pとなる。また色味をシネマティックにする「ムード」という設定項目もある。
ムードはAuto、GOLD、OCEAN、FORESTから選べるので、今回はAuto以外を選択している。また「ルック」の設定は人物に適している「S-Cinetone」を選んだ。
ここでは撮影モードを「S&Q」にしてスロー撮影を行った。AUXOUTさんによると、スロー撮影もシネマティックな映像の重要な要素とのこと。
まずは、こちらに歩いてくる被写体に合わせて自分が下がっていくトラックショットで撮影。カメラはかなり揺れるが、手ブレ補正が効いているので記録映像はスムーズなものになっていた。
次に、座っている被写体からカメラを遠ざけていくドリーアウトで撮影。3秒くらいでカメラを手前に引く動作をする。この時、木の葉などが少しフレームに入るようにすると効果的とのことだ。
今回最後となる撮影として、止まっている被写体の周りを弧状に動いて撮るサークルショットを試した。やはりZV-E1の手ブレ補正が強力なので、手持ちでも安定していた。