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PENTAX望遠レンズ「DA★300mmF4ED[IF]SDM」が超小型衛星に搭載。宇宙から高分解能地球撮影

完成状態の衛星

リコーイメージングは3月11日、ペンタックスのAPS-C用望遠レンズ「smc PENTAX-DA★300mmF4ED[IF] SDM」が、ワイド6Uサイズのキューブサット衛星「KITSUNE」の撮影用レンズとして宇宙空間から高分解能撮影検証を行うと発表した。

smc PENTAX-DA★300mmF4ED[IF] SDM

KITSUNEは、原田精機(静岡県浜松市)を幹事会社として、アドニクス(東京都八王子市)、九州工業大学(福岡県北九州市)の3者によるコンソーシアムが製造。2月20日に米国Antaresロケットで打ち上げられ、国際宇宙ステーション(ISS)とドッキング。今後、日本実験棟の「きぼう」から衛星軌道上に放出された後、地球観測用カメラで分解能5メートルクラスの画像撮影などの実証実験を行う。

ワイド6Uサイズのキューブサット衛星は、約10×20×30cmの直方体。PENTAXレンズが組み込まれたメインカメラは、この衛星の容積の約半分を占めるという。

「smc PENTAX-DA★300mmF4ED[IF] SDM」の選定理由(引用)

1.レンズの選定にあたり、鏡胴構成部品が金属で構成されていて樹脂からのアウトガスの心配が無いこと。
2.撮影に必要とされる高い解像性能(400km上空から解像5m)を有していること。
3.衛星のユニット規格に収まる小型設計であること。

アウトガス……真空環境下で有機材料等から放出されるガスのこと。放出されるアウトガスにより、光学機器においてはデータの精度や画像の品質低下が懸念される。

衛星搭載用にカスタマイズされた状態
本誌:鈴木誠