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TopEye 全国高校生写真サミット2018、チーム賞グランプリは香川県立坂出商業高等学校に決定

横浜で出会った人々を撮った組写真「ココロオドル」で

チーム賞グランプリを受賞した香川県立坂出商業高等学校の3名(左から唐渡祐汰さん、木子慎太郎さん、萱原進之介さん)

株式会社ニコンイメージングジャパンが開催する「TopEye 全国高校生写真サミット2018」が2月4日に閉幕し、チーム賞グランプリに香川県立坂出商業高等学校の組写真「ココロオドル」が選ばれた。

TopEye 全国高校生写真サミットは、中高生向けの写真誌「TopEye」におけるフォトコンテストの上位校が横浜に集まり、撮影を通じてグランプリを目指すフォトコンテスト。1校3名がチームを組み、チーム賞グランプリを狙う。加えて個人賞も選出される。

チーム賞は各校3名1組でチームを組み、2月2日と2月3日にかけ横浜の地を撮影。3枚組の組写真として提出する。テーマは「響き。横浜」。昨年度の「キズナ、横浜。」と比べ、さらに抽象的な題目が与えられた。

今年度のテーマ「響き。横浜」を発表する審査委員長の小林紀晴さん。

審査員は、小林紀晴さん、秋元貴美子さん、藤村大介さん、ミゾタユキさん、林典子さんの6名(順不同。

坂出商業高等学校からは写真部を代表して、木子慎太郎さん(3年生)、萱原進之介さん(2年生)、唐渡祐汰さん(2年生)の3名が出場した。

審査員にプレゼン中の坂出商業高等学校。

提出した組写真「ココロオドル」は、出会った人々にジャンプをしてもらうというコンセプトを貫き、数多くの場所で様々な人々に被写体となるようお願いしてできた作品。演出やテクニック、小道具などに凝った作品が目立つ中、人との出会いをストレートに写真に落とし込んだところが評価された。

チーム賞グランプリ「ココロオドル」
(香川県立坂出商業高等学校)

グランプリを取れるとは思っていなかったので、まさかまさかで驚いています。今回のテーマ「響き。横浜」での撮影にあたり、主役と脇役のバランスを考えて、自分が感じた心の 響きを見ていただく方にも感じてもらえるよう、3枚の組写真を構成しました。

グランプリ受賞 香川県立坂出商業高等学校コメント

写真とは予測がつかない出会いの中で、いかに被写体となる人、風景、出来事といったものと、自らをシンクロさせるかが大きなポイントになると思います。その点で香川県立坂出 商業高等学校の作品は、みごとにそれらとシンクロして響いてきました。

審査委員長 小林紀晴さんコメント

授賞式の記念撮影では提出作品になぞらえ、受賞3名と同校講師がジャンプをする場面も。坂出商業高等学校のみなさん、おめでとうございます。

林典子さんが高校生に向けて講演

このイベントでは撮影以外にも、期間中いくつかの催しが実施されている。例えば初日は横浜美術館で開催中の写真展「石内都 肌理と写真」を観覧(その際石内都さん本人が来場して、高校生に声をかけたとのこと)。3日目午前には、林典子さんの講演が行われた。

作品を解説する林典子さん。

内容は林さんが世界に出て、現在のテーマに出会い、どんなキャリアを積んできたかというもの。「キルギスの誘拐結婚」「ヤズディの祈り」といった写真集・写真展にまとめられた取材を例に解説が繰り広げられた。もともとフォトグラファーを目指していたわけではない林さんが写真と出会い、ジャーナリズムと組わせて世に問うまでの話は聞きごたえがあり、会場の高校生たちも真剣に聞き入っていた。

林さんはメッセージとして、「テーマとする事象をニュートラルに捉えること。そのためにはとにかく現場に行く」ことを強調。日本で調べて受けた印象と、現場で感じた印象は異なるもので、それを素直に受け止める必要があるとのことだ。

講演終了後、写真を目指す若者に重要なことを問うと、「大事なとにかく続けること。あきらめないことです」との回答を得た。被写体と長時間過ごし、粘り強く取材を続ける林さんらしい答えだった。

優秀作品展が3月に開催

ニコンプラザ新宿およびニコンプラザ大阪のフォトギャラリー「THE GALLERY」において、グランプリを含む今年度の優秀作品が展示される

会場

ニコンプラザ新宿 THE GALLERY 2・ニコンプラザ大阪 THE GALLERY

展示期間

新宿 2018年3月13日(火)〜3月19日(月)
大阪 2018年4月5日(木)〜4月11日(水)

開館時間

10時30分〜18時30分(日曜休館/最終日は15時まで)

本誌:折本幸治