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ハンザテック Gold Flash 512MB

12MB/secの24金ラベル採用SDカード

Gold Flashのパッケージ
 春以降、さまざまなベンダーの高速SDメモリーカードが店頭に並びだした。ハンザテックの「Gold Flash」もそのひとつで、発売は6月。特徴は12MB/secという微妙な速度表記にある。

 20MB/secの松下電器とサンディスクを別格とし、民生用SDメモリーカードといえば、2~10MB/secがほとんど。しかも価格は直販サイト「お買い得だねっと」で1GBが14,800円、512MBが8,800円と、5MB/sec級の製品とほぼ変わらないとあって、その実力が気になるところだ。

 ところでハンザテックは、かつての4特(富士写真フイルムの大手4特約店)の1つ、近江屋写真用品株式会社の後身にあたる。マウントアダプターなど「HANSA」ブランドの民生用アクセサリーでも有名だろう。戦前から国内写真業界の流通を支えてきた4特だが、富士写真フイルムのグループ内営業集約により、2004年に4社とも営業譲渡を余儀なくされた。1915年に創業した名門商社の近江屋写真用品も、折からの銀塩写真の落ち込みに加えて、富士写関連の取引抜きでは自活が難しく、約73億円の負債を抱えて倒産した。

 後を受けたのが、近江屋写真用品と同じ東京・両国のビルに入居していたIT企業、テクタイト株式会社で、同社は資本参加と共にハンザテックを設立。富士写真のルートを引き継ぎ、写真用品の販売卸業を展開するという。その第1弾が今回のGold Flashになる。ただし、従来の写真用品「HANZA」ブランドはハンザ株式会社という別会社が引き継ぎ、ハンザテックは主にデジタル関連を担当するという。

 さて、Gold Flashの特徴はNANDメモリにSLC(Single Level Cell)を採用することだ。トランセンドの一部製品にも採用されるSLCは、面積やコスト面でMLC(Multi Level Cell)に劣るものの、構造がシンプルなため、転送速度、低消費電力、耐久性に優れている。他社では見ない「10年保証」を謳うのも、SLCの耐久性に自信があるためだろう。NANDの供給元は明らかにされていないが、韓国製と見られる。ラベルは細かい刻みの付いた24金。「ここまでしなくても」と思うほどゴージャスかつ精緻な印象を受ける。


Gold Flash 512MB。ラベルは本物の24金で、立体感を生かしたデザイン 比較したSDカード。左からExtreme III、PRO HIGH SPEED、RSDC、Gold Flash

 今回は512MBのGold Flashについて転送速度を計ってみた。まず、デジタル一眼レフカメラでの書き込み速度を見るため、*ist DSでRAWデータを10コマ連写し、10コマ目のシャッターが落ちる瞬間までを計測した。*ist DSは5コマでバッファがフルになり、その後、バッファが空くごとに1枚ずつ書き込みを行なう。比較として、サンディスク「Extreme III」(1GB)、松下電器「PRO HIGH SPEED」(512MB)、バッファロー「RSDC」(1GB)も用意した。フォーカスはマニュアルフォーカスとし、焦点距離や被写体も統一している。5回計測し、その平均を求めた。結果は以下の通り。

*ist DSでの計測結果(秒)
  発売元 平均所要時間
Extreme III(1GB) サンディスク 15秒8
PRO HIGH SPEED(512MB) 松下電器 15秒9
Gold Flash(512MB) ハンザテック 16秒2
RSDC(1GB) バッファロー 16秒3


 別のテスト同様、カメラでの書き込み速度に大きな差は出なかった。実際の使用において、速度差を感じることはまずないだろう。なお、バッファローのRSDCは公称10MB/secだ。

 次に、松下電器のCardBus対応PCカードアダプタ「BN-SDDAP3」を使い、PCでの転送速度を調べた。転送速度表記(ハンザテックの場合は読み込み理論値)の約6割強という結果で、公称10MB/secのRSDCよりわずかに高速となった。Extreme III、PRO HIGH SPEEDには大きく差がついたが、この2つは価格も別格なので仕方がない。

各カードの転送速度(KByte/s)
  発売元 Read Write FileCopy
Extreme III(1GB) サンディスク 22,390 14,013 842
PRO HIGH SPEED(512MB) 松下電器 20,856 11,773 1,450
Gold Flash ハンザテック 7,493 5,326 648
RSDC(1GB) バッファロー 7,475 5,188 582


 512MBのカードで約4GB分(転送6回)の撮影を終えたが、特に問題は発生していない。個人的には派手なパッケージと24金のラベルが少々気恥ずかしいものの、コストパフォーマンスを考えると十分おすすめできる。2GBを投入する計画もあるというので、今から楽しみだ。



URL
  ハンザテック
  http://www.hansatech.co.jp/

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( 本誌:折本 幸治 )
2005/07/14 00:43
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