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Apple、MacBook Proをフルリニューアル

14・16インチモデル 新SoC「M1 Pro」と「M1 Max」のポイントを整理

Appleは10月18日(米国時間)、MacBook Proの刷新を発表した。14インチ(23万9,800円〜)および16インチ(29万9,800円〜)の2モデルを10月26日に発売する。各モデルともにシルバーとスペースグレイの2色をラインアップしている。

両モデルのSoCには同日付で発表された「M1 Pro」または「M1 Max」が搭載されている。M1 Proは2020年11月に発表したSoC「M1」のアーキテクチャをスケールアップしたもので電力効率とパフォーマンスに優れるとしている。M1 Maxは、M1 Proの上位性能となる位置づけ。またディスプレイも刷新。パネルにLiquid Retina XDRディスプレイを採用し10億色表示をサポート。ミニLEDバックライトにより輝度やコントラスト比を向上。可変リフレッシュレート表示にも対応している。このほか筐体も刷新しTouch Barを廃止するなど、フルリニューアルといえる内容となっている。

M1 Pro・M1 Maxとは

M1 ProおよびM1 MaxはCPUとGPU、メモリをひとつのチップ上に集約したSoC。

刷新されたMacBook Proのスペックシートによれば、M1 Proには8コアCPUと14コアGPU10からなるタイプとコアCPUと14コアGPUからなるタイプ、10コアCPUと16コアGPUからなるタイプの3種類があり、いずれも16コアのNeural Engineを搭載。メモリは最大で32GBのユニファイドメモリを搭載(16GBも選択できる)し、メモリ帯域幅は200GB/秒となっている。

M1 Pro

対してM1 Maxでは、10コアCPUと24コアGPUからなるタイプと10コアCPUと32コアGPUからなるタイプの2種類があり、Neural Engineは16コア。最大64GBのユニファイドメモリを搭載(32GBも選択できる)し、メモリ帯域はM1 Proの2倍となる400GB/秒となっている。

M1 Max

いずれのSoCもCPUは8つの高性能コアと2つの高効率コアで構成。M1比でのM1 ProとM1 MaxのCPUパフォーマンスは、最大70%の高速化を実現。同じくM1比でのGPUパフォーマンスはM1 Proが最大2倍に、M1 Maxでは最大4倍の高速化を実現しているという。

メモリ帯域に関してもM1 MaxではM1の6倍に増強しているという(M1 Pro比では2倍)。またM1 Maxでは最大で64GBのユニファイドメモリの選択に対応。一般的にノートタイプのPCで採用されているビデオメモリが最大でも16GBであるのに対して、大容量メモリを搭載したことによりグラフィックスを駆使したワークフローが可能になるとアピールしている。

またM1 Maxではビデオ処理に特化したという専用のProResアクセラレータを搭載。同SoCを搭載するMacBook Proにおいては、Final Cut Proで4K ProResビデオストリームを最大30本、8K ProResビデオストリームでは最大7本の編集に対応できるとしており、そのパフォーマンスはAfterburnerを搭載した28コアのMac Proよりも多くのストリーム編集が可能になってるという。

このほかM1以来の特徴ともなっている電力効率性能に関しても、両SoCを搭載したMacBook Proの電源接続・非接続に関わらず同レベルのパフォーマンスを実現しているという。刷新されたMacBook Proのスペックシートによれば、ワイヤレスインターネット接続使用時の動作時間は14インチモデルで最大11時間、16インチモデルは最大14時間となっている。

このほかThunderbolt 4コントローラを内蔵するなど、外部機器の接続将来性にも配慮した内容となっている。

ディスプレイ性能

ディスプレイにはiPad Proなどでも採用されているミニLEDバックライトを採用したLiquid Retina XDRディスプレイを搭載。持続輝度1,000ニト、ピーク輝度1,600ニト、コントラスト比100万対1の表示に対応。表示色域は10億色で、P3にも対応している。

このほか、最大120Hzの可変リフレッシュレートにも対応。表示しているコンテンツの動きに合わせてリフレッシュレートを自動的に変化させるとしており、滑らかかつ反応性の良い表示に対応するほか、動画編集時にリフレッシュレートを固定(47.95Hz、48.00Hz、50.00Hz、59.94Hz、60.00Hz)する、といった使い方にも対応できるとしている。

14インチモデルの表示解像度は3,024×1,964ピクセル(254ppi)で、16インチモデルでは3,456×2,234ピクセル(254ppi)。いずれのモデルもベゼル幅が狭額仕様になっているという。

筐体も刷新

14インチモデルの外形寸法はW31.26×H1.55×D22.12cmで重量は約1.6kg。16インチモデルはW35.57×H1.68×D24.81cmで、重量は約2.1kg(M1 Pro)または約2.2kg(M1 Max)となっている。

16インチモデル
14インチモデル

筐体は内部スペースの最適化を図ったとしているほか排熱設計も刷新したとしており、ファン動作時でもより低速で多くの空気流量が確保できるという。

またキーボードはTouch Barが廃止。幅広のエスケープキーを採用するなどファンクションキーが物理キー仕様に戻された。

このほか電源ケーブル接続部がMagSafe 3にアップデート。充電ケーブルの素早い着脱が可能になったとしているほか、高速充電にも対応。30分で最大50%までバッテリーを充電できるとしている。

また、M1 Pro搭載モデルでは最大2台のPro Display XDRの接続に対応。M1 Max搭載モデルでは最大3台のPro Display XDRと1台の4Kテレビの同時接続も可能となっているという。

Wi-FiはIEEE 802.11a/b/g/n/acのほかWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)にも対応。Bluetoothはバージョン5.0に対応している。

外部端子は14インチ・16インチモデルともにThunderbolt 4を3ポート(左2、右1)のほかSDカードスロットとHDMIを備える(いずれも右側面)。このほかヘッドホンジャックも搭載している。

本誌:宮澤孝周