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延長ロッドを内蔵した、折り畳み式スマホ用ジンバル「DJI OM 5」。約1.8万円

モーター強化で大型スマホにも対応

DJIは9月8日、スマートフォン用の3軸ジンバル「DJI OM5」を発売した。サンセット ホワイトとアテネ グレーの2カラーをラインアップしている。同社公式オンラインストアの販売価格はそれぞれ1万7,930円(税込)。

3軸の手ブレ補正機構を備えたスマートフォン用の電動ジンバル。折り畳み式の本体デザインとマグネット着脱式のスマートフォンクランプ(幅67〜84mm・厚さ6.9〜10mmに対応)による素早いセットアップが可能など、従来モデル(DJI OM4 SE)の特徴を継承。従来機より小型化されるとともに、本体に最大215mmまで伸長できる延長ロッドを内蔵するなど、携行性と使い勝手の両面がアップデートされている。

アテネ グレー
サンセット ホワイト

従来モデルからの強化ポイント

マグネット着脱式のクランプと折り畳み機構の採用というスマートフォン用ジンバルとしての基本的なデザインアプローチは従来モデル(OM4)を踏襲しているが、本体内に自撮り棒のような延長ロッドを内蔵しながらもおよそ1/3ほどの小型化が図られている。

従来機「OM4」の外形寸法は展開時で276×119.6×103.6mm、折り畳み時で163×99.5×46.5mmだったが、OM5では展開時264.5×111.1×92.3mm、折りたたみ時174.7×74.6×37mmとなっている。同社が1/3ほどのコンパクト化としているとおり、ひとまわり小型化されていることが数値上からも読み取れる。

重量は、本体290g+磁気スマートフォンクランプ34gで、本体が390gのOM4より100gほどの軽量化が図られている。スマートフォンクランプの重量は同じ。

大きな変更点ともなっている延長ロッドの内蔵化は、ハイポジションからローポジションまで撮影範囲を大きく拡げることが可能だとして、「コンテンツ制作の可能性も大きく拡がります」と、その特徴を説明している。

強力なモーターを搭載しているとして、大サイズのスマートフォンを組み合わせた使い方にも対応できるとしている。搭載できるスマートフォンの重量は230±60gとなっている(OM4も対応可能重量は同じ)。

参考までにサイズが大きめのスマートフォンである「iPhone 12 Pro Max」のサイズ・重量をみてみると、W78.1×H160.8×D7.4mm・約226gとなっており、対応可能サイズに収まっていることが確認できる。同社では製品Webサイト上で対応スマートフォンリストも公開している。

バッテリーは内蔵式で容量は1,000mAh。駆動時間は約6.4時間。充電はUSB Type-C端子でおこなう。10W充電器を使用した場合の充電時間は約1.5時間。OM4は2,450mAh(駆動時間約15時間)のバッテリーを搭載しているため、動作時間面では前モデルに一歩譲るスペックとなっている。

本体底面部には1/4インチねじ穴を備えており、グリップ式三脚(138×32mm。約72g)を装着することができる。

機能面

スマートフォンアプリ「DJI Mimo」(iOS・Android対応)を併用することで様々なプログラムモードを活用した撮影が可能になる。

周辺環境を自動で認識して便利な撮影ヒントや創造的なテンプレートを提案してくれるという「ShotGuides」機能を新たに搭載。プロの撮影方法を参考に様々な映像を撮影できるという。

また任意の被写体を認識させることで追尾撮影が可能になるActiveTrackは従来モデルの3.0から4.0に進化。トラッキング中のカメラワークがスムーズに進化しているという。製品Webページ上では人物のほか動物の認識にも対応していることが紹介されている。

他にもテンプレートを利用して印象的な短編動画が作成できるという「ストーリーモード」や、ズーム機能を自動的に調整することで背景をドラマチックに動かすという「DynamicZoom」、3×3や240度などのパノラマ撮影に加えて、同機能を応用して複数回撮影した被写体を1カットに合成する「分身パノラマ」や回転映像を撮影できる「スピンショット」などの様々な視覚効果も利用できる。この他、タイムラプスやモーションラプス、ハイパーラプスといった定番の撮影機能も引き続き搭載している。

自撮りシーンへの対応力強化も本製品のポイントとなっている。前記したActiveTrackには「自動フェイス トラッキング」機能を追加したとしており、自撮り時のトラッキングを強化。さらにオプション扱いとはなるものの、補助ライトを内蔵したスマートフォンクランプもラインアップ(販売価格は税込6,160円)。明るさと色温度の調整にも対応しており、夜景などのナイトシーンでも利用できるとしている。

製品にはリストストラップ、グリップ式三脚、収納ポーチが付属する。

本誌:宮澤孝周