岡嶋和幸の「あとで買う」

1,361点目:写真のこれまでとこれからを語り合った本

飯沢耕太郎×大山顕『写真は死んだのか? いまこそ写真の純粋な驚きを語ろう』

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムがたくさん入っています。この連載では、フォトライフに関連する製品を中心にその中身をお届けします。どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

飯沢耕太郎×大山顕『写真は死んだのか? いまこそ写真の純粋な驚きを語ろう』

大山顕さんの著書は1,347点目で紹介したばかりですが、本日は写真評論家の飯沢耕太郎との対談集になります。過去から現在までの写真の歴史を辿りながら、これからどこへ向かおうとしているのかを考える1冊です。

目次には興味がある項目がたくさん並んでいるのですが、その中から特に気になるものをピックアップすると「影の発見はレンズとライティングによってもたらされた」「ライカは映画フィルムを転用して、プリントサイズは絵葉書を基準にした」「カメラメーカーではなく、コンピュータメーカーがレンズ開発競争を無効にした」「現代において写真に色をつける意味とは?」「撮れちゃった写真と、写真に入り込むバグ」「作品の選考において審査員の意見は八割がた一致する」「写真コンテストよりも、アーティスト・イン・レジデンスをやるべき」あたりでしょうか。

SNSや生成AIについてもたくさん語られています。面白そうな内容なので、あっという間に読めてしまいそう。販売価格は2,750円です。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。