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プリンストンテクノロジー「OVO」

~小さな卵型デジタルフォトフレーム

 にわかに活気付いてきた観のあるデジタルフォトフレーム市場。最も人気があり、製品も多いのが7型液晶ディスプレイを搭載した製品だが、市場の拡大を受けて、さまざまなディスプレイサイズや機能を備えた製品が登場し、百花繚乱となりつつある。

 プリンストンテクノロジーの「OVO」(オーボ)は、そんな中でも異色の、「卵型デジタルフォトフレーム」だ。

 本体サイズは61×61×81mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約158g、手に乗るサイズだが、鶏の卵よりひとまわり大きい。製品名の「OVO」も、ポルトガル語で卵を意味するのだという。底面も卵と同じように球面になっていて、脚になるようなものは見当たらない。底面のあたりに重心があって、ちょうど起き上がり小法師のように、正立するようにできている。

 操作系は+、-、MENUの3つのスイッチだけで、卵形のフォルムにマッチするように、円形にデザインされている。これらのスイッチはメニューが表示されるディスプレイとはちょうど反対側、真後ろにあって、ディスプレイと同時にスイッチを見ることはできない。が、スイッチの配置もメニューの操作方法もとても単純で、手探りで十分操作できる。


背面。3つのスイッチとUSBポートが見える メニュー。+スイッチと-スイッチで上下に移動し、MENUスイッチで選択する

上から見たところ。ディスプレイの真裏にスイッチがある
ブリキ缶のパッケージも凝っている

 OVOのひとつの特徴に、リチウムイオン充電池を内蔵していることがあげられる。多くのデジタルフォトフレームはACアダプタなど、電源につながるケーブルが必要で、それが設置の自由度を制限することにもなっているのだが、OVOは充電さえしてやれば、どこにでも置けるし、卵型のフォルムを手にとって楽しむことができる。動作時間は約5時間で、充電には約2時間かかる。

 本体にはミニUSBポートしかなく、充電はUSBバスパワーで行なう。もちろん、USBにつないだままで、USBバスパワーで動作させることもできる。ちなみにAC電源をミニUSBに変換するアダプターがあれば、PCがなくても給電できる。最近ではこのようなアダプターは、携帯音楽プレーヤーや携帯電話の充電用オプションとして、安価なものが多数発売されている。

 液晶ディスプレイは1.5型で、128×128ドットの正方形に表示する。画像のストレージは本体内の2MBのフラッシュメモリだけで、メモリカードスロットなどはない。画像はUSBでPCから転送するしかない。このへんの仕様は以前アイテム丼でも紹介したセガトイズの小型デジタルフォトフレーム「デジポッド」( http://dc.watch.impress.co.jp/cda/item/2008/07/08/8772.html )と同じだ。


OVO内蔵の転送ソフト
 画像転送ソフトは本体のメモリに内蔵されていて、PCに接続し、メニューで「USB接続」で「する」を選ぶと起動する。CD-ROMなどからインストールする手間が無用で便利なのだが、このソフトの画面や動作もデジポッドのものとほぼ同じ。ソフトで128×128ピクセルへのトリミングと転送を行なうようになっている。同梱されているソフトの対応OSはWindows XP/Vistaのみだが、Mac OS X(10.4.x以降)対応の「MacDPFmate」を同社サイトからダウンロードできる。

 OVOの残念なところはディスプレイの画質で、解像度が低く、荒れた、白っぽい画像になりやすいところだ。これは、メニューで「コントラスト」を6段階で調整できるのだが、デフォルトの3から2や1に下げると、だいぶ改善される。

 こうしてみるとOVOは、製品名、パッケージ、各部のデザインや使い勝手まで、「卵型」をいかしたつくりになっている。多くのデジタルフォトフレームは、写真立てに液晶ディスプレイを埋め込んだようなデザインを採る中、OVOはいかにもデジタルらしい楽しさを形で表現している。価格は4,000円前後と手ごろなので、ギフトに最適な製品といえる。

【お詫びと訂正】記事初出時、Mac OS対応ソフトについての記述していなかったため、追記しました。



URL
  プリンストンテクノロジー
  http://www.princeton.co.jp/
  製品情報
  http://www.princeton.co.jp/product/pc/ppfovo.html

関連記事
セガトイズ「デジポッド」(2008/07/08)
プリンストン、卵型のコンパクトデジタルフォトフレーム(2008/06/06)


( 本誌:田中 真一郎 )
2008/08/12 12:54
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