ニュース

Lightroomのマスク作成機能が向上。人物・オブジェクト・背景の選択がスピードアップ

アドビ10月のアップデートで

アドビは10月18日、画像編集ソフト「Lightroom」および「Lightroom Classic」のアップデート内容を発表した。デスクトップ版およびモバイル版で、順次提供を開始するという。

主な更新内容として、AI技術を活用したマスクツールが強化されたほか、各種プリセットが拡充された。機能強化のねらいについて、「ワークフローのさらなるスピードアップと、退屈な繰り返し作業の軽減」としている。

進化したAI搭載マスクツール(Lightroom / Lightroom Classic)

マスク機能に「人物を選択」「オブジェクトを選択」「背景を選択」が追加された。デスクトップ版のみに対応。

「人物を選択」では、画像内の複数または個人を検出してマスクを作成。顔の皮膚、体の皮膚、目、歯、唇、髪などの細かい選択も可能としている。

「オブジェクトを選択」は、ブラシ選択ツールや矩形選択ツールで任意の範囲を選択するだけで、AIが選択領域に基づいて分析、自動的にオブジェクトのエッジを微調整してマスクを作成するという。

「背景を選択」は、写真内の背景を自動的に選択する機能。ワンクリックで背景を選択でき、編集スライダーによる微調整が可能になった。これまでは、被写体のマスクを作成してから、それを反転して背景を選択するという工程が必要だった。

「コンテンツに応じた削除」(Lightroom / Lightroom Classic)

削除したい部分をブラシなどで選択するだけで、AIの解析により画像内の他の部分からサンプリングした領域で選択範囲を塗りつぶせる機能。手動でサンプリング領域を選択することも可能。

デスクトップ版およびモバイル版(iOS/Android)に対応。なおモバイル版では「削除」という機能名になっている。

プリセットの拡充(Lightroom / Lightroom Classic)

AI技術を活用したプリセット機能「アダプティブプリセット」にポートレート用の項目が追加された。選択した人物に対して全体的に補正するだけでなく、「目を強調」「歯を白く」「眉を濃く」といった特定の部分の調整にも対応する。

モバイル版においては、マスクツール「空を選択」「被写体を選択」に対応する項目も追加されている。

比較表示

2枚の画像を並べる「比較表示ビュー」を使用している際にも、各編集機能が利用できるようになった。これまでは、編集機能を利用しようとすると「比較表示ビュー」が解除される仕様だった。

ワークスペースのカスタマイズ(Lightroom Classic)

ワークスペースの配置をカスタイズできるようになった。左右のパネルを入れ替えるなど、好みに応じて調整が可能。

その他の機能強化(引用)

Lightroom デスクトップ版

・サポートされているGPUをお持ちの場合は、Lightroomで書き出しを高速化できます。
・ルーペ表示で写真を素早く進めることができます。
・パフォーマンスを向上させるように、Lightroomでのメモリ使用を最適化しました。

Lightroomモバイル版(iOSおよびAndroid)

・Lightroomモバイル版(iOS)で、設定をビデオにペーストできるようになりました。
・Lightroomモバイル版(iOS)でビデオを編集するとき、カラーグレーディングやおすすめのプリセットなどの編集コントロールにアクセスできます。「Lightroomモバイル版(iOS)でのビデオの編集」を参照してください。
・Lightroomモバイル版(Android)は、RAM6GB以下のデバイス(64bit)の場合でも、MLマスクをサポートするようになりました。

本誌:宮本義朗