アドビ、iPad版Photoshopの最新版を公開。「背景の削除」「被写体の選択」などワンタップでの編集機能が向上

アドビ株式会社は5月11日、iPad版のAdobe Photoshopの最新アップデートプログラムを公開した。

今回のバージョンアップでは、レタッチ、画像の調整、複数写真のミックスといった分野でさらなる機能強化を図り、ワンタップ操作によるスピードアップの数々に注力しているという。

コンテンツに応じた塗りつぶし

任意の選択範囲に対して、周囲のコンテンツに基づいてAI処理で塗りつぶす操作をワンタップで行える機能。なげなわツールまたは、オブジェクト選択ツールなどの選択ツールで領域を選択し、「コンテンツによる塗り」をタップすると、選択範囲のコンテンツが周囲の画像に溶け込むように塗りつぶされるという。

例えば、背景の不要なオブジェクトを消したり、ノイズやゴミをなめらかにブレンドしたりできるという。

背景を削除

画像を開き、なげなわツールの下にある「背景を削除」ツールを選ぶか、画面右側のプロパティパネルにあるクイックアクションから「背景を削除」を選択するだけで、被写体だけを切り出し、背景を削除できる。

被写体を選択

写真の最も重要な部分（多くの場合は人物）だけを選択する「被写体を選択」機能は、AIモデルを使って人物の写真を識別し、髪の毛の束や衣服のエッジなどの細かいディテールを選択・修正できるようになった。

なお、構図が複雑ではなく、反射面がなく、主な被写体と背景間のコントラストが適切で、主となる被写体の周囲のエッジがシャープな場合に、最適な結果が得られるという。

「自動トーン補正」「自動カラー補正」「自動コントラスト」

画面右側の「フィルターと補正」アイコンから、「自動トーン補正」「自動カラー補正」「自動コントラスト」の各自動コマンドをタップで利用できるようになった。ワンタップで色調などのバランスを補正できるため、作業時間を短縮できるとしている。

その他

タップ操作による機能追加・強化の他にも以下の機能が追加されている。

・文字ツールから20,000以上のAdobe Fontsに直接アクセス
・独自のカスタムフォントのロード
・編集中にクラウドドキュメントの名前を変更
・クラウドドキュメントを任意のタイミングで同期
・共有したドキュメントに他のユーザーが残したピンや注釈をコメントパネル上で確認