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日本カメラ博物館で「いまも変わらぬ魅力 二眼レフカメラ展」開幕

二眼レフ持参で入館料100円引き

日本カメラ博物館は、2月8日から6月19日まで特別展「いまも変わらぬ魅力 二眼レフカメラ展」を開催中。二眼レフカメラの原型となったカメラをはじめ、長期間製造された多様な二眼レフカメラについて分類しながら紹介し、その魅力を伝える内容となっている。

カメラは登場以来、三脚に設置し、ピントグラスを確認して撮影するものだったが、乾板の時代になると感光材料の進化により手持ちでの瞬間撮影が可能となり、ファインダーの重要性が増したという。

そこで登場したのが、撮影用レンズの上に焦点確認用のレンズを並べた“二眼カメラ”の「アカデミー」(1881年)だった。アカデミーは1886年に改良型となり、ファインダー後部に反射鏡を備えたことで初の二眼“レフ”カメラとなった。

二眼カメラ「アカデミー1号」(1881年)

現在ポピュラーな二眼レフといえば、ロールフィルムを使用する「ローライ」(フランケ&ハイデッケ)およびローライを参考にしたカメラだとされている。1929年登場の「ローライフレックス」、1933年登場の「ローライコード」は広く普及した。

フランケ&ハイデッケ最初の製品「ハイドスコープ」。フランケとハイデッケの元勤務先だったフォクトレンダーの「ステレオフレクトスコープ」とほぼ同じ構造
ハイドスコープは、ロールフィルムを使用する「ローライドスコープ」(上)に発展している

フランケ&ハイデッケはローライフレックスに関して、基本構造からストラップの取り付け方まで数々の特許を取得。これによりロールフィルムを使用する二眼レフカメラを他社が製造することは難しかったという。

ローライフレックス(1929年)。120フィルム対応は1932年の「ローライフレックス スタンダード」、フィルム装填時に1枚目で自動停止するオートマット機構は1937年の「ローライフレックス オートマット」から

しかし1945年に第二次世界大戦を経てドイツの特許と商標が没収・公開されたため、ローライに似た構造の二眼レフが世界中から多く登場することになる。中でも盛んだった日本では「(カメラ名が)AからZまで揃う」とまで言われた。

国産二眼レフカメラ「AtoZ」。個人や小売商が卸売店から各部品を集めてきて製造する“四畳半メーカー”が多く登場し、A=アイレスからZ=ゼノビアまで、J/U/X以外は揃っていた。一部は品質に問題もあったが、低価格化が進んだという
日本語表記の露出表
理研光学工業のリコーフレックス。低価格で写りが良く、戦後の二眼レフカメラブームのきっかけになったと言われる

二眼レフカメラは、一眼レフカメラの普及後も「常にファインダー像を確認できる」「フラッシュ発光を確認できる」「撮影レンズに濃いフィルターを装着していても構図確認が容易」といった特徴や、スタジオ撮影ではレンズシャッターによる高速シンクロが重宝され、1990年代まで活躍していたという。

6×9判でレボルビング可能な二眼レフカメラ「スーパーフェクタ」(1935年)
電気露出計を内蔵して、プログラムAE撮影に対応した「ローライマジック」(右。1960年)。左は1962年登場の改良型
マミヤは1956年からレンズ交換式の二眼レフカメラ「Cシリーズ」を販売。最終モデルの「マミヤフレックスC300プロフェッショナルS」は1994年まで生産された
カメラや写真集など、約200点を展示している
各種のアクセサリーを組み合わせた展示も

日本カメラ博物館 特別展「いまも変わらぬ魅力 二眼レフカメラ展」

開催期間

2022年2月8日(火)~6月19日(日)

開館時間

10時〜17時

休館

毎週月曜(月曜祝日の場合は翌日)
※GW期間中の4/29~5/8は休まず開館

入館料

一般300円、中学生以下無料

割引

以下のどちらか一方を利用可能。どちらも一般300円の入館料が200円となる
・YouTubeチャンネル登録で入館割引(スマホなどの画面を提示)
・二眼レフカメラの持参で入館割引(二眼レフカメラを提示)

図録「いまも変わらぬ魅力 二眼レフカメラ展」

館内またはWebサイトで販売中。価格は税込1,200円。
展示品の写真や解説パネルの内容、関連特許の図などを収録している。

【現地レポ】世界の二眼レフが集結! 日本カメラ博物館「いまも変わらぬ魅力 二眼レフカメラ展」見どころを学芸員さんに聞いてきた(デジカメ Watch Channel)
本誌:鈴木誠