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ユーエヌ「ミニスライダー UNP-5697」

~コンパクトデジカメの接写に便利なフォーカシングレール

 マクロレンズを使い、最大の接写倍率で撮影しようとするとき、レンズのピントリングを操作してのピント合わせよりも、カメラを前後させながらピント合わせをしたほうが確実である。

 極端に被写界深度が浅いという接写特有の問題もあるが、被写体をより大きく捉えるには、レンズのピントをマニュアルにして、ピントリングを最短撮影距離で固定しないと最も大きい撮影倍率にならないからだ。

 手持ちでの撮影ならカメラを持つ手を前後させればいいのだが、手ブレを防ぎ、フレーミングを確実にするためにはやはり三脚を使いたい。そのとき、三脚ごと前後させると足場の状況によってはうまくいかないことから、三脚の上に載せるアクセサリーとして「フォーカシングレール」というものがある。

 マクロ撮影は、かつて「見たままが撮れる」一眼レフの独壇場であったが、コンパクトデジタルカメラでも実際に写る様子が液晶モニターで確認できることと、一眼レフのマクロレンズよりも接写が得意な機種が出てきたこともあり、花の接写などに結構使えるように感じている。

 とはいえ、10Mのコンパクトデジタルカメラでは、手持ちで撮影するよりも、軽くても三脚があった方がいい場合もある。三脚に取り付けるフォーカシングレールは、一般に一眼レフが対象。コンパクトデジタルカメラで使うには大きすぎる。

 今回使ってみたのはコンパクトデジタルカメラ用のフォーカシングレール「ユーエヌ ミニスライダー」(4,725円)。軽い三脚に使っても、バランスがとれるサイズが魅力だ。

 雲台に取り付けるベース部分の上に、丸パイプ状のレールがあり、レール後端のノブを回すとレール先端にあるカメラ台の位置がレールごと移動する、というものだ。一眼レフ用のフォーカシングレールには、+型の構造をした2軸構造のもの(前後と左右をそれぞれ調整できる)と-型の構造をしたもの(前後のみの調整)のものがあるが、ミニスライダーは後者のもの。ノブの1回転でおおよそ3mm程度移動し、前後の調整幅は32mmだ。


カメラと比べてもそれほど大きくないサイズ。小型三脚との組み合わせで使ってみた
取り付けネジは一般的な小ネジ(U1/4)のため、どの三脚でも使える。取り付け部の面積は3cm四方と小さい。小型の雲台にフィットする

手元にくるノブを回転させることで、カメラ位置が前後する
取り付け方向を変えると横方向の移動も可能

下側からレール部の構造をみる。真鍮色をしている棒に歯が切ってあり、これで前後する構造だ COOLPIX P5000の最短撮影距離となるよう、ミニスライダーで調整して撮影
3,648×2,736ピクセル / プログラム / 1/250秒 / F5.4 / 0EV / ISO64 / WB:オート / 7.5mm(実焦点距離)

 ニコンのCOOLPIX P5000を使ってマクロ撮影をするときに使ってみた。P5000の最短撮影距離は4cm。被写体との距離を大まかにセットしたあと、シーンモードを「クローズアップ」にして、カメラのAFの合焦表示を確認しながら、少しずつ前に繰り出していく。どこにもピントが合わなくなったところを確認し、少し下げて最短距離を確認して撮影した。ノブの回転に応じてmm単位で前後できるので、微妙な位置合わせが可能だ。

 フォーカシングレールによっては、微調整したあと、締め付けツマミなどの操作が必要なものがあるが、ミニスライダーでは、手を離したところで動かないという構造のため操作が楽だ。

 レール部分は金属でできているものの、ベース部やカメラ台部分がプラスチック製のため、大変軽い。三脚の上に載せて使うものなので、スライダーが重いと使う三脚自体もそれなりのものが必要だが、ミニスライダーとP5000の組み合わせでは、旅行用の軽量三脚でも十分対応できるので、フィールドでの撮影にも便利。接写を確実にするなら、是非使いたいアクセサリーだ。



URL
  ユーエヌ
  http://www.un-ltd.co.jp/


( 木村 英夫 )
2007/05/15 01:57
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