岡嶋和幸の「あとで買う」

577点目:子ども写真の名手が捉えた古き良き時代の日本

土門拳『土門拳のこどもたち』

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムが沢山あります。この連載では、フォトライフに関連するアイテムを中心にその中身をお届けします。どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

土門拳『土門拳のこどもたち』

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土門拳の作品で一番好きなのは391点目でも紹介した『風貌』なのですが、最初に興味を持ったのは、写真学校の授業で名作として紹介された『筑豊のこどもたち』です。

その作品よりも少し前、昭和20年代後半から撮影されたのが『こどもたち』です。紙芝居を見たり、ベーゴマで遊ぶ姿など、東京の下町の子どもたちの元気いっぱいの様子が印象的に捉えられています。どの写真も子どもたちの表情が生き生きとしていて見応えがあります。自分が小さいころの記憶に近い光景も見られるなど懐かしさを覚えました。

本日発売のこの写真集には『筑豊のこどもたち』を含む、戦前や戦後に撮影された日本の子どもたちの作品164点が収録されています。販売価格は2,970円です。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。