赤城耕一の「アカギカメラ」
第59回:「OM SYSTEM」OM-5で考えた、カメラとロゴデザイン
2022年12月5日 09:00
2022年も残すところ……。とか書き始めなければならないのでしょうか。もうね、このところ忙しくて、師走な感じを思い切り体感している筆者でございます。
いや、正直に申し上げるとこれは違います。忙しいのは昨今、あまりにも商いが小さいもので、沢山お仕事をしないと年が越せないからというのが理由でありますから念のため。還暦も過ぎたというのにこの状況を打開できません。近所の公園で焚き火でもして、ひとり越年闘争をした方がいいのでしょうか。
ちなみにボーナスをもらったので筆者に奢ってもいいですよという方は連絡をいただければ飛んでゆきますのでどうぞよろしくお願いします。
で、毎度ながら前置きが長くなりました。今回の本題ですが、「OM SYSTEM OM-5」の話をしようかと。ええ、「OLYMPUS」から「OM SYSTEM」へと銘板が変更になった初号機でありますね。これね、筆者にとってはけっこう大事なことなので、取り上げないわけにはいきません。
カメラのロゴの位置関係とかデザインの変更とかね、筆者はこう見えても神経質なところがありますから気にし始めると夜も眠れなくなるわけです。ええ嘘です。
今回のようにカメラ名がそのまま変わってしまうはなかなか大胆というか冒険ですが、ロゴのデザイン変更だと「Nikon」もしらっと変えてきたりするんですが、みんな黙ってますね。その程度では動じないぜという確固たる結束でもあるのでしょうか。「Canon」もロゴ変えてますけどね、誰も何も言わないですね。機能重視ですから、そんな瑣末なことは気にしないのでしょうか。
「minolta」も大胆でしたけどね、全部大文字の「MINOLTA」になったりしてね、当初は見慣れなくて残念な感じがしましたが、αの登場にて、みなさん文句言わなくなりました。そういやミノルタCLEの試作機のロゴは「minolta」でした。逆にミノルタXDに新しい「MINOLTA」ロゴの入ったモデルを見たこともあるのですが、今は珍品かもしれません。その後、ミノルタはコニカと一緒になり「KONICA MINOLTA」になります。カメラ事業は辞めて「SONY」になりましたねえ。そのうちミノルタのこととか忘れられちゃうから、筆者は機会あれば声を上げたいですけどね。α-7 DIGITALもきちんとつきあったんですぜ。もう古い話になりました。
「PENTAX」もマウントをM42からバヨネットのKマウントにしたときにロゴのデザインを変えてますね。これも字体は太くなりましたが当初は見慣れませんでした。万年筆で書いていたのにワープロにしましたみたいな。さすがにもう大丈夫だけど。
「FUJIFILM」ロゴもすげーなーとか思いませんか。フィルム時代の「FUJICA」からの愛用者でしたから、最初はすごく抵抗あったんですよね。でもね、今では誰も何も言いませんね、文句言うやつは年寄りだけみたいな感じです。
銘板に関してはライカはいいですね。当初、ほとんどのライカは前面に余計なロゴが入っていませんでした。このためモデルの見分け方を忘れると結構厄介なんですよね。ただ多くのライカは軍艦部に筆記体で「Leica」が入っています。これがあると納得するんでしょうか。するのか。
Mシリーズライカで「LEICA」ロゴをカメラ前面に入れた最初のライカって、M5かな。M4からサイズがデカくなったから、間が持たないと思ったのかなあ。真相はもちろん知りませんがM4-2とか前面にそのまま入ってますからね。おまけに初期型には赤バッジの元祖みたいなのがつけられたものもあったり。復刻のM6もそうですが、好みなんですけどね、わざわざ前面にロゴ入れなくてもいいような気がしますね。ちょっと勉強しないとモデル名がわからないっていうのも、それはそれでいいと思うわけ(笑)。
一眼レフのライカフレックスはMシリーズと比較するとデカいし、ペンタプリズム部分にスペースありますからね。でも最初のライカフレックスは、前面のロゴはカメラ右袖にあります。ペンタプリズム下のスペースには町中華のベンチレーターみたいな外部測光窓があるんで入れる場所がなかったのか。
TTL測光を採用したライカフレックスSLなんかカメラ中央前面には「SL」しか入ってないですね。とてもシンプルでいいですね。ひいきにしております。でもその後のSL2では「LEICAFLEX SL2」の銘板がガツンとはいります。で、R3からは「LEICA」になりますね。
えっとなんの話でしたっけか。そうだOM SYSTEMでした。MとSの間に半角空いてるので、この間に汚れがたまらないか心配していましたけど問題はありません。
筆者はオリンパスOM歴が半世紀近いですからね、もう少し筆者が若かったら「俺を捨てて違うところに行くのか」と暴れたかもしれませんが、もう年寄りですから若者に嫌われないように静かにしていることにしました。
結論からすると、もうOM SYSTEMロゴは見慣れちまったぜ。本当です。とくにOMDSに忖度しているわけではありません。どちらかというと、フィルム時代の栄光のマルチスポット機OM-4の後継だからOM-5にしたのかキミは?とか皮肉を言いそうになりますが、これはもう黙って従うことにしますね。でもね、OM-1をはじめとするヒト桁シリーズと二桁シリーズは明確な立ち位置の違いがあったんだぜ、と、ここで騒いではいけませんね。
それでもね。OM SYSTEM銘板の初号機としてOM-5としたのは良かったのかもしれません。機能面だけみればE-M1 Mark IIIとほとんど同じと聞いていますが、筆者はレビュー仕事以外ではスペックに興味ないので、普通にキレーに写ればなんの文句も言わない方ですから、へーそうなんですねと聞いておりました。
と、いうかE-M1 Mark IIIって筆者が導入しなかった唯一のE-M1系モデルですから、ここにきてOM-5を使うことでE-M1 Mark IIIを味わっている感があります。マイクロフォーサーズ機に関しては小型軽量であることがまず正義と考えているので、OM-1よりも小さいというところにOM-5は大きなアドバンテージがあります。
クラス的にはどうなんですか? OM-5はエントリーではなくてミドルクラスなのかな。機能の進化と小型軽量化の同時進行はOM SYSTEMがやらねばならない一番の命題ですね。今回のOM-5のような小型軽量で締まった機種が登場したら、ここはパンケーキレンズの商機ではないかと思うわけですよ。パンケーキレンズを欲しい人は一定数いるくせにある程度行き渡るとパッタリ動きが止まると言われています。不遇だよなあ。だからこそビジネスチャンスを逃してはいけませんね。
そこで今回OM-5には、OM SYSTEM純正とパナソニックのLUMIX Gシリーズのパンケーキ単焦点レンズを選んで使ってみました。カメラごと、ブルゾンとかコートにそのまま入るからですね。
※15時10分追記:記事初出時、撮影データに「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8」と記載していましたが、正しくは17mm F2.8(2009年発売のもの)でした。お詫びして訂正致します。
パンケーキレンズを見ていつも思い出すのは写真家の森永純さんですね。ニコンFにGNニッコール45mm F2.8をつけ、コートのポケットに入れて海岸を歩き、ここぞという時にサッと取り出して、冬の荒れた波を撮影しちゃうわけです。なんかインテリジェンス感じませんか。やはり痩せてないと説得力ないか。
小さな高性能ズームも登場しているので、そちらを選択してもいいけど、ズームありきだとなんかね、毎度の仕事道具みたいな感じがするので、プライベートな撮影では持って歩きたくないわけです。それにOM-5を使用する場合、デカいバッグとか持って歩くのは野暮でありますね。
少しはOM-5の特徴を書かないとまずいのか。本機はデザイン的にはOM-D E-M5 Mark IIIと外観が似ています。サイズ感は違えど「5」繋がりなんでしょうか。有効約2,037万画素のLive MOSセンサーと、画像処理エンジンにはOM-D E-M1 Mark IIIと同じ「TruePic IX」を採用してます。ここを見ると“ミニE-M1 Mark III”と言えるわけです。
像面位相差AF搭載は個人的に熱望していました。毎度のことながらうちには処分しきれないフォーサーズマウントレンズがごろごろありますから、マウントアダプターを使用してこれらも楽しみたいわけです。実際の挙動は、マイクロフォーサーズマウントより動作がまったりしていたり、レンズによってはフォーカスが合焦しづらい現象もありますけど、文句を言う筋合いでもないですね。筆者の撮影ならまず問題を感じません。
またOM-1で「コンピュテーショナルフォトグラフィ」と命名された機能も搭載していて、オリンパス時代からの伝統であるライブNDとかハイレゾショットも使えます。ハイレゾ撮影は手持ちでも使えるそうですね。筆者はハイレゾショットあたりの機能はまず使わないのですが、2,037万画素じゃ足りないんですかねえ。何に使うんだろう。ハイレゾ撮影して後でトリミングしてもOKだぜという使い方を提唱しているとしたら、現代の写真術っぽいですね。
手ブレ補正の効きはOM-1には及ばないみたいですが、それでも機能的には十分すぎるくらいですね。レンズ側にも手ブレ補正機構があるものと組み合わせると万全ですが、本誌読者のようなわかっている方々には問題ないと思うので割愛します。
さて、実際にパンケーキレンズと共に街に繰り出しました。ストラップを取り外して、カメラをコートのポケットに入れて携行したのですが、少々垂れ下がりはするものの、許容範囲っぽいですけね。とても軽快に使えて、OM-1での撮影よりもショット数が確実に増えますね。不思議です。
筆者は仕事では人物、プライベートでは街角の光景しか撮らないので、顔認識だけがあれば特に問題ありません。被写体認識はあれば便利ですが、鳥の飛翔とか、カーレースは撮らないから問題ないでしょう。鳥は焼き鳥派ですし。カーレースはTV鑑賞派です。
OM-5はうちの戦力として加えても大丈夫であることが今回わかりました。単独の仕事ではバックアップの意味もありOM-1を2台という体制で臨むこともあるのですが、もうね、これでも重たいわけです。更に小型軽量化されたOM-5で全体の重量を減らそうという目論みもあるのです。
あとね、今回OM-5で気に入ったのはOM-1にはないシルバーボディがあることですね。最近は若い頃と異なり、カメラはシルバーの方がいいのではないかと思い始めています。ブラックボディで街に潜み、事象を記録するのだと陰湿な撮影ばかりしていてはダメです。街中でも開放的かつ明るく撮影しましょう。
「OM SYSTEM」ロゴは先に申し上げた通り、次第に見慣れてきました。「OM」の文字が少しだけ大きめにしているからでしょうか、少し離れてみるとOLYMPUSに見えるからかな。あ、それでは良くないのか。
世界のカメラファン全体にOM SYSTEMのブランドが認識されるまでは多少の時間を要すると思いますが、問題なく受け入れられるのではないかと思いました。とくにOLYMPUSユーザーは応援しましょう。