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ゲイリーフォン「スフィア」
~ユニークな形状のストロボディフューザー
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スフィア
今回紹介する「スフィア」(実勢価格6,200円前後)は、クリップオンストロボに装着する、いわゆるディフューザーと呼ばれるもの。元フォトグラファーのGary Fong氏が設立した「ゲイリーフォン」ブランドの製品だ。海外では「Lightsphere」という名称で販売され、国内では3月に国内代理店のニッシンジャパンが発売した。
ストロボの発光面を上にして使うタイプのディフューザーで、カップ状の本体と、「ドーム」と呼ばれる蓋からなる。発光させたストロボ光がスフィア内部で拡散され、半透明のスフィアから被写体に向かって柔らかい光が発せられるという仕組みだ。蓋がドーム状になっているのも、効果を高めるポイントとのこと。
基本的にはバウンス発光時により効果を高めるために使うものだが、ニッシンでは壁や天井にバウンスさせなくても、スフィアの側面から出る拡散光でもそれなりに効果があるとしている。
オプションにより、光に変化を持たせられるのもスフィアの特徴。標準で付属している「ホワイトドーム」に加え、オプションのドームとして、人の顔色を自然に照らす「アンバードーム」(実勢価格4,000円前後)と、より強い光を照射する際に使用する「クロームドーム」(実勢価格5,000円前後)を使い分けられる。
クリップ音ストロボへの取り付け方は、付属のゴムバンドを装着し、その上からスフィア本体を被せ、ベルクロで締めて固定する方式。固定力はかなりのもので、装着後に無理やり外そうとかなり力を入れても外れなかったほどだ。激しく動かすような使い方をしない限りは、この固定方法で問題ないだろう。従来の製品では、ディフューザー本体を両面テープで固定するものがあるが、それと比べると固定力は落ちるものの、ストロボ本体が汚れないというメリットがある。
設置例
ホワイトドーム
アンバードーム
クロームドーム
ドームを外して普通にストロボを使用することもできる
脱着は簡単
使用機材はニコンD300とニッシンジャパンDi466
室内におけるスフィアの照明効果概観図(画像提供:ニッシンジャパン)
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テスト撮影
今回は商品撮影と人物撮影の両方で、スフィアの使用感を試してみた。なお、室内灯下での撮影であり、厳密な検証を行なうものではないことをあらかじめご了承いただきたい。
●商品撮影
使用した機材は、ニコン「D300」、タムロン「AF 18-270mm F3.5-6.3 Di II VC LD Aspherical [IF] Macro」、ニッシンジャパン「スピードライトDi466」(ニコン用)。Di466はiTTL調光に対応しているが、効果を分かりやすくするために光量を+1.5EV強めに設定して撮影した。撮影設定は、絞りがF8、感度がISO200、シャッタースピードは1/25秒。ホワイトバランスは「フラッシュ」。
スフィアなしでの天井バウンスより、スフィアを使った方がサボテンの下の影が薄くフラットな印象。ただし、鉢にハイライトが生じている。特にクロームドームで強くテカっている。
スフィアなし(ストロボ直射)
スフィアなし(天井バウンス)
スフィアあり(ホワイトドーム)
スフィアあり(アンバードーム)
スフィアあり(クロームドーム)
●人物撮影(その1)
床から天井までの高さが2m程度の場所で撮影した。使用した機材は商品撮影と同様。撮影設定は、絞りがF4、感度がISO400、1/100秒。ホワイトバランスは「フラッシュ」。スフィアを使った撮影は、すべてストロボ発光部を直立させている。
スフィア側面の円筒部からの光があるため、人物後ろの壁の影面積が少ない。それでいて、ストロボ直射のような固さはない。
スフィアなし(ストロボ直射)
スフィアなし(天井バウンス)
スフィアあり(ホワイトドーム)
スフィアあり(アンバードーム)
スフィアあり(クロームドーム)
●人物撮影(その2)
バウンスさせずに、ストロボの発光面を被写体に正対させた状態、つまりスフィアの蓋(ドーム)を被写体に向けた状態でも撮影してみた。EOS 40D、F5.6、1/60秒、ISO400。
この手のディフューザーは発光面と拡散面が近く、さらに拡散面が小さいため、バウンス発光時の補助に使うものと考えてた。しかし今回のテストでは、天井バウンスと同じとはいえないものの、思ったより光が拡散している。
もっとも今回は、スフィアの円筒部から発せられた光が天井でバウンスしたことで、フラットな光になったのかもしれない。いずれにしても、バウンス発光の方がフラットな光が得られるので、(当たり前だが)バウンスできる場所ならバウンスした方がよい。
スフィアなし(発光面を被写体に正対)
スフィアあり(発光面を被写体に正対)
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まとめ
ニッシンによるとスフィアは、バウンスできない状態でも円筒からある程度の拡散光を生み出すことが可能という。被写体に当たる光量は、ストロボを直射した場合や、天井などのバウンスさせた場合よりかなり落ちてしまう。むしろ人物撮影(その2)で示したように、距離や発光量にもよるが、蓋側を被写体に向けてディフューズ効果を期待するのも手だと感じた。
ユニークな形状からは確かに効果が感じられたが、被写体の距離や大きさにあわせて発光量を高めたり、ISO感度を高くするなどの工夫も必要だろう。単なる直射やバウンスとは違った効果が期待できそうだ。
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URL
ニッシンジャパン
http://www.nissin-japan.com/
ゲイリーフォン
http://garyfonginc.com/
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関連記事
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ニッシン、ドーム状のストロボディフューザーなど3製品(2009/02/16)
( 本誌:関根慎一 )
2009/04/01 21:05
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