岡嶋和幸の「あとで買う」

1,347点目:猫の写真ばかり撮ったり見たりしている人へ

大山顕『撮るあなたを撮るわたしを 自撮りとスクショの写真論』

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムがたくさん入っています。この連載では、フォトライフに関連する製品を中心にその中身をお届けします。どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

大山顕『撮るあなたを撮るわたしを 自撮りとスクショの写真論』

帯に書かれた「猫の写真ばかり撮ってしまうのは、なぜ」に反応して読みたくなった1冊です。私も日本全国、いや世界中のどこに行っても猫を見つけると必ず近づいて写真を撮ります。単に猫好きだからでしょうか。本書では変わり続ける「写真」について考察されています。

その1番の変化が「自撮り」なのだそうです。SNSで“自撮り風”の猫写真を見ることはありますが、カメラやスマートフォン、それらを取り巻く環境の進化でそのうち登場するのかもしれません。

Amazonの商品ページで「はじめに ”自撮り猫”の登場前夜に」の内容を試し読みできるのですが、どうしても続きが読みたくなり購入しました。

目次には「自撮りをするゼレンスキーと、しないプーチン」「年賀状写真とオンラインミーティングの顔」「顔のランドスケープ 一八世紀のスマートフォン」「写真はなぜ四角いのか」など興味深い項目が並んでいます。販売価格は1,650円で、Kindle版もあります。

著者の大山さんは2023年に『新写真論 スマホと顔』で日本写真協会賞学芸賞を受賞されています。そちらのほうもぜひ読まれてみてはいかがでしょうか。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。