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キヤノン、EVF内蔵の新ミラーレスカメラ「EOS Kiss M」
バリアングル式モニター搭載 新RAW形式を採用
2018年2月26日 13:06
キヤノンは、ミラーレスカメラ「EOS Kiss M」を3月下旬に発売する。ボディカラーはホワイトとブラックの2色。価格はオープン。直販価格はボディ単体が税別7万3,500円、15-45mmレンズキットが税別8万8,500円、ダブルズームレンズキットが税別11万1,500円、ダブルレンズキットが税別10万4,500円、18-150mmレンズキットが税別12万2,500円。
キヤノンのミラーレスカメラ「EOS M」シリーズの新モデル。同社エントリークラスの一眼レフカメラを代表する「Kiss」の名を冠した初のミラーレスカメラ。これまで通り、海外市場ではKissのネームが付かない。
既存モデル「EOS M5」「EOS M6」「EOS M100」との主な違いは、画像処理エンジンがDIGIC7からDIGIC8になり、最高感度のISO25600に加えて拡張ISO51200も選べるようになった点。4K動画記録にも対応している。
撮像素子は有効2,410万画素APS-CサイズCMOSセンサー。EOS M5/M6/M100と同じセンサーだが、画像処理エンジンの違いにより有効画素数が異なる。感度はISO100〜25600(拡張51200)。4K/24p動画記録のほか、4Kフレーム切り出し、4Kタイムラプスに対応している(いずれもセンサー中央部をクロップ)。フルHDで120p/100pのハイフレームレート撮影も可能。
外観のイメージとサイズ感は「EOS M5」に近いが、ブラック/ホワイトの2色展開としたボディ、バリアングル液晶モニターの搭載、右手側にまとめられたボタンやダイヤル類の操作系が異なる。
手ブレ補正効果は、従来のEOS Mシリーズ比で0.5段分向上。対応レンズでは、既存のブレ検知ジャイロセンサーに加えCMOSセンサーの画像情報からもブレ量を検知し、補正効果を高めるという。
液晶モニターは3型104万ドットのタッチパネル式。EVFは0.39型・約236万ドット。
AF/AE関連機能が向上。「瞳AF」も搭載
「デュアルピクセルCMOS AF」が機能向上。AFフレームサイズ「小」の追加や、対応レンズにおける測距エリアの拡大(画面内の縦横約80%×80%から約88%×100%に)、測距点の増加(最大99点→最大143点)が行われている。
また、新画像処理エンジンDIGIC8により被写体と背景の奥行き情報も活用できるようになり、「類似被写体の誤追尾を減らす」「背景と同系色の被写体追尾の強化」も特徴としている。
「瞳AF」を初搭載。検出した顔の瞳(カメラに近い側)に自動でピントを合わせる機能で、ポートレート撮影に活躍する。なお、サーボAF(追尾AF)は非対応だという。
人物撮影関連では他にも、AEやオートライティングオプティマイザの進化により「逆光時でも顔の輝度を上げる」「検出した顔の白トビを抑える」といった効果が得られる。
連写速度はAF追従で約7.4コマ/秒、AF固定で約10コマ/秒。
EVFを覗きながら背面モニターでAF測距点を操作できる「タッチ&ドラッグAF」機能を搭載している。
新RAWフォーマット「CR3」
DIGIC8搭載に伴い、新たにCR3フォーマットを導入。従来のCR2ではファイルサイズを減らすために「M-RAW」「S-RAW」形式を選んで少ない画素数でも記録できたが、CR3では画素数をそのままにファイルサイズが小さくなるという「C-RAW」(Compact RAW)を用意した。
CR3のコンパクト版RAWであるC-RAWは画質こそ通常のRAWより若干低下するものの、画素数はRAWそのままで、カメラ内RAW現像やDigital Lens Optimizerといった処理もRAWと同様に行えるという。記録画素数を減らしたM-RAW、S-RAWに相当する形式は、CR3では用意されない。
そのほか
Wi-Fi/NFC/Bluetoothの通信に対応。撮影と並行して画像をスマートフォンに自動転送する機能を新たに搭載している。パソコンソフト「Image Transfer Utility 2」使用時は、事前にペアリングしたPCに差分データのみを自動転送でき、さらにPCからクラウドへの自動送信も可能とした。
外形寸法は約116.3×88.1×58.7mm。重量はブラックが約387g、ホワイトが約390g(ともにバッテリー/メディア込み)。
対応の別売アクセサリー「ボディージャケットEH32-CJ」(ライトブラウン/ベージュの2色。税別6,000円)、「ネックストラップEM-E2」(ライトブラウン。税別3,400円)も新たに用意される。