岡嶋和幸の「あとで買う」

934点目:テーマやコンセプトなどの言語化に役立つ本

石黒圭『ていねいな文章大全』

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムがたくさん入っています。この連載では、フォトライフに関連する製品を中心にその中身をお届けします。どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

石黒圭『ていねいな文章大全』

まとめた写真作品を発表したりするとき、テーマやコンセプトなどの言語化が必要になることがあります。

822点目では古賀史健さんの『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』という書籍を紹介しましたが、そのようなときのために今回もぜひ読んでおきたい1冊です。

国立国語研究所の教授である石黒圭さんが教える、日本語の「伝わらない」を解決するためのヒントがまとめられています。Part 1の「正確な文章」、Part 2の「わかりやすい文章」、Part 3の「配慮のある文章」で解説されている内容は、私自身も気をつけていることですが、フォトスクールの生徒さんにもステートメントの添削などで指摘することが多いです。

12月開講の「写真表現講座」でもこのあたりのやり取りがありそうです。SNSの投稿などでも役に立つと思います。

Part 4の「工夫を凝らした文章」はタイトル、ステートメント、キャプション、プロフィールなどを書くときにとても参考になるでしょう。テキスト生成AIについても触れられています。販売価格は2,860円で、Kindle版もあります。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。