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DJIの新ドローン、「Mavic 2 Pro」「Mavic 2 Zoom」詳報

初のハッセルブラッドカメラ&ズーム 実写を掲載

DJI Mavic 2 Zoom(左)とMavic 2 Pro(右)

DJIが発売した新たなコンシューマ向けドローン「DJI Mavic 2」。同社のコンシューマ機としては初めての光学2倍ズームレンズを搭載した「Mavic 2 Zoom」と、初めてのハッセルブラッド製カメラを搭載した「Mavic 2 Pro」の2製品が用意されている。

Mavic 2 Pro

Mavic 2 Proに搭載されているカメラのセンサーには、有効画素数は2,000万画素の1インチCMOSセンサーが採用されている。レンズは35mm判換算28mmの単焦点レンズで、F2.8-F11まで絞りの調節も可能。ISO感度は動画でISO 100〜6400、静止画でISO 100〜12800、シャッター速度は8〜1/8,000秒。

底面にはセンサーの他にLEDライトも搭載している。このあたりはMavic 2シリーズで共通。

コントローラーは折りたたみ式で、スティックの脱着も可能。

Mavic 2 Zoom

光学2倍ズームレンズを搭載したMavic 2 Zoomは、有効画素数1,200万画素の1/2.3インチCMOSセンサーを搭載。レンズは35mm判換算24-48mm、F値はF2.8-F3.8、ISO感度は動画でISO 100〜3200、静止画でISO 100〜3200、シャッター速度は8〜1/8,000秒となっている。

収納は折りたたみ式となっている。

撮影能力

Mavic 2 Proは、ハッセルブラッドならではの「Hasselblad Natural Color Solution(HNCS)」を搭載したことで自然で忠実な色再現を実現した、という。Dlog-M 10bit、HLG 10bitの動画撮影が可能で、高品位な4KやHDRの動画を撮影できる。

Mavic 2 Zoomは、光学2倍ズームレンズの搭載に加えて、超高解像度撮影機能を搭載。9枚の写真を撮影して合成することで、4,800万画素という高解像度の写真が自動で撮影できる。

また、新たにクイックショット機能に「ドリーズーム」を搭載。被写体をタッチで選ぶと、その被写体に2倍ズームをしながら機体が後退することで、背景がズーム比によって変化するという撮影が可能。

2倍ズームを使った圧縮効果も楽しめる。

操縦支援システムを搭載

いずれもインテリジェント機能によって高度な撮影を簡単に行える機能を搭載しており、新たにハイパーラプス機能を搭載した。マニュアル飛行しながらハイパーラプス撮影が行われる「フリー」、選択した被写体を中心に遠景で自動飛行して撮影する「サークル」、直線飛行しながらカメラが選択した被写体を追い続ける「コースロック」、光度とGPS座標で飛行経路を計画して撮影する「ウェイポイント」の4種類が用意される。

自動追尾と障害物検知のアクティブトラック2.0は、被写体の追尾性能が向上し、3秒後の動きまで予測できるという。障害物で被写体が隠れても、途切れることなく追尾してくれる。

前後左右と上下のセンサーが障害物を検知するようになり、初めて全方向障害物検知システムを搭載した。Advanced Pilot Assistance System(APAS:高度操縦支援システム)によって、コントローラーで直進を指示していても、自動で障害物を回避してくれるようになった。これにより安全性が向上。底面に搭載したLEDライトによって暗所でのビジョンセンサー精度も向上した。

実際のAPASによる自動回避の様子を見てみよう。この間、操縦者は直進しか指示していない。

ドローンと送信機間を結ぶOcuSync 2.0動画伝送システムによって、最大5kmの距離で1080Pの動画が伝送できる。これまでは最大でも4kmで、700〜1,000mほどの距離で720Pに切り替わるなどしていたため、コントロール時の映像がより安定するようになった。

本体デザインの変更でやや大型化したが、空気抵抗の効率化、抗力の19%低減、モーター出力の向上などによって、最大速度は時速72km、最大飛行時間は31分を実現した。

実際に試してみると、強風の中でも飛行状態は安定していた。また、従来に比べて大幅に静音化していることも分かる。

ピント精度の向上もポイント。同社のエンジニアによれば、今回は特にカメラのフォーカス精度向上に力を入れたとのこと。

機体を後退させながらズームインする「ドリーズーム機能」も搭載。背景だけが迫ってくるような視覚効果を表現できるというもの。映像でも背景の描写が変化していることが分かるだろう。自動撮影されるため、この間、操縦者はコントロールしていない。

自動撮影の時は、このようにドローンが自動で後退しながら撮影を行う。

実写画像(Mavic 2 Pro)

Mavic 2 Pro / 10.26mm(35mm判換算28mm相当) / ノーマルプログラム(1/500秒・F5.6・-0.3EV) / ISO 100

Mavic 2 Pro / 10.26mm(35mm判換算28mm相当) / ノーマルプログラム(1/500秒・F5.6・-0.3EV) / ISO 100

Mavic 2 Pro / 10.26mm(35mm判換算28mm相当) / ノーマルプログラム(1/500秒・F6.3・-0.3EV) / ISO 100

Mavic 2 Pro / 10.26mm(35mm判換算28mm相当) / ノーマルプログラム(1/400秒・F5.6・-0.3EV) / ISO 100

実写画像(Mavic 2 Zoom)

Mavic 2 Zoom / 4.39mm(35mm判換算24mm相当) / ノーマルプログラム(1/1600秒・F2.8・±0EV) / ISO 100

Mavic 2 Zoom / 8.6mm(35mm判換算48mm相当) / ノーマルプログラム(1/1000秒・F3.8・±0EV) / ISO 100

まとめ

高度な撮影機能とさらなる安定度と安全性の向上を果たし、カメラとしても1インチセンサーや光学2倍ズームといった意欲的な機能を盛り込んだ製品に仕上がっているようだ。

また、サポート体制については新たに「DJC CARE REFRESH」が提供される。年間最大2回の本体交換、故障の修理などを提供する保証サービスで、Mavic 2は加入料1万7,000円で、初回交換が1万5,000円、2回目が1万8,000円となる。

小山安博

某インターネット媒体の編集者からライターに転身。無節操な興味に従ってデジカメ、ケータイ、音楽プレーヤー、コンピュータセキュリティなどといったジャンルをつまみ食い。軽くて小さいものにむやみに愛情を感じるタイプ。デジカメ、音楽プレーヤー、PC……たいてい何か新しいものを欲しがっている。