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インデューロ「アルミフレックス6M AX113」

~低価格な“水平ポジション"対応の三脚

AX113。定価は2万4,255円
 海外メーカー品にしては低価格なカーボン三脚として、2007年秋に国内デビューした米国の「Induro」(インデューロ)ブランド。今春からは15製品のアルミ三脚を投入、ラインナップの強化を図っている。そのうち、センターコラムを水平・垂直ポジションに切り替えられる3段三脚「AX113」を使ってみた。

 センターコラムを90度回転させる仕組みは、ジッツォやマンフロットなど他メーカーの製品でもおなじみだろう。また、インデューロでも上級モデルの「カーボンフレックス8X」シリーズで導入済みだ。今回のAX113は、そのアルミ版ともいえるもので、水平ポジション対応のアルミ三脚「アルミフレックス」の最小・最軽量モデルとなる。

 インデューロの水平ポジションはほかのブランドと異なり、センターコラムを抜くことなく垂直から移行できるのが特徴。コラムヒンジのネジを緩めてセンターコラムを大きく伸ばすと、ヒンジを軸にセンターコラムが90度回転する仕組みだ。もっとも垂直から水平にするには、ほとんど抜けそうな程度までセンターコラムを伸ばさなければならないのだが……。慣れてしまえば、操作そのものに大きな問題はない。


センターコラムを水平にできる。小物の俯瞰撮影に便利。さらに前方に傾けることも可能だ センターコラムを抜かずに水平ポジションに移行可能。ただしこのくらい伸ばす必要がある

センターコラムは完全に外せる。慣れないうちは、外した方が操作がしやすい

 脚部のメイン素材には、アルミ合金の6000系(Al-Mg-Si系合金)を使用。6000系はホンダNSXでの使用例をはじめ、剛性と扱いやすさの点から工業製品での採用率が高い。AX113においてもカーボン三脚のそれとは違う、金属ならではの剛性感を伴っており、使っていて好感が持てる。脚を伸び縮みさせた際、空気圧による適度な動作の重さが高級感をあおる。一眼レフカメラに対応する三脚としては、脚径が細い部類に入るが、使っていて満足感は高かった

 ナットロックには空転防止機構を装備。また、脚ロックは防塵・防湿構造になっている。そのほか、石突きをラバー製、またはステンレス製に交換できるなど、価格の割には芸が細かい。本体にはインデューロの国内初上陸の際、話題になった方位磁石も搭載されている。


カメラ台。大ネジを採用 本体に水準器を搭載。雲台の動きとは無関係なので、使いどころが難しい


方位磁石も。三脚が搭載するのは珍しい ナットロックは空転防止機構を備えるほか、防塵構造になっている

 弱点を挙げるとすれば、センターコラムが分割しないため、ローポジション時のスタイルに制限が生じることだろう。この仕様は、ほかのインデューロ製品と同様だ。AX113も同じく、24度、55度、80度と3段階の開脚角度を選べるものの、センターコラムを上に伸ばさない限り、80度は実質的に利用できない。

 とはいえ、AX113を含むアルミフレックスおよびカーボンフレックスの場合は、伸ばしたセンターコラムを倒せば良いわけで、ほかのインデューロ製品よりはマシだ。センターコラムの角度や伸ばし具合を工夫することで、ローポジションにおいて、水平ポジションがとれない一般的な三脚より、ある意味高い自由度を引き出せるのかもしれない。

 ただしその場合には、ジッツォの「GH2750」のようなオフセンター式の自由雲台が欲しくなりそうだ。インデューロの雲台では90度までしか傾けられないからだ。せっかくセンターポールが下方向へもチルトするのに、カメラの角度が90度までだと、下から見上げるようなカメラアングルが難しい。まあ、脚とセンターポールの長さを調整すれば、やってできないことはなさそうだが……。

 ちなみに別売で、ローポジション専用の短いセンターコラムが用意されている。これなら普通のローポジション対応三脚として使用可能だ。


石突きは交換可能。ステンレス製の石突きも付属する

厚めの生地を採用したケースが付属。雲台をつけた状態では収納できないのが残念


 なお、カーボンフレックスの同クラスとしては、「CX113」が今回のAX113に相当する。耐荷重はどちらも4.5kgと同等ながら、重量はCX113が1.5kgのところ、AX113が2kg。その代わり、実勢価格はCX113が4万円台前半、AX113が2万円前後から2万円台半ば。カーボン三脚が安くなったとはいえ、アルミ三脚の安さに改めて感心する。

 水平ポジションに対応する三脚は種類が少ないが、その中でもAX113は最安値の部類に入る。軽さではカーボンにかなわないものの、機能はCX113に比べて問題ないので、とにかく安く水平ポジションを実現するには好適だ。屋内での簡単なブツ撮りが主体なら、水平ポジションの利便性を享受できるし、三脚そのものの重量もそれほど気にならないだろう。



URL
  プロフォト
  http://www.profoto.jp/

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( 本誌:折本 幸治 )
2008/07/01 00:07
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