編集後記

2020年12月4日

宮澤孝周

気づけば12月。今年はとくに時間の流れが速かったように感じられます。

ところで個人的に朝のスイッチはコーヒーなのですが、自宅作業の日は紅茶をいれることが多くなりました。

紅茶といえば、スリランカやインド、ネパールのあたりをつい連想してしまいますが、最近では和紅茶というジャンルがあるんですね。先日手を出してみたのが「べにふうき」という品種で、井村さんという茶師の手になる夏摘みの茶葉。静岡県の大井川のほとりでつくられた品とのことです。

味わいは独特。浅めにいれたつもりでもしっかりとしたボディが感じられて、アッサム的なのかな? と思う一方で、飲みやすさや少し冷めてからの香りの抜け方はダージリン的なすっきりとした立ち上がりだと感じました。茶葉を蒸らす時間が長くなっても、渋みが強くならないところも嬉しいポイントでした。

香りや独特の味わいを楽しむものといえば、ウィスキーにも気になっている銘柄があります。北海道に新しく生まれた厚岸蒸溜所が、ついに熟成期間3年以上のシングルモルトをリリースしたんです。蒸溜所の誕生を聞いてから楽しみにしていたことのひとつです。

国産品の話というと、メイドイン会津やメイドイン長野のレンズ。これらの製品には、量産品だけれども、それにとどまらない個性であったり職人性が感じられるように思います。便利で合理的なものは数あれども、やっぱり人の顔が見えるプロダクトには、「ならでは」な魅力があるよな、とあらためて思いました。