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キヤノン、リチウムイオンバッテリー採用の最上位ストロボ「SPEEDLITE EL-1」

高耐久キセノン管と新冷却機構も

キヤノンは、クリップオンストロボ「SPEEDLITE EL-1」を2021年2月上旬に発売する。同社公式オンラインショップでの販売価格は税別12万8,000円。

同社製クリップオンストロボのラインアップで、新たに最上位機種として位置づけるモデル(現行のフラッグシップ機は600EX II-RT)。プロの写真家がストロボに対して抱いている“チャージ時間が長い”“バッテリー交換に手間がかかる”“電池残量表示がない”という意見を反映して、機能向上を実現しているという。

本機は、新しい電源システムとして専用の大容量リチウムイオンバッテリー「LP-EL」(1,920mAh、7.2V、13.8Wh)を採用。これにより、複数の電池を交換する手間を省略することが可能だとしている。また、バッテリーの残量や状態がモニターに表示される仕様となったことで、交換のタイミングが管理しやすくなっているという。

電源のリチウムイオンバッテリー化に伴う充電回路の新規設計によって、チャージ時間の改善を実現。フル発光時のチャージ時間は0.9秒(従来モデルの600EX II-RTは3.5秒)。また、バッテリー残量が少なくなっても、充電速度が変化しにくいとしている。

なお、バッテリーパック「LP-EL」は、同じく2021年2月上旬に単体でも発売予定としている(希望小売価格:税別1万3,000円)。他の製品との互換性はないが、バッテリーチャージャー「LC-E6」(2008年11月発売)での充電に対応する。

最大ガイドナンバーはGN60(ISO 100・m)。カバー画角は24-200mm相当(ワイドパネル使用時に14mm)。上方向のバウンス角度は120度(従来機は90度)。

フル発光時の連続発光回数は約160回以上(従来モデルの600EX II-RTは60回以上)。この連続発光回数は、リチウムイオンバッテリー採用のほか、新たに採用した耐久性に優れるキセノン管と冷却機構「アクティブクーリングシステム」で実現しているという。

新採用のキセノン管は導電性被膜の形状や発光トリガーの印加方法を改良することで発光量のばらつきを改善。同時に耐久性も向上したものとなっているという。

アクティブクーリングシステムは、ブロアファンにより筐体内で冷却用の空気を循環させる構造となっており、ヒートスポット近傍のガラスパネルなどを利用して耐熱性を向上させる仕組み。筐体内で空気循環を生み出すため、防塵防滴構造を損なうことがないとしている。

上記キセノン管の採用は、微小発光領域の拡大にも寄与しており、本機では1/8,192の微小発光が可能になったという。

新しく「FEメモリー機能」を搭載。E-TTLで撮影した後にマニュアルモードに切り替えた際、E-TTL撮影で記憶した発光量のまま撮影を継続できる機能。これにより、マニュアルモードでさらに微調整を加えることが可能だとしている。

同社のストロボでは初だというジョイスティックを操作部に採用。ダイレクトに各設定項目の操作が可能になっているという。

発光部の下部には2色のモデリングランプ(LED)も搭載している。

EOS-1D Xシリーズと同等の防塵・防滴性能を有しているという。

外形寸法は約149×136.4×84.4mm、重量は約572g。

本誌:宮本義朗