中井精也のエンジョイ鉄道ライフ「ジョイテツ!」

風水写真のススメ②

前回ご紹介した風水写真のススメ。風水の考え方を取り入れた写真の飾りかたをご紹介しました。簡単に言えば、写真を飾る場所の方角に合わせて、風水的に良いとされる写真を飾ろうという試みです。前回は北・北東・東・南東の方角を解説しましたので、今回は南、南西、西、北西に飾る写真についてお話しましょう。

まずは前回のおさらい。風水は占いやおまじないのようなものと思われがちですが、古くから継承されてきた統計学・環境学です。「五行」と太陽の動きを元にした8つの方位に、家の中心を加えた9つのスペースがベースとなります。今回も方角ごとに、どんな運気を上げられるか、どんな写真を選べばいいかをまとめてみました。

太陽の通り道である南には、「火」の気が強い方位です。「火」は美や知力をつかさどる方位と言われているので、「人気運」や「美容運」をアップしたい方は、「夏」や「南国」がテーマの作品を飾るといいでしょう。また、「木は燃えて火に尽くす」という意味があるので、木の写真もまた、同じような効果が期待できるそうです。

ソニーα7R III FE 16-35mm F2.8 GM(23mm) マニュアル(F8、1/640秒) ISO200 WB:太陽光
ニコンD750 AF-S Nikkor 16-35mm f/4G ED VR(30mm) 絞り優先オート(F8、1/200秒) ISO800 WB:快晴

1枚目は本州最南端を走る指宿枕崎線で撮影した作品。鮮やかな青空と力強く伸びた「ソテツ」のある風景は南国ムードたっぷりです。

2枚目は南国ミャンマーで撮影したもの。南国だけでなく、暑さに負けずに力強く生きる1本の木が主役の写真なので、写真からパワーを感じてもらえると思います。

南西は栄養たっぷりの野菜や果物を実らせる肥沃な「土」の気を帯びた方角。田舎の風景やフルーツの写真を飾ると、その「実り」の力を高めることができます。「家族運」や「不動産運」を高めたい人にオススメの作品です。

ニコンD7000 AF-S DX VR Zoom-Nikkor 18-105mm f/3.5-5.6G ED(27mm) 絞り優先オート(F8、1/250秒) ISO200 WB:快晴
ソニーα7R FE 70-200mm F4 G OSS (118mm) 絞り優先オート(F4、1/320秒) ISO800 WB:曇天

1枚目は五能線で撮影したリンゴ畑の風景。たわわに実ったリンゴが、優しくも力強さを感じさせてくれます。2枚目は銚子電鉄で撮影したトウモロコシ畑の風景。ちらっと電車が入った構図がオシャレでしょ?それにしても鉄道の周りには実りの風景が多いですね。それだけ、鉄道は日本人の暮らしの横を走っているということでしょう。秋の田園風景なんかもオススメです。風景写真を中心に撮影している方なら、けっこう当てはまる写真が多いのではないでしょうか?

さぁいよいよお待ちかねの「金運UP」と関係の深い方角、西です。ズバリ、「金」の気が強い方角なので、イメージ通りのイエローや金色のアイテムが映った写真がオススメと言われています。秋や夕暮れの風景も「金」の気を持つものなので、夕暮れのなかを走る列車や、紅葉の写真などを飾ってみるのも良いでしょう。また「ヨーロピアンな風景」にも同じ効果があるという説もありますので、モダンでオシャレな部屋のインテリア・アクセントとしても最適だと思います。

ソニーα7R III FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS(135mm) マニュアル(F6.3、1/1,250秒) ISO400 WB:日陰
ソニーα7R III FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS(156mm) 絞り優先オート(F6.3、1/1,250秒) ISO400 WB:太陽光

2枚とも金色の作品です。1枚目は夕陽にギラリと輝くSLやまぐち号。美しさだけでなく、力強さもあり、もちろん蒸気機関車の持つカッコ良さも感じられる欲張りな作品です。キラキラと夕日に輝く海の写真なんかもぴったりですね。

2枚目はハンガリー・ブダペスト市電の朝日。美しく昇った太陽もしっかりと入れて、ゴールドに輝く風景です。もちろんヨーロピアンな風景でもありますので、効果的といえるでしょう。朝日、夕日のほか、紅葉の写真も金運アップにつながるそうですので、今シーズン撮影した名作をぜひお部屋の西側の壁に飾ってみましょう!

北西は「主人の方角」です。この方角に写真を飾ることで、そこに住む人=主人の仕事運や出世運を上げることにもつながると言われています。飾るのであれば、「金」の気を持つ秋の風景や、夕暮れの風景、変わったところでは「教会」を写した写真も効果的だそうです。

ソニーα99Ⅱ 70-200mm F2.8 G(70mm) 絞り優先オート(F4、1/1,500秒) ISO800 WB:日陰
ソニーα7Ⅱ FE 16-35mm F4 ZA OSS(29mm) 絞り優先オート(F6.3、1/1,000秒) ISO250 WB:日陰(A+5)

1枚目は米坂線のゴージャスな秋の風景。こう考えると紅葉の写真って、運気を上げるのに最適なんですねー。寂しい印象にならない、明るい紅葉の写真がおすすめです。2枚目はポルトガル・リスボン市電と教会の写真。教会と鉄道の組み合わせなんて撮っているかな?と探し回って見つけました。やはりヨーロッパでいくつか撮影していました。こちらも飾るだけでオシャレな雰囲気になりますね。もちろん鉄道のない教会だけの写真でもOK。お部屋に飾るためにふだんは撮らない被写体にチャレンジしてみるのも、面白いかもしれません。

以上、2回にわたって「風水」の考え方を取り入れた写真の飾り方についてお話してきました。僕がこういう取り組みをするのも、やっぱりもっと大勢の人にプリントを、そして写真を飾ることを楽しんでもらいたいから。写真を撮るという行為と同じように、写真を飾る喜び、もっと言えば大切な人に贈る楽しさを味わってもらえたら嬉しいです。これからクリスマスシーズン。今年は自分の自信作を額装して、大切な人に贈ってみてはいかがでしょう。そうそう、その人がどんな運気を上げたいか、どの方角に写真を飾れるかを確認することを忘れずにね。

ゆる鉄画廊では、今回ご紹介した風水の作品を解説とともに展示しています。年末までの展示となりますので、ぜひ直接画廊にてご覧くださいませ。

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中井精也

1967年、東京生まれ。鉄道の車両だけにこだわらず、鉄道にかかわるすべてのものを被写体として独自の視点で鉄道を撮影し、「1日1鉄!」や「ゆる鉄」など新しい鉄道写真のジャンルを生み出した。2004年春から毎日1枚必ず鉄道写真を撮影するブログ「1日1鉄!」を継続中。広告、雑誌写真の撮影のほか、講演やテレビ出演など幅広く活動している。株式会社フォート・ナカイ代表。2015年、講談社出版文化賞・写真賞、日本写真協会賞新人賞受賞。著書・写真集に「デジタル一眼レフカメラと写真の教科書」「DREAM TRAIN」(インプレス・ジャパン)、「ゆる鉄」(クレオ)、「都電荒川線フォトさんぽ」(玄光社)などがある。2018年5月、東京都荒川区に鉄道写真ギャラリー&ショップ「ゆる鉄画廊」をオープンした。甘党。https://ameblo.jp/seiya-nakai/

■TVレギュラー:「中井精也のてつたび」/NHK BSプレミアム、「ヒルナンデス!沿線フォトさんぽ」/日本テレビ、「ひるまえほっと てくてく散歩」/NHK総合、中井精也の「にっぽん鉄道写真の旅」/BS-TBS、カメラと旅する鉄道風景/CS各局