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リニューアルしたオリンパスプラザ大阪を訪ねる

サービスステーションの土曜営業が開始

大阪におけるショールームとしてオリンパスが運営しているのが「オリンパスプラザ大阪」だ。このところ段階を踏んで進められていたオリンパスプラザ大阪のリニューアルが完了した。

もともとオリンパスプラザ大阪は、製品のショールームとしての機能に加え、フォトギャラリー(オリンパスギャラリー大阪)、修理窓口(大阪サービスステーション)、セミナールームなどの各機能で構成されていた。それぞれがリニューアルでどう変わったのか、現地に行って確かめてみた。

手にとって試せる体験型の展示

これがオリンパスプラザ大阪の外観。中央大通りと四つ橋筋の交差点にある。

取材当日(土曜日)はイベント実施日とあって、普段の製品展示は別の場所に移され、広々とした間取りになっていた。

オリンパスプラザ大阪でもイベントに力を入れており、写真家によるトークセミナーや無料レッスンを展開している。こうしたショールームにおけるリアルイベントの開催は、カメラメーカー各社とも近年力を入れている分野で、オリンパスプラザ大阪でも趣向を凝らしたイベントを展開している。特に写真家のトークイベントに積極的な印象だ。

製品展示で目を惹いたのは、来場者が自由に交換レンズをつけたり外したりできるコーナー。ボディとレンズが外れた状態で展示してあり、来場者はボディの近くにあるレンズを装着して、画角、AF速度、操作性などを確認できる。量販店などでは決まったレンズが装着済みのことが多いが、ここでは様々なレンズを手に取れるメリットがある。持参したボディにレンズをつけることも可能だ。レンズの装着に自信がなければ、スタッフに声をかけていただければと思う。

もちろん、現行製品はほぼすべて揃っている。什器や展示のイメージは、2015年5月に小川町から新宿に移転したオリンパスプラザ東京に近い。

展示品を見ることが少ない水中アクセサリーも、実物を手にとって確かめることができた。

オリンパス製カメラの歴史を展示したコーナーもある。主にペンE-P1以降のデジタルカメラが並んでいるが、左端に鎮座しているのは、現行製品のデザイン的な起源ともいえるOM-1とPEN-FT。いまの製品と比べてみるのも良いだろう。

ギャラリーを改修 より展示・観覧がしやすく

オリンパスプラザ大阪のリニューアルは複数の項目にわたっており、そのうち大きなものとしては、オリンパスギャラリー大阪の改修が挙げられる。

リニューアル前、ギャラリーの裏側には180度開く防火扉が存在していた。その扉の可動域を確保するための空間のせいで、防火扉の反対側に当たるギャラリーの角に、柱状の出っ張りが生じていたという。多少の違和感があったこの出っ張りを、覚えている方もいるかと思う。

この出っ張りをなくすべく、防火扉の開く角度を180度から90度に変更。扉が必要とする空間を減らし、無意味な出っ張りをなくしてすっきりさせたという。

かつてこんな感じでギャラリーの角に出っ張りがあった(イメージ)。

また、壁面積を増やすため引き出し式の壁が用意されていたが、これも変更。中央に可動壁を設けることで、すっきりとした順路を実現した。可動壁は壁から離すこともできるし、使わなくてもいい。

(資料提供:オリンパス株式会社)

ここオリンパスギャラリー大阪では、単に東京で展示された作品が巡回してくるだけでなく、地元のフォトグラファーや写真団体の作品展示も行なわれている。取材当日も在阪のコミュニティが写真展を開催しており、和気藹々とした雰囲気に満ちていた。

オリンパス東京にもあるクリエイティブウォールもあった。ここにも写真が並んでおり、取材した日はイベントと連動した友田富造さんのアートフォト作品が展示されていた。

土曜日の修理対応も開始

もうひとつの大きなリニューアルは、大阪サービスステーションの土曜日営業が始まったことだ。

大阪サービスステーションの営業日は、これまで月曜日〜金曜日のみだった。11月からは平日に加えて、土曜日の営業も始まる。週末しか時間が取れないユーザーにはうれしい変更だろう。

大阪サービスステーションは、オリンパスプラザ大阪の奥にある。

点検サービス、クリーニングサービスといった修理以外のメニューもこれまで通りある。

修理窓口は、ユーザーとメーカーが直接対話できる場所として重要な役割を担っている。近年では機材を宅配便でやりとりするサービスが一般化しているが、ユーザーとしてはどこが悪かったのか、何が悪かったのか、今後どうしたらいいのか聞きたいもの。そうした思いをかなえてくれるリニューアルだ。

その他、プロ写真家向けサポートサービスの強化や、「E-M1 Mark II 専用メンテナンスパッケージ」の店頭販売などが始まったという。

ユーザーとのより良い接点の場へ

オリンパスプラザ大阪が所在する本町は、繁華街というよりはビジネス街という立地。ビルはもともと銀行だったそうだ。梅田からも遠く、心斎橋からも少々歩く必要がある。そんな場所だからこそイベントやギャラリーを通じて、単なるショールーム機能だけではないユーザーのための空間を提供しようという試みが見て取れた。大阪サービスステーションの土曜営業もその一環だろう。

ちなみに、オリンパスプラザ大阪の最寄駅である本町駅は、中央線、御堂筋線、四つ橋線の3つの地下鉄が乗り入れている。そのうち四つ橋線は、メーカー系を中心とした写真ギャラリーを結んでいることが今回わかった。

  • THE GALLERY 大阪(ニコン)=西梅田駅
  • キヤノンギャラリー梅田=肥後橋駅
  • オリンパスギャラリー大阪=本町
  • 富士フイルムフォトサロン大阪=本町
  • ソラリス=心斎橋

他にもあったら教えてください>大阪の方

これまで個別に訪問していたため位置関係がよくわからなかった各ギャラリーが、四つ橋線で繋がっているとは不勉強だった。梅田に出る際、あるいは中之島散策などを絡めて、各ギャラリーおよびショールームを一気に探訪してみるのも面白そう。繁華街から少し外れることから立地的に惜しいオリンパスプラザ大阪も、こうしたルートに組み入れて訪れるのもありだろう。

本誌:折本幸治