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ベルボン「アクションレベル」

~斬新なLED式水準器

アクションレベルはLEDを使用しているため夜の撮影に便利
 会心の一枚を撮影して、家に帰って見てみたら微妙に水平が傾いていてガッカリ、などという経験をした人は少なくないかもしれない。特に広角レンズでの風景写真などは、わずかな傾きで台無しになってしまうもの。デジタル時代になって簡単に画像補整できるようになったものの、始めから水平が取れていれば画素も無駄にならない。

 これまで、こうした問題を解決するアイテムといえば、透明なブロックに入った液体の気泡で水平を確認する液体式水準器が主流だった。価格は、1軸のもので2,000円前後とリーズナブル。一眼レフカメラのアクセサリーシューに取付けるだけで簡単に使用できるため、とくにネイチャー写真愛好家にはユーザーが多い。

 さて、そんな水準器に“デジタル水準器”と銘打った全く新しいタイプの製品が登場した。ベルボンが輸入する「アクションレベル」(Action Level、5,670円)だ。韓国でセキュリティ関連製品や、カメラアクセサリーを手がけるセキュラインが開発した。

 アクションレベルは、傾きセンサーで得られた情報を5つのLEDに表示し、カメラの水平を確認できるアイテムだ。横幅は3cmあまりで、液体式水準器と同程度。重さは5g(電池を含む実測)と軽量で、飛行機のおもちゃのような変った外観になっている。カメラへの装着はホットシューに差し込むだけ。ソニー/コニカミノルタ製一眼レフカメラのホットシューに直接取付けることができない点は液体式と同じだ。


独特のデザインだ 背面には5つのLEDと電源スイッチが並ぶ

上面に精度選択ボタン(右)と明るさ選択ボタン(左)を備える アクションレベルの大きさは液体式水準器と同程度

カメラへの装着例(オリンパスE-3) 背面

シグマDP1に装着したところ。ホットシューがあればコンパクトデジタルカメラでも使用可能 背面

上部のフタを開けて電池をセットする
 電源は、ボタン型リチウム電池(CR1220)×2個。通常モード(明るさ中)の設定で約20時間使用できるという。点滅表示の省電力モード設定や明るさ調節(5段階)設定が可能で、電池寿命を最大約30時間に延ばすこともできる。

 パッケージにはボタン電池6個(3回分)が付属。なお、自動電源OFF機能が付いており、約20分放置すると自動的に電源が落ちる。ただ、動きを検出すると再度自動的に電源が入るので、電源ONのまま持ち運んでいると、電池を消費してしまうから注意が必要だ。

 使い方は簡単で、電源スイッチをONにすればすぐに起動して使用可能になる。5つのLEDのうち中央の緑が点灯すれば水平が取れているとこになる。傾くにつれ、黄色、赤とLEDの点灯が移動する。

 緑LED点灯時の精度は5段階から選択できる。精度が高い方から0.2/0.4/0.6/0.8/1度という具合だ。精度の選択は本体右側のボタンを押すごとに順次切り替わる。手持ち撮影の場合、0.2度では敏感すぎて緑を点灯させることが難しい。筆者の場合だと、0.4度か0.6度が使いやすいと感じた。一方、三脚使用時は基本的に0.2度の設定で問題なかった。傾き精度を選択できるのは、液体式にはない大きな利点だろう。

 ちなみに液体式水準器と密着させて比べると、気泡の動きがほとんど変らない傾きでも、アクションレベルのLEDは動いていた。分解能はアクションレベルのほうが高いといえる。


ファインダー使用時でも見えるようにと、LEDの下側も透明樹脂になっている
 ファインダーを覗きながらLEDを確認できるのかも気になる点。ファインダー内を注視した状態でLEDを見るのは難しいが、視線を上に向けるなどすればLEDの色がなんとか確認できるという感じだ。手持ち撮影の場合は、ライブビュー表示と併用すると快適に撮影できる。

 自ら発光するため、夜景撮影など暗いところでは非常に便利。液体式水準器が見えないような場所で活躍する。

 アクションレベルは縦位置撮影時の水平も検出できる。カメラを縦位置にすると、自動的に縦位置検出モードになり、左に傾くとLEDが下に、右に傾くとLEDが上に移動する(カメラのグリップを上に構えた場合)。一般的な液体式水準器だと縦位置にする場合、90度差し込み直さなければならないので、大変便利な機能といえる。


液体式水準器を装着したところ。夜間だと見にくい 一方アクションレベルは、LED表示のため、暗い場所でも大変見やすい

自由雲台に装着したカメラで使用しているところ

液体式水準器にはピッチ軸とロール軸の2軸対応製品もあるが、アクションレベルは1軸のみ対応だ
 なお、液体式水準器には水平、垂直の2軸対応の製品もあるが、アクションレベルは水平方向のみしか検出できない。しかし、撮影した写真で気になるのは、どちらかといえば水平の傾きだろう。

 アクションレベルの水平検出基準は、工場出荷時に設定してあるが、自分のカメラに合わせて基準をセットする“校正”が可能。おもりを付けて垂らしたひもに、ファインダーのグリッドやAFポイントなどを合わせてセットする。ホットシューとアクションレベルの遊びなどを考慮した精度を出すことができる。


アクションレベルには、同梱のストラップが装着可能。そのままホットシューに装着できる
 購入するには、ちょっとためらってしまう価格かもしれないが、大手量販店での実売価格は3,980円前後。液体式に比べると2倍程度するが、検出精度の選択、自発光、校正機能など液体式にはないメリットを考えると、さほど高くないように思う。最近では、電子水準器を内蔵したデジタルカメラも登場し始めているが、まだまだ少数だ。

 写真の水平を意識して撮影することで、作品のレベルアップも見込める。水準器を買おうか悩んでいる人はもとより、これまで液体式水準器を使用していたユーザーも試してみては如何だろうか。



URL
  ベルボン
  http://www.velbon.com/jp/
  セキュライン(英文)
  http://secu-line.com/
  製品情報(PDF)
  http://www.velbon.com/jp/tokushuu/actionlevel.pdf

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【PIE2008】ベルボン、LED式の「デジタル水準器」を展示(2008/03/20)


( 本誌:武石 修 )
2008/11/26 00:51
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