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ベルボン「アンブレラクランプ UC-5」

反射傘にもなる折りたたみ傘付属の傘ホルダー

 梅雨のこの時期、屋外での撮影に便利なアクセサリーとしていわゆる傘ホルダーがある。L字型のプレートでカメラに取り付けるものや、三脚に固定するものなど写真用品メーカー各社から発売されている。梅雨の時期はあじさいが咲く季節でもあり、雨の中で撮影するのもおもしろいものだ。

 さてそんな折、三脚メーカーのベルボンが傘ホルダー「アンブレラクランプ UC-5」(12,075円)を発売した。同社としては初めての傘ホルダーだが、かなりユニークな製品になっている。

 ふつう傘ホルダーはホルダーのみで販売しているのだが、UC-5はホルダーと折りたたみ傘がセットになっている。また、通常の傘ホルダーではストレート傘を取り付けるのが一般的だが、UC-5は折りたたみ傘専用になっており、ストレート傘を取り付けることはできない。しかし、折りたたみ傘であれば付属の傘以外でもほとんどの製品が取り付け可能だという。筆者も初めて知ったが、折りたたみ傘の柄の部分は回転させると外れるようになっており、付属の傘の柄と任意の折りたたみ傘の柄を交換することで、ほとんどの折りたたみ傘に対応できるのだ。


セット内容。ホルダー本体と折りたたみ傘のほか、それぞれの収納袋が付属 傘の柄は取り外すことが可能で任意の折りたたみ傘を使用可能

ホルダー本体。樹脂製で軽い センターコラムを挟む部分。太さに合わせて枕木を調節できる

傘の取り付け部分 強力なバネで固定する

 UC-5は三脚への取り付け方法がクランプ式という点でも珍しい。従来の三脚に取り付けるタイプの傘ホルダーは、三脚の脚と雲台の間に挟んで固定するようになっている。そのため、雲台を外すことができないタイプの三脚では使用することが難しかった。その点、ホルダーがクランプ式のため、ほとんどの三脚で使用可能になっている。ベルボンによると、取り付け可能なセンターコラムの直径は21~30mmという。


三脚に取り付けたところ 雲台を取り外すことができないタイプの三脚でも使用できる

 ホルダーのセンターコラムを挟む部分(枕木)には3~7の目盛りが書いてあり、枕木の幅がセンターコラムの直径に応じて変えられる構造になっている。このため、かなりしっかりとセンターコラムを挟むことができる。また、取り付け、取り外しがワンタッチで行なえるのもクランプ式ならではの利点だろう。

 取扱説明書によると、取り付けられる同社最小の三脚は「ULTRA MAXiシリーズ」で枕木の目盛りが3、また最大の物で「カルマーニュ 700シリーズ」や「Mark-7シリーズ」で目盛りが7となっている。ちなみに、ハスキーでは目盛りは7がぴったりだった。


傘の角度は調節可能 付属の傘はベルボンのロゴ入りだ

後方から見たところ。クランプは水平方向に回転可能

 UC-5に付属する傘は、裏面が銀色の布になっておりストロボと組み合わせて反射傘としても使うことができる。スタジオなどでよく見かける反射傘を使ったライティングは、ストロボを直接当てるのに比べて光を柔らげることが可能だ。従来このようなライティングを行なおうとすると、反射傘や専用スタンドなどを揃えなければならなかった。その点、UC-5は適当な三脚に取り付けるだけで、簡単に反射傘によるライティングが楽しめる。


小型三脚に取り付けたところ。内側が反射面になっている クリップオンストロボで、アンブレラライティングが可能

 さっそく、ストロボを直接被写体に当てた場合と反射傘を使用した場合の写りの違いを確かめてみた。今回は、ストロボを三脚に取り付ける際に三脚穴付きのホットシューアダプターを使用し、シンクロコードでカメラと接続した。雲台を調節してストロボを傘の中心部に向ければセット完了だ。作例では、ストロボを取り付けた三脚の位置を動かさずに撮影した。被写体のぬいぐるみとストロボとの距離はおよそ1.5mである。


直接発光 反射傘使用

 さて、どうだろうか? ストロボを直接発光したものは“いかにもストロボで・・・・・・”といった感じで非常に不自然な写りである。ハイライト部分は飛び気味である上、兎の顔の左側は陰になってしまっている。そして何よりぬいぐるみの影がテーブルにくっきりと表れてしまった。一方、反射傘を使用した方はぬいぐるみのディテールもよく出ているし、顔の影もきつくはない。なかなか自然な感じに仕上がった。

 最近ではインターネットオークションへの出品物を撮影をする人も多いと思うが、反射傘を使用してみると思いのほかきれいに撮れるだろう。

 UC-5に付属する折りたたみ傘は支柱が3段式となっており、収納時には2段式の傘より全長が短くなるのがよい。収納時の傘の長さを測ってみると約27cmで、持ち運ぶ際には便利である。それに、傘ホルダーというと金属製がほとんどだが、UC-5はホルダーが樹脂製で軽い点も評価できる。

 折りたたみ傘というのはストレート傘に比べて開いたときの直径がひとまわり小さいのが普通だから、折りたたみ傘専用のUC-5はその点がストレート傘が使用可能な従来の傘ホルダーと比較して、デメリットとなる。しかし、カメラバックに収まる大きさを生かして、たとえば小型三脚と組み合わせたライティングセット、として出先で使うことも容易だろう。


収納ケースに入れたところ。カメラバッグにも収まる大きさ

 市販の反射傘はどれもストレートのものばかりで、折りたたみ式の反射傘というのは筆者が写真用品年鑑などで調べたところでは、UC-5付属の傘以外ではまだ無いようだ。ストレートタイプの反射傘はさすがにカメラバッグには入らない。よく“折りたたみ+内側反射の傘”というアイデアを思いついたものだと思う。

 この製品が発表された3月のフォトイメージングエキスポ2006では予想価格が28,000円前後とのことだったので“さすがに高いのでは?”と思っていたが、12,075円での発売となりだいぶ買いやすくなった。カメラ量販店などでは実売で8,000円台となっており、雨よけの傘ホルダーとしてだけでなく、反射傘としても使えることを考えるとお買い得といえそうだ。



URL
  ベルボン
  http://www.velbon.com/jp/
  製品情報
  http://www.velbon.com/jp/catalog/accessoriesdollyetc/uc5/uc5.html

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ベルボン、三脚に傘を取り付ける「アンブレラクランプ」(2006/06/12)
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( 本誌:武石 修 )
2006/07/04 01:45
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