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【CES2022】キヤノン、カメラ1台で複数視点を配信するWeb会議「AMLOS」。話者もホワイトボードもアップに

AMLOSの利用イメージ(公式YouTubeより。以下同)

キヤノンUSAは、1月5日に米国ラスベガスで開幕した「CES 2022」において、開発中のWeb会議ソリューション「AMLOS」のデモンストレーションを行った。

オフィスとリモートの情報格差を埋めるソリューション「AMLOS」

オフィス勤務とリモート勤務を組み合わせた「ハイブリッドワークスタイル」に向けたソリューション。2022年春の発売を予定している。現時点での推奨カメラは、リモート操作でパン/チルト/ズームが可能な4Kリモートカメラ「CR-N500」「同N300」の2機種。

AMLOSはオフィスに設置されたカメラ1台で、プレゼンター、ホワイトボード、会議室全体など、複数視点のフルHD映像を同時配信できるのが特徴。リモート勤務者も同じ会議室にいるかのような臨場感の高いオンライン会議を実現するという。一般的にリモート勤務者が得られる情報はオフィス側の固定カメラに限られるため、それによって生じている“情報格差”の解消を目指す。

同時に配信される映像は、会議室全体の広い画角と、顔認識技術で検出した話者のアップと、ホワイトボードや手元にある物体などの静止物(スナップショット)。注目してほしい場所へのズームインは、リモートカメラの前で特定のハンドジェスチャーを行うことで指定。CES 2022で行われた記者会見の映像では、話者が対象物の前で手を開くジェスチャーを行うことで、手のひらの位置へカメラが向く様子が確認できる。

また、ホワイトボード上の記述や付箋紙については、スナップショット撮影のジェスチャーを行うことで、カメラが一時的に光学的なズームアップを行い静止画を撮影。スナップショットを撮影するとカメラはすぐに会議室全体の画角にズームアウトするが、撮影した静止画は別視点として画面に残り、リモート参加者が自由にズーム操作などをしながら閲覧できる。使用するリモートカメラが4K解像度であることにより、拡大して文字を読めるほどの画質を担保している。

左画面の画角でスナップショットを撮影すると、右画面の倍率まで拡大できる。

AMLOSはWeb会議のプラットフォームとしてはMicrosoft Teamsを使い、リモート参加者はAMLOSにWebブラウザからログインするだけで参加可能。専用ソフトなどのインストールは不要としている。これによりAMLOSで会議室の複数視点映像を見つつ、Teams本来のチャット機能などを使えるという。

AMLOSを介して短編アニメを企画。HITRECORD社と共同で

ジョセフ・ゴードン・レヴィット氏が記者会見にリモート出席した。

CES 2022では、先のAMLOSのソリューションの活用例として、キヤノンUSAとHITRECORD社による短編アニメーションの共同制作プロジェクト「Writer's Room」を実施。会期中に企画した短編アニメは、数週間後にオンラインで公開予定。

ラスベガスのCES会場とロサンゼルスにあるHITRECORD社をAMLOSで接続し、HITRECORD社代表で俳優のジョセフ・ゴードン・レヴィット氏、脚本家のエドワード・ジェシー氏、イラストレーターのトフ・マフゼリー氏の3名とともに、CES来場者も交えてアニメーションの企画、キャラクター造形、ストーリーボードや絵コンテといった短編アニメの一部を共同制作する趣旨。オンラインでもチャットを通じて参加可能とした。

本誌:鈴木誠