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2019年度グッドデザイン大賞は富士フイルムの「結核迅速診断キット」に
写真現像の「銀増幅技術」を応用
2019年11月5日 12:38
公益財団法人日本デザイン振興会は10月31日、主催事業である2019年度グッドデザイン賞において、2019年を象徴するデザインである「グッドデザイン大賞」に「結核迅速診断キット」(受賞者は富士フイルム株式会社)を選定した。
グッドデザイン大賞は、その年のすべてのグッドデザイン賞受賞対象の中で、社会性、時代性、提案性などの面でもっとも優れているとされるデザインとして選出される。1980年の制定以来、時代を象徴するシンボル的なデザインとして、日本の社会におけるデザインのマイルストーンの役割を担っている。
今回受賞した「結核迅速診断キット」は、HIV感染者など結核罹患の可能性が高い人の診断を可能にする結核診断用検査キット。同社によると、結核は世界で年間160万人が死亡、HIV感染者の一番の死因でもあるという。
同キットでは、写真の現像プロセスで用いる「銀増幅技術」を応用し、尿中の僅かな成分から結核菌の存在を判定することで、早期治療に繋げることが可能。電源や装置を用いない簡単確実な検査を実現した。
なお、グッドデザイン金賞に「SIGMA fp」が受賞している。