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シャープ「HN-PP100」
~大画面テレビへの写真表示ができる“フォトプレイヤー”
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HN-PP100
2008年の春先から大いにシェアを伸ばしたデジタルフォトフレームだが、現在主流となっている画面サイズは2型から10型のものがほとんど。利用者の中には「もっと大画面で写真を楽しみたい」という需要もあるのではないだろうか。
今回紹介する「HN-PP100」は、HDMI入力対応のテレビに写真を表示できるフォトプレイヤーだ。
8,000×6,000ピクセル、12MBまでのJPEG画像を表示可能で、1,920×1,080ピクセルのフルHD出力に対応する。シャープの「ファミリンク」を利用できる液晶テレビ「AQUOS」に接続すると、自然な発色で写真を楽しめるという。RAW画像の表示には非対応。画像表示中には明るさ、コントラスト、彩度などの画質調整も行なえる。
また、本体上部に昇華型プリンターを内蔵する。用紙はLサイズ(89×127mm)とポストカードサイズ(101.6×152.4mm)に対応。印刷解像度は300×300dpi。
メモリーカードスロットは3つで、対応メディアはCF、SDHC/SDメモリーカード、Microdrive、MMC、メモリースティック/PRO。アダプターを使用することでmicroSDHC/SDメモリーカード、miniSDHC/SDメモリーカード、メモリースティックデュオ/PROデュオ/PRO-HGデュオ、メモリースティックマイクロも使用できる。挿入したメディア間でのファイルコピーも可能だ。赤外線通信「IrSS」による画像転送にも対応する。
本体サイズは234.5×205×89mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約2kg(本体のみ)。発売は2008年12月。実勢価格は2万円前後。
なお、上位機種の「HN-PP150」もラインナップする。HN-PP100との違いは、LAN端子の内蔵、DLNAへの対応、写真共有サイト「Picasa」の閲覧機能を有する点。発売は1月。実勢価格は2万5,000円前後。
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シンプルな外観
外観は、前面に電源スイッチ、上面にフォトプリンター、背面にHDMI端子を備えるのみというシンプルなもの。前面のカバーを開けると、インクカートリッジ挿入口とメモリーカードスロットが目に入る。ちなみにHDMIケーブル、フォトペーパー、インクカートリッジは同梱しないので、別途買い揃える必要がある。シャープではこの3点をセットにした「スターターキット」(5,000円)を用意している。
なお、デジタルフォトフレームのように使用するだけなら、フォトペーパーとインクカートリッジをセットする必要はない。
HN-PP100本体とリモコン。HDMIケーブルは別売
電源ボタンとリモコン受信部
本体背面にはHDMI端子のみ備える
プリンター
メモリーカードスロット。USBメモリーも使用できる
インクカートリッジ挿入口
給紙トレイはペーパーカセットを兼ねる
グレーの枠を取り外すと、ポストカードサイズの用紙をセットできる
インクカートリッジを挿入しているところ
Lサイズのフォトペーパーをセットしているところ
Lサイズプリント例
試しにLサイズでプリントしてみたところ、1枚のプリントにかかった時間は55秒。公称速度でもLサイズが約51秒、ポストカードサイズが約57秒とあるので、実測速度と公称速度に大きな乖離は見られない。
注意しなければならないのは、本体に操作部を備えないため、リモコンの電池残量がなくなると操作できなくなる点だ。リモコン用の電池は付属するが、可能なら予備の電池を用意しておきたい。
また、メモリーカードに入れた画像の解像度が大きい場合、画像を一覧表示して選ぶ場面などで、レスポンスが落ちるのも気になった。HN-PP100を使用するに際しては画像を一覧表示する機会が多いので、撮って出しのJPEGをそのまま読み込ませるのではなく、ひと手間かけてリサイズしておく必要があるかもしれない。
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簡潔なインターフェース
アイコンと説明文を読めば大抵のことは理解できる。初歩的な用語を知っていれば操作に迷うことはまずないだろう。メニュー操作のレスポンスは良いが、先述のように、画像を読み出す場面では、読み出し終了まで操作を受け付けないのでテンポが悪くなる。メモリーカードには必要なだけの画像を入れておくのが望ましい。
リモコン操作は、真横や真上から行なったのでは受信しない場合が多いので、できるだけ受信部の正面に立って操作するといいだろう。
メニュー画面
写真の単体表示は「写真一覧」で行なえる
解像度、撮影日時、使用カメラを表示できる
「フォトスライドショー」では、表示する写真を選択できる
スライドショー設定画面。BGMは用意された10種類の中から選択する
「バラエティプリント」メニュー画面
「レイアウトプリント」では、最大10枚の写真をレイアウトできる
レイアウト例
「スクラップブック」では、用意されたテーマの中に写真を配置できる
配置例
「カレンダー」では、8パターンから好きなレイアウトを選んでカレンダーを印刷できる
カレンダー作成例
「証明写真」では、同じ写真を10サイズの中から選択して最大6点までプリントできる
作成例。サイズによりプリントできる点数は異なる
「まとめてプリント」では、写真の一覧プリント、全プリント、赤外線通信で受信した画像のプリントを行なえる
メモリーカードやUSBメモリー内のデータをコピー・消去できる
テレビのリモコンでHN-PP100を操作できる設定もある
印刷時の色合い設定
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基本的な機能が揃う画像補正
画像を表示している際に「写真の編集」を選択すると、専用のメニューに切り替わる。ここで調整できるのは、拡大/縮小、回転、移動、明るさ、鮮やかさ、コントラスト、エッジ強調。加えて、赤目補正、逆光補正、美肌補正も可能。
回転は90度刻み。拡大/縮小と移動は、変化する幅が大きく、少々使い辛い印象。もっと細かく調整できると使い勝手もよくなると思う。
明るさ、鮮やかさ、コントラスト、エッジ強調については、スライダーを使って左右方向に調節できる。調節幅は全部で20段階。リビングでの活用が基本となる本機らしく、スタンプやフレームといった家族受けしそうな定番機能も備えている。
メニュー画面
回転させたところ
補正メニュー
「おまかせ」を選択すると、自動階調補正が実行される
適用前後の画像を見比べながら調整できる
補正後の画像を別ファイルとして保存できる
スタンプの一覧
スタンプは一覧の大きさのまま写真に適用される
フレーム一覧
フレーム適用例
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まとめ
HN-PP100を使ってみて感じたことは、そのシンプルさと、できることの幅広さだ。もちろんHN-PP100単体で可能な画像処理と、本格的なソフトウェアを使用した画像処理には差があるが、画像にちょっとした修正を加えてプリントする分には、単体で事足りるくらいの性能を備えている。ただ、印刷できる最大サイズがポストカードサイズまでというのは少し気になるところ。
ポイントは手軽さという点だろう。本体にフォトペーパーとインクカートリッジをセットし、HDMIケーブルをテレビに挿すだけで使えるうえ、メモリーカードに保存したデータのコピーまで行なえる。画像の読み出しからプリントまでの一連の作業をPCレスで行なえる利点は大きい。
大きさもプリンターを内蔵する割には小さく、軽い。無駄のないデザインだと思う。
デジタルフォトフレームとはまた違った写真の楽しみ方ができる製品だ。デジタルフォトフレームでは物足りない、あるいは手軽にデジカメ写真をプリントしたいという人にはひとつの選択肢になり得るアイテムだろう。
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URL
シャープ
http://www.sharp.co.jp/
製品情報
http://www.sharp.co.jp/photoplayer/
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シャープ、写真共有サービスに対応した「AQUOSフォトプレーヤー」(2008/11/18)
( 本誌:関根慎一 )
2009/03/16 15:05
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