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世界全体でミラーレスが好調を維持。一眼レフは各地で明暗が分かれる
6月のCIPA統計より
2021年8月2日 17:34
一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)は8月2日、2021年6月のデジタルカメラ生産出荷実績(同工業会統計)を公開した。3月以降で出荷台数・金額ともに減少傾向が続いているが、昨年同月比では好調をキープ。ミラーレスカメラは世界全体で回復傾向が顕著となっている一方で、一眼レフカメラにおいては、各市場で好不調の差が分かれる結果となった。
概況
6月のデジタルカメラ総出荷台数は67万6,803台(前月比95.1%)、金額は391億6,136万9,000円(前月比92.8%)を記録した。前月からはわずかに減少しているが、春先から夏にかけて減少傾向を示す例年(2020年を除く)と同様の動きとなった。昨年同月比で見ると、台数132.3%・金額160.1%で、2月以降引き続き回復傾向を見せている。
カメラ種別ごとに見ていくと、ミラーレスカメラは台数25万1,119台(前月比94.7%)、金額が259億3,172万3,000円(前月比94.9%)を記録。昨年同月比では台数158.0%・金額204.3%で好調をキープしている。
一眼レフカメラの台数は19万1,560台(前月比98.6%)、金額が71億1,621万9,000円(前月比87.5%)。昨年同月比は台数114.6%・金額107.6%を記録している。
レンズ一体型カメラは23万4,124台(前月比92.9%)、金額は61億1,342万7,000円(前月比91.0%)。昨年同月比は台数126.3%・金額118.5%だった。
国内の状況
国内向け市場では、デジタルカメラ全体の出荷台数は7万6,600台(前月比98.4%)、金額は29億7,474万6,000円(前月比101.2%)で、前月からはほぼ横ばいとなった。昨年同月比で見ると、台数103.8%・金額103.0%で、世界全体の動きとは対照的に、わずかな増加にとどまった。
内訳を見ると、ミラーレスカメラと一眼レフカメラが対照的な動きを見せた。ミラーレスカメラは台数が2万1,212台(前月比96.4%)、金額が16億8,294万2,000円(前月比96.4%)で、前月から減少。昨年同月比では台数148.7%・金額148.5%で回復傾向を見せた。
一方、一眼レフカメラの出荷台数は7,512台(前月比132.1%)、金額は3億7,931万7,000円(前月比134.4%)で前月から伸長。しかし昨年同月比では台数95.2%・金額57.5%で、とくに金額が大幅に減少する結果となった。
レンズ一体型カメラの出荷台数は4万7,876台(前月比95.4%)、金額は9億1,248万7,000円(前月比100.3%)。昨年同月比は台数92.7%・金額が83.3%だった。ミラーレスカメラが好調な一方で、一眼レフカメラとレンズ一体型カメラの伸び悩みが明確な差となってあらわれた。
国外の状況
国外向け市場のデジタルカメラ出荷台数は60万203台(前月比94.7%)、金額は361億8,662万3,000円(前月比92.2%)を記録。昨年同月比では台数137.1%・金額167.7%で好調を維持した。
とくに好調を見せたのは欧州向け市場。デジタルカメラ全体の出荷台数は23万4,172台(前月比111.1%)、金額が113億2,986万2,000円(前月比118.1%)を記録。昨年同月比でも台数139.3%・金額165.4%と回復傾向を見せた。内訳を見ると、前月比・昨年同月比でとくに大きく伸長したのはミラーレスカメラだったが、依然として出荷台数は一眼レフカメラ(8万1,146台)がミラーレスカメラ(6万7,321台)を上回る状況が続いている。
米州向け市場では、前月比で見ると各カメラ種別で軒並み減少傾向を示したものの、昨年同月比ではいずれも好調をキープしている。ミラーレスカメラの金額(65億6,598万3,000円)が昨年同月比228.5%を記録したほか、レンズ一体型カメラも昨年同月比で台数209.0%・金額170.0%と特徴的な動きを見せた。一眼レフカメラも昨年同月比で台数121.4%・金額124.6%と好調だった。
一方、中国向け市場では、ミラーレスカメラと一眼レフカメラの明暗が大きく分かれる結果となった。一眼レフカメラは台数1万7,891台(前月比68.5%・昨年同月比53.4%)、金額11億1,493万6,000円(前月比65.6%・昨年同月比59.3%)を記録。ミラーレスカメラは台数5万6,324台(前月比73.2%・昨年同月比140.8%)、金額63億5,670万3,000円(前月比70.9%・昨年同月比200.7%)だった。前月比から減少した点は共通しているが、ミラーレスカメラは昨年同月比で大幅な回復傾向を見せている。