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富士フイルム「XF50mmF1.0 R WR」は税別20万円で月内に発売

-7EVでのAFが可能に

富士フイルムは、APS-Cセンサーを搭載するミラーレスカメラXシリーズ用の交換レンズ「フジノンレンズ XF50mmF1.0 R WR」を9月24日に発売する。希望小売価格は税別20万円。

同社Xシリーズ用レンズのラインアップ中で、最も明るいF値となるF1.0の口径比を有する単焦点レンズ。焦点距離は50mm(35mm判換算76mm相当)。開放F1.0の明るさにより、多量の光をとりこむことが可能となったことをうけて、低照度時のAF範囲も拡大。X-Pro3およびX-T4と組み合わせた場合に-7EVでの合焦が得られるとしている。

X-T4に装着した状態

同社は2018年7月に、35mm判換算で50mm相当となる標準レンズ「XF33mmF1 R WR」の開発を発表。のちに大型化などの理由からF値はF1としながらも焦点距離を50mm(35mm判換算76mm相当)に変更し、2020年の発売を予告していた。

2018年7月の開発発表の様子
X-T4およびX100Vの予告とともに紹介された時の様子。レンズ構成などが明らかになっていた。(Live from London : X Summit LONDON 2020 / FUJIFILM[YouTube:2020年2月4日ライブ配信]より)

レンズ構成は9群12枚。このうち非球面レンズ1枚、EDレンズ2枚が用いられている。球面収差をコントロールすることで、“溶けるような美しいボケを実現”したとしており、ポートレート撮影にも最適だとしている。また、絞り開放時には柔らかく豊かなボケ味を表現することができる一方で、絞り込むことでシャープな描写も楽しめるとしている。

レンズ構成図

AFの駆動制御にはDCモーターを採用。大型レンズの駆動に適した仕様だとしており、F1.0の極めて浅い被写界深度であってもシビアなピント合わせが可能となっているという。

このほか、フォーカスリングの分解能も向上していると説明しており、120度の回転角とあわせて、スピーディーかつ精密なマニュアルフォーカス制御も可能だという。

フィルター径は77mmを採用。WRを冠しているとおり、鏡筒にはシーリング加工が施された防塵・防滴構造となっているほか、-10度の耐低温構造となっている。

全長は103.5mmで、質量は845g。

同社Xシリーズ用の単焦点レンズには、同じ焦点距離でF値がF2の「XF50mmF2 R WR」(実勢価格:税込5万2,300円前後)があるほか、近い明るさのレンズとして、「XF56mmF1.2 R」(実勢価格:税込11万5,000円前後)、「XF56mmF1.2 R APD」(実勢価格:税込16万8,500円前後)がある。本レンズの登場により、35mm判換算で76〜85mm相当となる中望遠域のレンズの選択肢が拡大した。

X-Pro3に装着した状態

主な仕様

焦点距離

50mm(35mm判換算76mm相当)

レンズ構成

9群12枚(非球面レンズ1枚、EDレンズ2枚)

最小絞り

F16

絞り羽根

9枚(1/3ステップ:全25段)

最短撮影距離

70cm

フィルター径

77mm

外形寸法

103.5×87mm

質量

845g

本誌:宮澤孝周