岡嶋和幸の「あとで買う」

391点目:人物写真の名手として知られた土門拳の作品集

土門拳『土門拳の風貌』

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムが沢山あります。この連載では、撮影や写真関連のアイテムを中心にその中身をお届けします。購入前の製品については使った感想や評価はありませんが、どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

土門拳『土門拳の風貌』

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土門拳は日本の写真界に大きな足跡を残した、昭和を代表する写真家です。「土門拳賞」という写真賞があることから、その名前を知っている人は少なくないと思います。“写真界の芥川賞”の木村伊兵衛写真賞に対し、土門拳賞は“写真界の直木賞”と呼ばれています。どちらも新人や中堅の写真家に与えられる賞であることから、私も若いころはそれらを意識して作品作りを行ったものです。

土門拳の代表作は『筑豊のこどもたち』や『古寺巡礼』などいろいろありますが、一番好きな作品群が『風貌』です。この写真集は人物写真の代表作132点を収録したもので、販売価格は2,970円です。被写体は文化や芸術の分野での著名人です。人物撮影でのライティングや構図などの勉強にもなる1冊だと思います。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。